9月11日から23日まで東京、渋谷のBunkamura Galleryで開催中の「万華鏡展 ―変幻する美の結晶―」に伺いました。恒例の万華鏡展ですが、広いスペースにゆったりと並べられた作家ものの万華鏡の数々は、どれも個性的で、それぞれの美を競い合うかのごとく、私たちの目を惹きつけます。
今日はその特別展示の万華鏡の中から、羽石茂さん・泉さんご夫妻の作品「華瞑想」をご紹介します。羽石さんは今年の国際万華鏡協会公募展で最優秀賞を受賞なさった作家さんで、今回、さらに発展した美しい映像世界を見せてくれました。
今日はその特別展示の万華鏡の中から、羽石茂さん・泉さんご夫妻の作品「華瞑想」をご紹介します。羽石さんは今年の国際万華鏡協会公募展で最優秀賞を受賞なさった作家さんで、今回、さらに発展した美しい映像世界を見せてくれました。
この万華鏡には替えのセルが5個もついていて、いろいろな映像を楽しめます。筒の内部にLEDの照明がセルに光を当てるように取り付けられているので、明るく、繊細な模様が浮かび上がり、その周りにはその輝きを映し出すオーラが見えます。
この万華鏡のタイトルは「華瞑想」といいますが、現代万華鏡の素晴らしさを説いたコージー・ベーカーさんの文章の中にも万華鏡と瞑想(Meditation)のことが述べられていたことを思い出しました。万華鏡を覗き、その映像変化に心と目を預け、そこから感じられる音楽を聴こうとすることは、「瞑想」に通じるものであり、自分の心を覗く行為であること、そして、いつの間にかプラスの思考へと導かれていく・・・
万華鏡の映像が表すものは、無秩序や混沌や行き詰った夢から生まれる、いくつもの可能性、いくつもの機会、新しい地平線であること。 もう一方で精神を落ち着かせる効果があること。万華鏡を覗いてネガティブな感情を持つ人は、まずいないことからも、瞑想の手段としての万華鏡の素晴らしさ、価値をベーカーさんは早くから説いていました。
羽石さんの美しい映像を見ながら思い出した次第です。
この美しい映像を生み出すオブジェクトセルの一つの特徴は、質感の異なる美しい布地を背景に置き、さまざまなオブジェクトピースを配していることです。内部照明により、必要な光を十分当てて、布とオブジェクトピースの美しさを十分に引き出しています。
ほかにも味わいのあるネーミングの作品が数点展示されていますが、いずれも完成度の高いステンドガラスの造形作品である上に、この斬新なセルの作り方、生み出される映像におおいに驚き、感動しました。
展示されている会場の一部です。