この写真から万華鏡を思い浮かべるのは難しいかもしれません。 フィル・コグヒルさんの「Gold Mine 金鉱」という作品です。
その全貌はこんな感じです。 すべて木製で、スタンドの一部に、中空の球がはめ込まれています。 その内側に金箔を貼ったユニークなスタイルの万華鏡です。
今ではウッド・アーティストと名乗っていらっしゃいますが、もともとはステンドガラスの万華鏡作家でした。 90年代末ぐらいから方向転換し、もっぱら木工の万華鏡を創っています。さまざまな木材を使い、その自然な表情や質感を大切に万華鏡のボディーに生かしています。 倒木や廃材などを利用することも多いそうです。 節、割れ目、虫食いの跡までもユニークなデザインの一部にしてしまいます。
それぞれの部分を見ていくと、デザインの面白さと万華鏡としての機能が、しっかりとかみ合わさっていることが感じられます。
オブジェクトケースはオイル入りで、オブジェクトはバーナーワークによるガラスです。
基本的な2ミラー7ポイントの映像ですが、コグヒルさんの映像は、すっきりとした心地よさをいつも感じます。
くっきりと鮮やかな色合いですが、決して強すぎず、一つ一つのオブジェクトが活かされている感じがするのです。
この万華鏡は持ってみると意外と軽いのも特徴です。
あの金色のスペースには何か入れることもできそうなのですけれど、たぶんそんなつもりではないでしょう。 なぜこのようなデザインを思いつかれたのか、伺えばよかったと思っているところです。