最後にちょっとだけ差

　梅雨が明けきらないこの頃、夏が待ち遠しい。夏だからと何か計画があるかというと何もないのだが。市民講座で顔見知りの人から暑気払いでもと飲み会に誘われた。特に親しいという訳でもないが誘ってくれて断るのも何だか。その人は7月末から10日間ほど奥さんとベトナムに観光旅行に行くと言う。車はベンツに乗っており家は新築してSECOMまで入れてあるから安心とのこと。仕事で結構海外に行き駐在もしたことがあるとか言っていた。子供は海外に住んでいるようで孫を連れて帰って来るから庭でバーベキューをするとかも聞いたことがある。自ら主催してゴルフコンペをやったり、最近は町内会長もやっているとか。きっとお金持ちで優雅に老後を楽しんでいる風だが育ちがいいのか話に嫌味がない。どうも元石油精製販売大手の副社長まで勤めていたようだ。もしかしたらこちらも同じような境遇と思ったのかも知れない。違うよ、正反対。常に行く所はコンビニで偶に釣れない釣りに出掛けるくらいか。夫婦で旅行などと言うと懸賞で当たった北陸旅行と北海道のパック旅行くらいか。何十年の間にだ。さて飲み会でどんな話題になるのか。多分ブログネタにはなると思う。

少し年下のようだが彼と同じところと言えば市民講座の通う身ということだろうか。人生何で差が出るか。いい大学を出て一流企業に就職し、そこそこ出世もして退職金もたっぷり、子供も順調に成長し可愛い孫にも恵まれる。これが勝ち組のパターンだろうか。昔中途入社してきた高卒の社員が居た。奥さんも共働きでダブルインカム、収入は同じ年ごろより多かった（本人談）。家を建てたのも早かった。奥さんともども真面目に定年まで勤め今も慎ましやかに暮らしているという。社内の競争にしのぎを削り時には意に反したことにも耐えそこそこの地位を得たとしても結果に大きな差はない。例えば90歳の幸せ、100歳の幸せを考えたときそれまでのキャリアは多分ぶっ飛んでいるだろう。似たりよったりの終活と思う。年寄りの顔が皆似て来るのは骸骨では区別がつかないように骸骨に皮を貼り付けてもそれほど変わらないからと書いたことがある。それほどの差ではないと思いつつちょっと羨む自分が居る。