鴨着く島

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「おふくろ」は永遠

2023-11-28 15:33:39 | 母性

一昨日の日曜日は隣町の文化センターでカラオケ発表大会があり参加してきたが、その大会には二人のプロ歌手がゲスト出演した。

二人とも高齢で、ブレイクしたヒットソングはないが、50歳を過ぎてからプロ歌手となった点では共通している。

私はふたりの内より高齢な松島進一郎という歌手の持ち歌を一緒に唄った。年齢は明かしてくれないのだが、私より5歳くらいは上のようだ。

この人は大阪富田林出身で、会社を経営していたとも聞いている。歌手名の「松島」は大阪では著名な歌手に弟子入りしたとかで貰った芸名だそうだ。

5年ほど前に、とあるカラオケスタジオに彼がゲスト出演した際に購入した「総集編」と銘打った14曲入りのCDを聞いてみて、その中で特に気に入ったのが3曲あるのだが、一昨日唄ったのは2番目に好きな「人生おとこ道」という歌だった。

1番好きな曲はと言えば、「おふくろ」というタイトルの曲である。「人生おとこ道」がいわゆる演歌の定番的な歌であるのに比べ、「おふくろ」はスローテンポの何とも言えない味わいの歌で、松島進一郎の真骨頂の歌に違いない。

これは私が唄っても、到底、彼の味わいには達すべくもなく、今回は断念した。それほど彼の声の質やバイブレーションは独特なのである。

もう一人の歌手「Nobby(ノビー)」だが、今度初めてお目にかかった歌手で、そもそも「ノビー」という芸名は何ぞやという疑問があった。

今回最後の「ノビー・ショー」で歌の合間に本人が語ったことによれば、何でも40歳の頃にアメリカの西海岸に渡り、現地のエフエム放送で「日本の音」というタイトル番組を3年間担当したそうで、本名が「のぼる」だったので愛称が「ノビー」になったという。

帰国後に歌手デビューし、去年までの約20年間で18曲のCDを出している。最新曲は「ふるさと恋し」でそのCDは手に入れていたのだが、最初の曲つまりデビュー曲は「おふくろ」だというのである。

これには驚いた。なにしろ松島進一郎も先に書いたように「おふくろ」という曲を出しているではないか。

調べると歌のタイトルにおいては同じタイトルでも発表できるそうなのだ。

それには納得だが、たしかに他にも「酒」とか「別れ」とか「女の未練」など同名のタイトルは散見される。

さて両者の内容はひとことで言えばどちらも「母親には苦労を掛けたが、いまだに孝行ができないでいる。ごめんなさい」というものだ。

松島の歌ではおふくろはもう他界しているのだが、ノビーのはまだ存命で、その点は違うのだが、いずれにしても母親への深い思い入れがたっぷりと伝わってくる歌である。

母親(おふくろ)を唄った歌は数知れずあるが、どの曲も母の懐かしさと思い出、そして多くの曲の背景には「ふるさと」が見えている。

「おふくろ」と「ふるさと」とは、誰の脳裏にも切り離しがたい永遠の記憶として残されるものなのだろう。