俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月12日(金)

2024-04-12 11:38:40 | 日記
曇り
初つばめ川面近くを行きゆきて 正子
堰落ちる水を離れず春の鷺   正子
葉桜となりつつ花のまだ白し  正子

●『ドイツの詩を読む』は、ドイツ語の初学者用にドイツ詩の総体がわかるよう源流から現代までに編集されている。それでも主体は20世紀の詩。著者の野村修は1930年生まれで、二次大戦の終結時には高校生だった計算になる。この詩集を読むと、ユダヤ人の詩や死をテーマにした詩が多いと感じることから、強い反戦へのメッセージをこめた詩集と感じた。ドイツ文学を読むとユダヤが問題にならないことはない。

●句読点の無いパウル・ツェランの「死のフーガ」は、ナチスの強制収容所内の様子だという。この解説がなければ、そういうことだろうと思って読むのと、その場所だと示されて読むのでは理解が違ってくる。
この詩について著者は言う。
「当時のドイツ人がMozartを愛する人殺しだったとすれば、われわれもまた短歌・俳句を愛する人殺しだったのだから、この詩を「他人(ひと)ごと」として読み流すことは、われわれにはできない.」ちなみに、著者はこの本で、読点は使うが、句点ではなく、ピリオドを使っている。

●読む気で読み始めたのではなかったが、詩の紹介という以上に著者のメッセージを感じる詩集で現代の詩人がメインが置かれている。ブレヒト以降の現代詩人はほとんど知らない。フーヘル、ツェラン、フリート、バッハマン、エンツェンスベルガー、ビーアマン。ビーアマのン「励まし」は切実さがある。

●ぼんやりと雲に包まれた夕日が落ちてゆくのを見ながら西へ、鶴見川の支流の早淵川の土手を歩く。川を飛ぶ燕を一羽見た。ふいに草むらから飛び立って宙返り。川の面白さは矢作川や鶴見川のほうが面白い。歩いたのは、往復3.5km。

コメント
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