万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

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胡蝶の夢 II

2017-07-19 21:24:56 | 万華鏡ブログ

BKS万華鏡世界大会で出品された鈴木義雄さん、吉見秀子さんの「胡蝶の夢II」をご紹介します。水晶の蝶が主役となって素敵な映像が展開する作品です。

外観は吉見さんの手になる木彫りの藪手毬が咲き乱れます。その花のすがたから蝶の舞を思い起こさせる花木です。
一辺が43㎝の三角の大きなボディは高さも49㎝あり、堂々と落ち着いた雰囲気があります。
この大きな作品の覗き口は上部にあります。4種類のミラーシステムを内蔵しており、それぞれが生み出す映像には作家の想いと意図が表現されています。

 この作品に II とついているのは、「胡蝶の夢」という作品が存在するからです。このII では、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに制作なさった「胡蝶の夢」3部作のひとつ「鎮魂」に登場する"水晶の蝶”を主役として展開する物語を紡いでいます。上の映像は中央の覗き口から見たもの。その蝶が新しい蝶の生まれ戯れるのを見ているところだそうです。「再生」の想いを込めています。

二つ目の覗き口からは赤を基調にした3ポイントの映像が見えます。

三つ目の覗き口からは青を基調にした4ポイントの映像が見えます。いずれも生まれ出る映像は”再生”を表現します。

そしてもう一つの覗き口からは、金と銀に満ちたユニークな映像です。 時間の流れを表現しています。

異なるミラーシステムに物語を託して、あの未曽有の災害の犠牲者の魂を鎮めたいという、とても深い意味のある作品です。そういう万華鏡もあるのですね。作家さんが伝えたい想い、見る人がそこに感じる想いも同じでなくてもいいのです。でも何かを感じるに違いない作品と思います。

写真は鈴木義雄さんご提供のものを使わせていただきました。 飾られているのが床の間で、それもこの作品の飾り方として素敵だなと思いました。

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