俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

9月4日(火)

2018-09-04 06:22:11 | 日記
★朝は深し露草の青が育ち  正子
露草は半日陰のようなところに群れて咲いています。まだ日中は暑さの厳しい頃、あの露草の青さには清涼剤のような清々しさがあります。「朝は深し」がその青さにぴったりです。 (多田有花)

○今日の俳句
日々すべきことをなしつつ新涼に/多田有花
作者が、モンブランへ発つ直前の句であるから、その準備のための、「日々すべきこと」であろう。用意周到な計画と準備があって、初めて登頂は成功する。日々成し終えていく内に、季節も新涼へと移り変わっていった感慨がおおきい。(高橋正子)

●「俳句四季」10月号、<今月のハイライト>に花冠が取り上げられる。8月10日締め切りの原稿の著者校正の返信に、「訂正はありません。」とメールした。発売は9月20日。25名の句が並ぶとそれぞれ個性や考えが出ていて、選ぶのに苦労した甲斐があって、いい句が揃ったと思う。一番見劣りがするのが、自分の句。代表句を出せと言われて、はたと、困るのだ。

台風21号。25年ぶりの大台風。瞬間風速60m。35mでも人間が流されている。日中に、高知から紀伊半島大阪をとおり、北陸へ。関東地方は夜に雨と風が強くなるようだ。

○コムラサキ

[コムラサキ/横浜日吉本町]

★小紫揺れてばかりよ鳥が来て/高橋正子
★子がすり抜けコムラサキの実が落ちる/〃

 コムラサキ(小紫)は、クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。学名:Callicarpa dichotoma、別名:コシキブ(小式部)、分布:日本、朝鮮半島、中国。 樹高は200~300cmで、開花期は6~8月、成実期:9~12月。初夏に薄紫色の花を咲かせ、秋に垂れた枝に紫色の小球形の果実を多数付ける。幹に近いところから枝先に向かって色付く果実は、鳥の好物。緑色の葉は上半分に鋸歯が見られ、葉は対生に付く。 コムラサキと似た花に、同科同属の ムラサキシキブ(紫式部)があるが、通常、家庭の庭で見られムラサキシキブと呼ばれるものは、実際には、コムラサキであることが多い。コムラサキの白色品種に、シロシキブ(白式部)がある。
 コムラサキとムラサキシキブの違いは、果実の付き方では、ムラサキシキブは比較的疎らに付くが、コムラサキは果実が固まって付く。葉柄と花柄の付く位置では、ムラサキシキブは近接しているが、コムラサキは少し離れて出る。葉の鋸歯は、ムラサキシキブでは全葉にあるが、コムラサキには上半分にしかない。樹高は、ムラサキシキブの方が高く(3~4m)、コムラサキの方が低い(2~3m)。枝垂れでは、ムラサキシキブは枝垂れるが、コムラサキは枝垂れない。 分布では、ムラサキシキブは山野の林に自生し、コムラサキは家庭の庭先に植栽されている。

◇生活する花たち「藻の花・萩・藪蘭」(鎌倉・宝戒寺)
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