デヴィッド・スーギッチさんは、ステンドガラスで、ワンドをオブジェクトとする作品を創り続けている作家さんですが、その中から、大きくて立体的な映像のユニークな作品をご紹介します。
この映像の万華鏡は「Emperor's Palace」(皇帝の宮殿)という作品です。色彩の豪華な空間を覗いているような感じですね。この空間を生み出しているのが、2ミラーシステムと、カーブをつけたワンドです。
ワンドをオブジェクトとする万華鏡は、ステンドガラスの作品だけでなく、どんな素材でもオブジェクトとして利用できるので、小さいものから大きなものまでいろいろありますが、しかし、長いワンドを曲げてカーブをつけてオブジェクトにする試みは、スーギッチさんの考案した新しい意匠です。
右側の細長い部分に覗き口があり、カーブを描くラインの部分は、端から端まで長いワンドをラインに沿わせて埋め込んでいます。
2ミラーの第三面にこのワンドが組み込まれていて、鏡の反射でワンドの繰り返し映像が生まれ、そのワンドの曲線がこのような空間を生み出すのです。ワンドの中を流れる色とりどりのオブジェクトが、このようなカラフルな映像世界を演出します。
横に長い覗き口から視点を変えて見ると、また面白い映像が見えてきます。
両手でしっかりと支え、ワンドの中身が動くよう、傾けたりする上げ下げしたりしますが、大きくて重さもあるので、持ち続けるのは大変です。しかし、それだけに迫力満点の映像を楽しむことができます。