20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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小さなスーパー

2024年02月19日 | Weblog
          

使い勝手のいい、小さなスーパー。
おまけに、その2階に、カーブスが入っています。

ところが2週間ほど前、お昼に、小さな九十八円のコロッケパンでも食べようかしらと、それと同じく、シーチキンパンを買いに、併設しているパン屋さんに行きました。

パン作りは、日本人の中年の女性たち。
とても感じのいい、美味しいパン屋さんです。
お会計は、インド人っぽい感じの女性。
でも日本語はとてもお上手です。

遠くで目があっても、ニコッとするし、お店で、たった二百円くらいのお買い物でも、ニコニコ。
「今度、このお店、クローズすることになりました」
小銭のお釣りを返しながら、ポツリと、彼女が。
「え!!」
「だから、もう、お別れです」

言葉に詰まりました。
ここのコロッケパン。たまにカーブスの帰りに、一人のランチの時、買ってくるけど、すごく美味しいんだけどな。とか、思いを巡らせながら、彼女に手を振りました。

そしたら、そしたら、なんと、その小さなスーパーそのものがクローズするという話が、どこからか・・。

先日、帰りの道で、時々お会いする、おばあさまに、お声をかけて伺ってみました。
「大丈夫ですよ。3月1日にはリニューアルオープンだそうです。あのスーパーはね、51年前にできたんですよ。私は1歳の息子をおんぶして、お買い物に行ったのを覚えています。息子はもう52歳だから」と。

「ええ、そんな歴史のあるスーパーなんですか?ちょうど良い大きさで、お買い物をしやすくて助かっていたのですが・・・・、ちなみに、失礼ですが、お幾つでいらっしゃいますか?」
「もう、90を過ぎていますよ。うふふ。この間なんか、転んじゃって、ほら」
と、おでこのバンドエイドを見せてくれました。

いくたびに、そのカートを転がした、そのおばあさまとはお目にかかります。
「ご立派ですね。こうして一人でお買い物をして、お料理をして・・」

いいながら、元気だった頃の、秩父の母の顔が、ふと浮かびました。
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