蝶の舞うガラスの万華鏡は、豊田万里さんの作品「アレクサンドラトリバネアゲハ」です。学名(?)がタイトルになるくらい詳細で正確な蝶の姿を描きながら、美しいデザインがひときわ目を惹きます。 先日の「山見浩司となかまたち展」での出品作のひとつです。
銀色のガラスに見える独特の表現は、透明なガラスに絵を描いてから、銀をのせ、焼き付けて生まれたもの 細部にあしらわれたメタルワークとの相性も抜群ですね。
黄色やグリーンで描かれた蝶の色に合わせたオブジェクトは、外から見ても美しい色合いですが、内部には視野いっぱいに、こんな風に映像が広がります。ここにもメタルワークが使われ、映像の周囲を飾る、黒いレースのような縁取りとなっています。
もう1点は「オオゴマダラ」という作品です。
こちらの作品は、セルから出ている2本のチェーンを引いたり緩めたりしてオブジェクトを動かし、上から覗いて、映像の変化を楽しみます。チェーンに繋がったオブジェクトピースを動かすユニークなアイディアです。
この万華鏡は覗き口が3か所もあり、それぞれに異なったミラーシステムが付いています。そしてその映像も、虫や蝶の世界のよう・・・ オーソドックスな2ミラー映像のほかに、こんな不思議で妖しげな映像も見えます。
別の覗き口からは同じオブジェクトながら、まったく感じの違う映像も見えて、楽しく不思議です。
豊田さんのよく使われるサークルミラーのぐるぐる模様を見るのぞぎ口もありました。
毎回新しいアイディアを美しい形にして、私たちを驚かせてくれる作家さんです。