俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

3月10日(木)

2011-03-10 07:51:00 | 花冠投句
★受験子の髪ふっくらと切り揃う   正子
受験の子。切り揃えられた髪の毛、「ふっくらと」にその子の何となく緊張し、また余裕のありようが、込められているような気が致します。 (祝恵子)

○今日の俳句
初摘みの土筆を持ちて病室へ/祝恵子
入院していれば、季節のもの、戸外のものがうれしい。初摘みの土筆に春が来たことが共に喜べることであろう。(高橋正子)

○5月号投句
河津桜
高橋正子

雪解けの少し黒きが富士雪嶺
修善寺の街のこぞって雛飾る
蕎麦に摺る山葵のみどり春浅し
 修善寺梅林
梅林の紅梅白梅層なせり
わさび田の田毎春水こぼれ落つ
天城越ゆ春の夕日の杉間より
 今井浜
怒涛とは椿・桜に飛沫くとき
春砂をゆきし足跡みな浅し
 河津
夜桜のくらがりふと立つ潮の香
菜の花も河津桜も朝の岸

○俳句メモ2月11日~3月10日
 神奈川宿五句
梅散って花びら流る滝の川
梅の香を息に吸い込みあるきけり
神奈川宿紅梅白梅匂いけり
 宗興寺
牡丹の芽ヘボン博士のレリーフに
 神奈川通東公園(オランダ領事館跡・神奈川宿の江戸側入口)
下萌えは大樹の太る根もとより

 川崎宿五句
春浅し六郷川に常夜灯
下萌えの六郷川の水青し
六郷川流れて青し春の雲

 修善寺・河津
梅林の鮎焼く炉火に身を温む
山々の春は名ばかり天城越ゆ
春浅し砂の風紋全きに
野に飛べる春鶺鴒や修善寺へ
重なりて透けることあり朝桜

梅林の丘をのぼりて伊豆連山
春寒し鮎焼く炉火に手をかざす
梢より富士の雪嶺に風光る
春浅し川に突き出す足湯なり
海に向き伊豆の椿の紅きなり
夜桜は紅かんざしのごと灯る   
夜桜にオリオン星雲浮いてあり
菜の花に蛇行の川の青かりし
春浅き湯に聞くばかり波の音
春朝日海にのぼりて海くらし
引き潮の色こそ深き春の砂
早春の砂の風紋駈けてあり
朝桜透けるばかりに川流れ
椿咲け桜咲けよと怒涛寄す

◇伊豆修善寺梅林


▼修善寺梅林:
http://shuzenji.info/bairin.htm
コメント (1)
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