現状では、6時間目と部活に出席することを目標にしている息子ですが、やはり、不安が強くて完全に欠席してしまう日もありますし、なんとか部活だけ参加するという日や、そうかと思うと、お弁当を持って4時間目から部活まで参加するというスペシャルな日もあります。
学校へ行くことで、短い時間の中でも色んなことが起こります。
一番多いのは、忘れ物や失くし物。
水筒、体操服、靴下を持って帰ってくるのを忘れたり、他人のシューズ袋を持って帰って来たり・・・。
「持ち物、ちゃんと確認して帰っといでや。」
と、言うと、
「そんな余裕ないねん!
そこにおるだけで精一杯やねん!」
という息子。
学校では、先生方も友達も息子のペースを尊重してくれて、息子がやってみようと希望することを応援してくれています。
それでも、息子にとっては「そこにおるだけで精一杯」なほど、一瞬も気が抜けない状態のようです。
さて、息子の中学校は10月に広島県に修学旅行に行く予定になっていて、それに関わる説明会なども始まっています。
6時間目にその説明会が行われたとき、息子も参加して、みんなで折り鶴を折ったそうです。
手先が不器用な息子は、うまく折り紙を折れません。
「折ろうとしてるのに、脳が動かなくなってしまうねん。」
と、息子は言っていました。
その日からまた息子の調子が大きく崩れました。
息子は、未だにはさみやコンパスなどもうまく使うことが出来ません。
協調運動性障害というのだそうですが、人が簡単に出来るようなことが息子には出来ないのです。
思春期の息子にとって、それはとても受け入れ難いものなのでしょう。
小学生の頃は、はさみもコンパスも手取り足取り息子に教えて、必死で練習させました。
けれど、息子なりに上達しても、傍から見てうまく使えていると思えるほどには上達しません。
それでも、少しでもやり方が分かった方が困らないと思って、私は、家で練習出来るほとんどのことを息子に教えてきました。
それが良かったのか悪かったのか・・・。
「失敗しないように!」
「出来ないことは恥ずかしい!」
そんな風に息子に刷り込んでしまったのではないか?、と、ふと思うことがあります。
出来ないことは、練習しなければうまくなりません。
特にASDの特性では、ああしてこうして…などと頭でイメージすることが苦手なので、経験しないと自分のものにはなりません。
けれど、それは私目線であって、出来ないことを余裕を持って受け止められるような教え方や育て方があったのではないかと頭によぎるのです。
出来ないことが多すぎて、失敗するイメージしか浮かばなくて、それ以前に「脳が動かなくなって、調子が悪くなってしまうのではないか」と、不安になってしまう息子。
今日も学校には行かないようです。
登校したり出来なかったり、動けなくなったり、頑張ろうと思ったり・・・。
それこそがきっと、息子のペースで進んでいるのだと思っています。