俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

3月9日(金)

2018-03-09 11:17:59 | 日記
★蕎麦に摺る山葵のみどり春浅し   正子
蕎麦の薬味にしようと山葵を擂る。その淡い緑に、迎えたばかりの春をそっと感じる。清流の音が聞こえてきそうな爽やかさです。(小西 宏)

○今日の俳句
海鳴りを柔らかに聞く春の浜/小西 宏 
春の浜で沖を見やりながら聞く海鳴りは柔らかい。この柔らかな海鳴りに、寒さから解き放たれた春のうれしさが読める。(高橋正子)

●雨は上がる。暖かいく湿度がかなり高い。

○沈丁花

[沈丁花/横浜日吉本町]

★沈丁の四五花はじけてひらきけり/中村草田男
★沈丁やをんなにはある憂鬱日/三橋鷹女
★にはとりの置去り卵沈丁花/皆川盤水
★沈丁の風にころがる鉋屑/高橋将夫
★風下のベンチまた空く沈丁花/木暮陶句郎
★ポストヘの道沈丁の香にも寄り/藤田宏
★沈丁や気おくれしつつ案内乞ふ/星野立子

 日本に栽培されているものは中国原産の常緑灌木で、高さい・5メートルに達し、生垣や庭先に植えられたものが多い。花は内面部が白く、外面が紫がかった桃色で、香気が強い。早春まだうそ寒い頃、または淡雪の下、夜気にこの花が匂うのは印象深い。
赤紫色の蕾が弾けると、内側の白い部分が表れて好対照をなす。うそ寒いころの、その香気が好きなために植えられる花であるかもしれない。砥部の庭にも門脇に一本あった。冷たい空気とともに吸うその香りは、肺深く入りこんで、今年も卒業や旅立ちの季節が来たなと思う。田舎の家の庭先にもよく植えられて、子供の間でも沈丁花が咲いたと話題になった。「じんちょうげ」というあの花くらいの重さの音が今も耳に残っている。

★沈丁の香の澄む中に新聞取る/高橋正子
★雪解けの雪が氷れる沈丁花/高橋正子

 ジンチョウゲ(沈丁花)とは、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木。チンチョウゲとも言われる。漢名:瑞香、別名:輪丁花。 原産地は中国南部で、日本では室町時代頃にはすでに栽培されていたとされる。日本にある木は、ほとんどが雄株で雌株はほとんど見られない。挿し木で増やす。赤く丸い果実をつけるが、有毒である。花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われる。
 2月末ないし3月に花を咲かせることから、春の季語としてよく歌われる。つぼみは濃紅色であるが、開いた花は淡紅色でおしべは黄色、強い芳香を放つ。枝の先に20ほどの小さな花が手毬状に固まってつく。花を囲むように葉が放射状につく。葉は月桂樹の葉に似ている。
 沈丁花という名前は、香木の沈香のような良い匂いがあり、丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつける木、という意味でつけられた。2月23日の誕生花。学名の「Daphne odora」の「Daphne」はギリシア神話の女神ダフネにちなむ。「odora」は芳香があることを意味する。花言葉は「栄光」「不死」「不滅」「歓楽」「永遠」。


◇生活する花たち「紅梅・赤花満作・山茱萸(さんしゅゆ)」(横浜・四季の森公園)
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