俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

7月6日(土)小暑

2024-07-06 19:44:36 | 日記
曇り 雷

●栄太郎さんから「夕映え」は「夕焼け」の傍題季語だと電話があった。花冠としては、「夕映え」を季語と認めないと返事をした。角川の季寄せに「夕映え」が傍題季語として載っているからと使ったと言う返事だった。誰が「夕映え」を季語にしたのか。

●夕焼けと夕映えの違いについては、次のように説明される。
基本は同じです。 夕焼けは状態を夕映えは情景だけの違いです。ならば、なぜ夕焼けが季語で、夕映えを季語としないと考えるか。それは俳句が科学ではなく、「言葉」だからです。しかし、良い俳句は「観照」が大切なのです。科学で言えば、冷静な奥深い観察です。

①「夕焼け」はなぜ夏の季語なのか。
「夕焼け」は、日が沈む前に西の空の地平線近くから燃えるような茜色を現す現象を指します。この言葉自体は夏の季語ですが、他の季節でも「春の夕焼け」「秋の夕焼け」「冬の夕焼け」と詠むことがあります。1 しかし、夏の夕焼けは最も華やかで荘厳なものとされています。2 俳句で単に「夕焼け」と詠めば、夏の季題とされることが多い。

⓶「夕映(え)」は季語か。
冬泉夕映うつすことながし/柴田白葉女
夕映えの一村囲む桑若葉/桂信子
雄阿寒に長き夕映え洗鯉/奈良文夫
かいつぶり人は夕映着て帰る/林翔
夕映えの遠き焚火は地の吐息/林翔
夏山の萱の刈あと夕映えぬ/瀧春一
夕映に何の水輪や冬紅葉/渡辺水巴
夕映の残る虫より淡くして/相馬遷子
を曳く子の丹の頬よ夕映よ/中島斌男
賞与月疲れざる顔夕映えよ/香西照雄
夕映えに向つて泳ぐ一人かも/文挟夫佐恵
金色の夕映えを呼びもどす/原裕
夕映えや茂みの漏るる川の跡/丈草
夕映の蚊柱の胴緊めがたし/澁谷道
秋夕映の海より来たり鮃の死/森澄雄
山々の夕映のくるスキー場/京極杞陽
夕映のしばらく倚るは冬襖/角川源義
菜の花や夕映えの顔物をいふ/草田男
夕映えは水に流れて凌霄花/川崎展宏
雲のみに夕映えのこる水芭蕉/中村信一
甘蔗刈る夕映えなかき海を背に/井関昌子
夕映えて夜の影持てる枯木かな/鈴木花蓑


●別の話。最近は芯の通った俳人が少なくなったと言う意見がかなり出ているとのことで、有名だからと言って俳句を評価できないという。このように言われるようでは、中央俳壇の著名俳人も地に落ちた。中央俳壇がどうであれ、よそはどうであれ、花冠はたいしたグループではないので、良いと思う信念を通させていただく。

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