やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

ドラマ「下剋上受験」を観て考えたこと・・・1

2017年03月20日 | 日記

ドラマ「下剋上受験」を、息子と一緒に観ていました。

学歴がないゆえに悔しい思いをしてきた父親が、娘には同じ思いをさせたくない、違う世界を見せてやりたいと、一念発起し、偏差値41だった佳織ちゃんを難関中学に合格させるお話です。

ドラマなど見ない息子も、佳織ちゃんが息子と同じ5年生だったせいか、毎週二人で楽しみにしながら観ていました。

 

佳織ちゃん(山田美紅羽ちゃん)は、確かに利口そうな子供です。

けれど、初めて受けた模試の偏差値は41。

塾では、「今から超一流の難関中学を目指すなど無理」と言われ、「それなら自分で教える」というわけですが、素人の、しかも中卒の学力しかない父親が、どうやっても無理だと思いました。 

でも、阿部サダヲさんが演じる父親の、娘の可能性を信じ、娘の幸せのために無我夢中で奮闘する姿に、無茶苦茶だと思いつつも大きな愛情を感じて羨ましくもありました。

 

私の両親も中卒です。

ひと昔もふた昔も前の話になるので、それほど珍しい話ではないかもしれませんが、それでも父も悔しい思いをしたのか、通信教育で大学を目指そうとしたことがあったようです。

両親は中学を卒業後、親に頼ることなく自分の力で自分の人生を生きてきたので、子どもの私達もそうするものだと思っていたのでしょう、私の高校受験も大学受験も全くのノータッチでした。

 

それでも、家から通える範囲の公立校に合格すれば学費は出してくれると約束してくれたので、私は大学進学を目指しました。

塾に通う余裕などなかったし、今のようにインターネットが普及していなかったので簡単に情報を得ることが出来ず、受験とはどういうものか、全くと言っていい程分かっていませんでした。

高校は近くの府立高校に合格出来たものの、同じような感覚で近くの府立女子大学を受験しましたが、そう簡単に合格出来るはずもありません。

 

しかも、高校3年生になった春、母が子宮癌を患い、父は仕事でほとんど家にいないため、家事や当時7歳だった末の弟の世話を私がすることになりました。

それは当然のことなのですが、母は、私の家事が中途半端で気に入らないのか、酷く小言を言うようになりました。

真夜中まで延々と続く母の小言(恨み言?)に、勉強などする暇もなく、私の心はボロボロになってしまいました。

 

「私の青春、返して!」と、私に言い放つ母は、今思えば大きな手術の後にかかる人がいるという、「術後鬱」というものになっていたのかもしれませんが、当時の私はそんなことを思いもつきませんでした。

母を恨み、仕事のせいにして全てを私に押し付けた父を恨みました。

 

その上、センター試験前夜は、両親が喧嘩して母が家を飛び出してしまい、私が母を探して家に連れ帰りました。

「この人達にとって、私の将来なんてどうでもいいんだ・・・。」

と、その夜は泣き明かしたものです。

 

だから、家族で力を合わせて受験に挑む桜井一家をとても羨ましく思いました。

学校を休ませて夜中まで勉強をさせたり、子どもに無茶させているとも見えなくもありませんでしたが、子どもの将来のために、自分の生き方を変えてまで関わろうとしているのですから。

 

佳織ちゃんは、一番偏差値の高い中学校を受験しましたが、結果は不合格でした。

崩れ落ちる父に、手を差し伸べる娘。

「エリートの子達に追いつくには、時間が足りなかった。

公立の中学で勉強を頑張って、高校受験で合格する!」

なかなか偏差値が上がらずに落ち込んで泣いていた彼女は、強く、大きく成長していました。

 

もしものときのために、と、深田恭子さん演じる母親が、偏差値が2番目に高い中学の受験を申し込んでいて、佳織ちゃんはその難関私立中学校に合格します。

後日、佳織ちゃんは、父親の講演会の会場で流すメッセージで、全力で応援してくれた両親や祖父への感謝と共に、

「同級生はお金持ちばかりで、恐らく学校で「一番の貧乏」だけれど、それで困ったことはなく、この学校に通って勉強出来て、私はとても幸せです。」

というようなことを伝えていました。

 

環境に左右されない。

自分に困難を乗り越える力があることを知り、学ぶ楽しさを知った佳織ちゃんは、難関私立中学校であろうが公立の中学校であろうが、どこでも頑張ることが出来ると思います。

それに、困ったことがあったとしても、家族が全力で応援してくれることも知っています。

 

難関中学に合格したことはもちろんですが、そのことを子どもに伝えることが出来たことがすごいと思うのです。

このドラマは難関私立中学を目指したものですが、それは一つの方向で、子どもが幸せになるために目指すものは何だっていいのです

そして、それは「子どもにさせる」だけでは身に付かず、子どもは、親の生き方、考え方を見て学ぶというか、心の核を作っていくような気がします。

 

父の信一が偏差値一番の難関中学校にこだわり、頑張れば乗り越えられると、娘に勉強を教えるために娘以上の努力をします。

一方、母の香夏子は、「中卒でも幸せだよ」「公立でもいい」「佳織が頑張るから、お母さんは応援する」と、娘に伝え続けます。

佳織ちゃんも、父親が学歴のないことで苦労していることを聞いても、素晴らしい中卒仲間に囲まれて暮らしている父を、決して不幸だとは思っていないでしょう。

 

また、佳織ちゃんは、共に中学受験を目指していると思っていた男の子が、実は経済的な理由で受験していなかったことを知ります。

「勉強はどこだって出来る。俺は、公立で勉強して、高校受験し、将来は医者になる。」と。

偏差値の高い学校に行くのが全てではないもっと先の志こそ大切だ、というメッセージだと思いました。

 

ドラマを観ながら、色んなことを考えさせられました。

一緒に観ていた息子も、きっと感じることがあったでしょう。

私は、私の受験について、大人になって思い返してみると、10代の頃には見えなかったことが色々見えてきたような気がしました。

 


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