映画『ビッグ・アイズ』を観た。ゴースト画家の物語で、どうしても佐村河内の守騒動を連想せずにはいられない。偽作者が自己顕示欲の強い「なりたがり」で、売り込みは上手くても創作の才能は乏しいということだけでなく。 bigeyes.gaga.ne.jp
映画『ビッグ・アイズ』 この作品は、あの騒動と同じく、作品の評価の不確かさという問題に触れているからだ。「ビッグ・アイズ」の絵は、頭の硬い批評家や画商には嫌悪されるが、大衆には受け容れられる。しかし、その大衆は絵を買わず、チラシのような複製物で満足してしまう。
映画『ビッグ・アイズ』 大衆の多くは、偽作者の巧みな宣伝(情緒的な嘘物語付き)・流行に乗せられているだけに見え、その支持が作品の価値を決定づけるものとは言い難い。結局、作中で「ビッグ・アイズ」の美術作品としての価値は明確にされずに終わる。
映画『ビッグ・アイズ』 狂言回し役は、モディリアニすら知らないゴシップ専門の新聞記者で、この点について総括することができない(おまけに途中で狂言回し役を降ろされる。)。しかし、話題づくりだけを目的として、作者も疑問を持ちながら作った作品は、はっきり価値なきものとして否定される。
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