太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

いつの間にか第2ステージへ

2015-09-25 10:11:51 | 社会観察

安保法案も成立し、いつの間にかアベノミクスは第2ステージへ向かうという。最近はインフレターゲットが何処に行ったのかマスコミも触れないし、株価の上昇をその成果と謳った評論家諸氏も口を噤んでいる。もっとも株価が実態経済や政策の成果と言うにはあまりに他の要因で乱高下しているのは明らか。津々浦々に恩恵を行き渡らそうとしているのかも知れないが年金頼りの生活に(天引きまでされて)成果らしきものは見えない。昔開発を担当していた少々ズル賢い男が月々の発表の度にA3用紙目一杯に新しい計画表を描いて発表していた。毎回新規制もあり見事な計画で上司の受けもよかった。ある日私が「確かにこの計画は見栄えは良いが先月挙げたテーマの計画→は何処に行ったのか?毎回テーマを更新したのでは成果や進捗を見ることができない。」と言ってからその男とは口も利かなくなった。ステージは過去の総括を経て初めて次に進むべきでは。多分そのうち第3第4ステージが出てくる。それは娘が子供の頃習字を習っていて級を超えて初段になった喜びを報告しに来た時「ところで段は何段まであるのか」と聞くと娘は暫く困って「何処までも」と小声でつぶやいた。」素直に段(ステージ)が変わったことを喜ばない性格は今も変わらない。今度はGDP600兆円が目標の一つになっている。受け売りで申し訳ないが、マイケル・サンデルが著書の中で紹介しているロバート・F・ケネディ(JFKの弟で彼も暗殺された)の演説文。

「物質的欠乏をなくするために行動するにしても、より大きな課題がある。それは満足の欠乏との闘いだ・・・・我々はみなそのためにに苦しんでいる。」これは昔カリスマ経営者が社員に仏教の教えを説いたとき「足るを知る」としていたものと同じ。さらにロバート・F・ケネディは「アメリカのGNPはいまや年間8000億ドルを超えている。だがその内訳は大気汚染・・・玄関ドアの特性の錠・・・それを破る人が入る監獄・・・ナパーム弾核弾頭・・・都市暴動で警察が使う装甲車・・・も含まれる。・・・・・GNPでは教育の質・・・子供の健康・・・・詩の美しさ・・・市民の論争の知性・・・公務員の品位・・・は含まれない。我々の機知も勇気も、知恵も学識も、国への献身も評価されない。要するに、GNPが評価するのは生き甲斐のある人生をつくるもの以外の全てだ。そしてGNPはアメリカのすべてを我々に教えるが、アメリカ人であることを誇りに思う理由だけは教えてくれない。」と。サンデル教授の著書ではアリストテレスの言葉を引用し、「国家の目的は相互防衛のために同盟を結ぶことでも・・・貿易を容易にすることでも、経済交流を促進することでもない。アリストテレスにとって政治はもっと高い目標のためにある。善く生きる術を学ぶためにあるのだ。政治の目的は、まさに、人々が人間に特有の能力と美徳を養えるようにすることだ。共通善について熟慮、実践的判断力を身につけ、自治に参加し、コミュニティ全体の運命に関心を持てるようにすることだ。」と。

私だけかも知れないが一国のリーダーはもっと理想家でロマンチストで哲学的に未来を語って良いと思う。具体的目標は大臣や経済界代表が掲げれば良いとさえ思う。



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