好きな番組の一つに国会中継がある。ちょっと前までは経済産業省の太陽光発電の関連委員会を傍聴に行ったり、ネットで中継を見る事が多かったのだが様変わりである。考えて見れば委員会は仕事の一環であったが、国会中継は趣味である。平日の昼間ということで多分主婦(あまり見ないかも)かリタイアした人達が見ているだろう。ところが一問一答形式の予算委員会でもあまり盛り上がらない。質問は事前通告制で優秀な官僚が徹夜で答案を作成しているためぬかりは無い。籠池氏や佐川理財局長(現国税庁長官)のようなスーパースターが居ない事も今一つ盛り上がらない原因である。多分こう答えるであろうと思う質問も結構ある。野党側は、多分×××とお答えになるとは思いますが、とかの前置きを言って質問すれば良いのにとも思うが、その時はその通りですと答えるだけなのだろう。固唾を呑んで答弁を待つくらいの鋭い質問を野党に期待しても無理なのかも知れない。それから何と言っても日本人にはユーモアのセンスが無さ過ぎる。無理ならせめてパンチの利いた皮肉くらいはやりとりしてもよさそうに思うが、多分真面目な視聴者からはふざけている、国会を軽視しているとお叱りを受けるのだろう。その点では欧米の方が進んでいるように思う。
夫人の国会招致をしつこく言われているが、「呼んでも怖くて一言も喋れないと思いますよ。いえ質問がじゃなくて姑が怖い。」などと首相は言わないだろうな。佐川氏が国税庁長官に栄転したのはおかしいと責められて、「小話で、スリの名人がとうとう捕まってしまい、裁判で話を聞くうちに身の上の哀れに同情した裁判官が、保釈金を積めば出所できますよと優しく宥めた。しかしスリは、その保釈金が無いんですと泣きだしてしまった。」「すぐこの者を戻って来ると約束した上で暫く仮釈放しなさい。」わかりますか?同じことですよ。8億円の値引くらいなんですか、彼なら屁理屈を付けてでも直ぐに取り戻しますよ。皆さんから。」麻生さんなら言いかねないから怖い。
働き方改革で裁量労働制が問題になっている。勤めていた会社でも採用していた。最初は時間カウントが出来ないということで外勤営業マンが見做し残業ということで定額が上乗せになった。同じ営業部でも管理など内勤の者も居り、残業規制が厳しくなる中であいつ等は喫茶店に行っても定額が上乗せ、と不満もあったが時間管理ができないという点では已むを得ないところもあった。次は研究開発部門に裁量労働制という言葉で残業カウントではなく定額上乗せが行われた。これは成果主義を目指したものであった。勿論裁量労働は各個人ではなく職種、具体的にはグループに課せられる。当然成果もグループ単位である。グループのリーダーは成果を出すために必死、部下もじゃあこれでと勝手に帰ることはできない。運よく課せられた成果が出ると、次の上位目標がグループに課せられる。何時も一番最後まで会社に残っていたのは研究開発グループである。
個人商店の集まりのような商社と異なり、多くの会社は集団で成果責任を負う。久し振りにかつての部下で他社に移った男に会ったとき、仕事はどうと聞いたら、同じ仕事なら人より早く終わってしまうので周りからアイツは全力を出していないとか言われチンタラ仕事をする奴と同じ給料ですよという。自慢じゃなく、確かに頭は良く仕事の要領も良い男だった。成果を定量化するのは本当に難しい。個人の裁量で働く時間を決められる人は殆どいないと思う。グループなら何とかなっても、多くのグループは扶養家族的メンバーを抱えており、労働時間の短縮にはまずならない。
誰かが言っていたが、外勤営業でもスマホやタブレットで可也時間カウントはできる可能性はある。逆に労働者にとっては厳しいかも知れないが。研究開発などではリーダーの資質が大きく労働時間を左右する。資質といっても人間性にまで及ぶから相当難しい。スリを野に放てと言った余裕のある裁判官のようなリーダーなどまず存在しない。現役だったらどうだ?勿論6頭だてであろうと10頭だてであろうと思い切りムチを揮って馬車を走らせていただろう。足の遅い馬はしんどかったと思う。
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