さる25日、以前から参加したかった白山セミナーハウス望岳苑での、
藍染め体験セミナーへ参加してきました。
この日は金沢駅からバスで白峰に向かいました。
片道60キロのバス旅行!
バスは金沢の繁華街から隣町の野々市を過ぎ、
やがて加賀の菊酒で知られる小堀酒造や菊姫の酒蔵がある町・鶴来を通って、
白山麓へと向かいます。
このあたりからだんだんと周囲の山が高くなり、
山を分け入ってバスが進んでいきます。
瀬女(せな)から尾口にかけ、道はさらにぐんと高みを増し、
眼下には翡翠色した手取川の流れが見えます。
この川を堰き止めて作られた手取ダムの水底には、
旧尾口村と旧白峰村桑島の集落が沈んでいます。
桑島は牛首紬の織里でした。
村が湖に沈んでもその伝統を絶やしてはいけないという信念に貫かれた
加藤夫妻をはじめとする人々の手により、今の牛首紬があります。
私が体験する藍染の藍は、この紬を染めるために村で育てられていたものです。
それを望岳苑の前庭でも育てており、
毎年、藍の花が咲く前に藍染めのセミナーを開いているのだそうです。
道はダム湖にそって奥へ伸び、長いトンネルをいくつも抜けると、
やがて白峰の集落。
バスを降り、名物トチ餅などを売っている「かんこの家」前で、
望岳苑の支配人・Yさんに車で迎えに来ていただいて、望岳苑に到着です。
望岳苑前のスロープにはススキが銀色に輝き、秋の到来を実感。
去年はここで茅刈体験もしました。
セミナーは既に始まっており、
今回おこなう2種類の染めのうちの「生葉染め」の染液を搾っているところでした。
方法は刈り取った藍から葉をむしり、ミキサーに葉と水を少し加えて攪拌。
それを木綿の袋に移し変えて袋をぎゅっと搾ります。
この日の参加者の一人、小学1年生のイッセイ君がY支配人といいコンビでこの作業を繰り返し、
4Lほどの染液ができあがりました。
出来上がった液は濃い緑です。
ここにあらかじめ輪ゴムや割り箸などでくくった絹のスカーフを水で湿らせ、
染液につけること約10分。
冷たい山水で洗い流すと、秋空のような爽やかな清んだ青!
思い思いに染め上がったスカーフを、風になびかせ干している間に、
午後から行う煮染めの準備にかかりました。
煮染めに使うのは、葉をむしったあとの茎の部分です。
茎を節のところでぽきぽきと折って鍋いっぱいにいれ水を7割ほどいれて火にかけます。
沸騰してから20分で火を止め、布で茎を漉して煮染めの染液が出来上がり。
生葉とちがってこちらの色は暗灰色の染液です。
絹は熱に弱いので染液を人肌程度にさまし、スカーフを20分ほどつけて糸に染みこむのを待ちます。
それから初色を促すためと定着させるための媒染液(今回は木酢液と鉄)につけて水洗い。
渋いつるばみ色に染まりました。
染め上がる間、子供たちが歓声をあげて水と戯れ、
大人たちはそれを微笑みながら見守って。
そんな心地いい時間に、
あちこちこり固まったものがゆるゆる溶けていきました。
さて、ここから先は私のスカタンなお話し。
いつもは白峰には車で来ているので、時間が過ぎるのを意識せずにいました。
そろそろ帰ろうかなと「帰りのバス時間いつでしたっけ?」と
のんびりスタッフのSさんに尋ねると、
「あっ! Kさんバスだった~。今日はもう、バスない・・・・・・」と。
支配人も藍を刈りながら「そうだった、バスだったね、ははは!」。
泊まってもよかったのですが、次の日は仕事。
幸い、参加者のお一人で小松市の陶芸家Tさんがまだいらっしゃったので、
その車で鶴来まで送っていただくことになり、一安心。
そして、車の中で話しがはずみ、鶴来をすぎて車はどんどん金沢に近づいてしまい、
Tさんのご好意にすっかり甘え、実家近くまで送っていただきました。
Tさん、大変ありがとうございました。助かりました。
初秋の一日、心身ともにリフレッシュ。いい日でした。
藍染め体験セミナーへ参加してきました。
この日は金沢駅からバスで白峰に向かいました。
片道60キロのバス旅行!
バスは金沢の繁華街から隣町の野々市を過ぎ、
やがて加賀の菊酒で知られる小堀酒造や菊姫の酒蔵がある町・鶴来を通って、
白山麓へと向かいます。
このあたりからだんだんと周囲の山が高くなり、
山を分け入ってバスが進んでいきます。
瀬女(せな)から尾口にかけ、道はさらにぐんと高みを増し、
眼下には翡翠色した手取川の流れが見えます。
この川を堰き止めて作られた手取ダムの水底には、
旧尾口村と旧白峰村桑島の集落が沈んでいます。
桑島は牛首紬の織里でした。
村が湖に沈んでもその伝統を絶やしてはいけないという信念に貫かれた
加藤夫妻をはじめとする人々の手により、今の牛首紬があります。
私が体験する藍染の藍は、この紬を染めるために村で育てられていたものです。
それを望岳苑の前庭でも育てており、
毎年、藍の花が咲く前に藍染めのセミナーを開いているのだそうです。
道はダム湖にそって奥へ伸び、長いトンネルをいくつも抜けると、
やがて白峰の集落。
バスを降り、名物トチ餅などを売っている「かんこの家」前で、
望岳苑の支配人・Yさんに車で迎えに来ていただいて、望岳苑に到着です。
望岳苑前のスロープにはススキが銀色に輝き、秋の到来を実感。
去年はここで茅刈体験もしました。
セミナーは既に始まっており、
今回おこなう2種類の染めのうちの「生葉染め」の染液を搾っているところでした。
方法は刈り取った藍から葉をむしり、ミキサーに葉と水を少し加えて攪拌。
それを木綿の袋に移し変えて袋をぎゅっと搾ります。
この日の参加者の一人、小学1年生のイッセイ君がY支配人といいコンビでこの作業を繰り返し、
4Lほどの染液ができあがりました。
出来上がった液は濃い緑です。
ここにあらかじめ輪ゴムや割り箸などでくくった絹のスカーフを水で湿らせ、
染液につけること約10分。
冷たい山水で洗い流すと、秋空のような爽やかな清んだ青!
思い思いに染め上がったスカーフを、風になびかせ干している間に、
午後から行う煮染めの準備にかかりました。
煮染めに使うのは、葉をむしったあとの茎の部分です。
茎を節のところでぽきぽきと折って鍋いっぱいにいれ水を7割ほどいれて火にかけます。
沸騰してから20分で火を止め、布で茎を漉して煮染めの染液が出来上がり。
生葉とちがってこちらの色は暗灰色の染液です。
絹は熱に弱いので染液を人肌程度にさまし、スカーフを20分ほどつけて糸に染みこむのを待ちます。
それから初色を促すためと定着させるための媒染液(今回は木酢液と鉄)につけて水洗い。
渋いつるばみ色に染まりました。
染め上がる間、子供たちが歓声をあげて水と戯れ、
大人たちはそれを微笑みながら見守って。
そんな心地いい時間に、
あちこちこり固まったものがゆるゆる溶けていきました。
さて、ここから先は私のスカタンなお話し。
いつもは白峰には車で来ているので、時間が過ぎるのを意識せずにいました。
そろそろ帰ろうかなと「帰りのバス時間いつでしたっけ?」と
のんびりスタッフのSさんに尋ねると、
「あっ! Kさんバスだった~。今日はもう、バスない・・・・・・」と。
支配人も藍を刈りながら「そうだった、バスだったね、ははは!」。
泊まってもよかったのですが、次の日は仕事。
幸い、参加者のお一人で小松市の陶芸家Tさんがまだいらっしゃったので、
その車で鶴来まで送っていただくことになり、一安心。
そして、車の中で話しがはずみ、鶴来をすぎて車はどんどん金沢に近づいてしまい、
Tさんのご好意にすっかり甘え、実家近くまで送っていただきました。
Tさん、大変ありがとうございました。助かりました。
初秋の一日、心身ともにリフレッシュ。いい日でした。
藍染めの手順や色彩から山間の空気まで、その場にいて見たり感じたりできたような思いです。
藍染めの実際をまったく知らなかったのですが、生葉染では、搾った液にひたすだけで藍色が出るとは驚きでした。なんとなく、媒染剤が必要なのだろうと思っていたのです。
帰りのバス!
私、三次から広島への最終列車に乗り遅れてしまい(なんと、午後の3時頃が最終なのです)、その日どうしても帰らねばならないので、広島までタクシーに乗ったことがあります。ホテル代より高くつきました(笑)。
生葉染めは、藍というより水色でしょうか。
藍の藍をだすには、やはり藍を発酵させ藍甕で藍を立てる方法ではないと無理のようですが、これはこれで夏空を切り取ったような色できれいでした。
刈り取った藍を分けていただき、葉を冷凍したので、風の盆が一段楽したら何かを染めてみようと思います。
秋には藍の種を分けてもらう予定です。来春桜のころに、映さんもまいてみませんか?
自分で育てた藍で藍染めするのも楽しいと思うのです。
映さんも乗り遅れることあるのですね。安心しました。白峰から金沢に行くバスも2時半でお終い。ちゃんと調べていなかった自分が愚かでした。
2~3分待てばくる山手線や、やたらに速いだけの新幹線に慣らされていると、イキモノとしての体感を忘れます。日本橋から三島で歩けば3日(新幹線では品川-三島が39分)だというのに。イケナイね。
>藍の種。
東京では、目黒の自然教育園で、藍タデを栽培していて、見たことがあります。小さな白い花が咲くのね。
もとは武蔵野の雑草だったそうですが、マンションのベランダ、サバンナ気候の中で育つかな? 試してみたい気持ちと、可哀想じゃないかという気持ちと、相半ばしています。
種まきは来年の春、桜の咲くころですから、
それまでゆっくり悩んでいてください(笑)