俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

12月24日(土)

2011-12-24 23:26:58 | Weblog
★山中に鵯鳴きわが身まっ二つ  正子
「まっ二つ」との言葉は鵯のあの鳴声ならではと感じます。甲高く決して聞き惚れるような声ではありませんが、何か魂をゆさぶるようなところがあります。 (多田有花)

○今日の俳句
猪狩を外れし犬と出会いけり/多田有花
猪狩をしてきた犬と山道で出会った。「外れし」が犬をうまく言いえている。猪を追い、山中を駆け回った犬と、今は静かに山を下る犬との対比が読み取れるのである。

○長男夫婦の元、奈津子が来る。葛飾区のNTT社宅に住んでいて、元は、コンピュータが専門職。句美子がブッシュド・ノエルを作ってくれる。句美子は、今田美奈子先生のお弟子の先生のお菓子教室に通っていて、教室で作ったお菓子を持って帰ってくれるが、味は洗練されているなあと、いつも感心する。

○水仙
町内のあちこちで水仙が咲き始めた。正月が近い。
水仙について脳裏にある光景がある。昭和30年代前後、家庭では、着物や布団などを洗って仕立て直していた。洗った布は、糊づけして皺を伸ばすために、板張りや針子張り(しんしばり)にしていた。木綿は小麦粉で作った糊を使うが、銘仙など絹ものは、水仙の糊を使っていた。水仙の葉を切ると、滴る水のような透明な液で良い香りがする。この液にひたして、針子張りにした布が、庭いっぱいにゆれていた。それもなぜか、水仙の花が咲いている時期に限られていたように思う。糊に使うだけの水仙が庭に咲いていたとも言えるが。冬ばれのうららかな日と共に思い出す。

◇生活する花たち「水仙」(横浜日吉本町)

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1 コメント

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お礼とコメント (多田有花)
2011-12-19 18:22:51
正子先生、
「猪狩を外れし犬と出会いけり」を今日の俳句に
お取り上げいただきありがとうございます。
山で出会った犬の姿が蘇ってきました。今年もすでに
猪狩のシーズン、あの犬はどうしているだろうか、と思います。

★山中に鵯鳴きわが身まっ二つ  正子
「まっ二つ」との言葉は鵯のあの鳴声ならではと感じます。
甲高く決して聞き惚れるような声ではありませんが、何か
魂をゆさぶるようなところがあります。
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