出会い

知人から電話が入り、用件が済んだあと、先日のミラノスカラ座オーケストラ主席フルート奏者のコンサートで話が盛り上がりました。

彼女もそのコンサートを聴きに来ていて、やはりその素晴らしさに圧倒されたとのこと。

そりゃそうです。

私も今までいろんなコンサートに出かけましたが、あんなに感動する演奏に出会ったことはなかなかありません。もちろん、どのコンサートもプロが務める舞台はその場限りの一期一会のもの、どれも素晴らしいものばかりでした。

その中で群を抜いていたのがこのあいだのコンサートだったので、電話で二人してしばらくその話題で盛り上がりました。

彼女いわく、演奏も素晴らしかったけれど、演奏の途中で、最前列に座っていた小学校低学年の男の子が足をパタンパタンと揺らしながら聴いているのが気になり、演奏者が演奏を中断してしまい、後ろの席に移ってもらったけれど、アンコールでその子のためにリクエストを聞いて演奏をしてあげたことにいたく感激していました。

真剣勝負の演奏をしている時に雑音や不必要な動きは演奏に専念できないからと排除するだけでなく、そのあとにちゃんとフォローして、さらにその子と話をしたり写真に収まったりということもしてあげられるなんて、なんて素晴らしい人だろう、と。

自分なら、子供を叱ったあと、そうやってちゃんとフォローするというところまでできるだろうかと自分のことに置き換えて考えている様子に、今度は私も感銘を受けてしまいました。

返すがえす、いろんな意味で印象深いコンサートでした。ナマを聴きに行く意味、というのはこういうことにあるのだな、と思います。その出会いは、お金に換えられない、ということも。

一緒に聴いた人と共有することでさらに思い出深いコンサートになりました。




兵庫県赤穂郡上郡町の「外川ピアノ教室」ホームページ