ネット上の新聞記事の受け売りだが、もんじゅを運転させるためには今後10年間で国費6,000億円(廃炉なら3,000億円)が必要とあった。もんじゅは言うまでもなく、国も電力会社も核燃サイクルの中心としてこれまで位置づけてきた。今までに投じられた国費は1兆2,000億円とある。足すと1兆8,000億円となる。
もんじゅについては昨年11月14日に「もんじゅに沈黙」と題してブログを書いたが、内容は今でも訂正することは無い。今日は1兆8,000億円について。
現在編集作業に携わっている「太陽電池の歴史」本編(概要編はこの6月にJPEAより公開済み)によると、1974年のサンシャイン計画から2015年までに太陽電池関連に投じられてきた国費は約1兆8,000億円となる。これには研究開発や補助金など所謂国費(原資は税)で賄われたもので、偶然だがもんじゅの数字と同じである。数字を横並びにする意味は無いと思われるだろうが、「太陽光発電は今まで幾ら金をつぎ込んできたか!」という叱責にたいしては規模感としては伝えられる。もんじゅはまだ稼働実績(成果を出す)は無いが、太陽光発電はサンシャイン計画以来、小さいながらも都度成果を市場に示してきた。
だからもんじゅより太陽光発電をと言う気はさらさらない。それぞれが別の目的によって国費が投じられて来たわけだから。問題はこのような記事が出ながらも、これまでの推進論者(電力会社や国あるいは経済団体)から「国費の追加をしてでも、もんじゅは必要である。」という積極的意見が聞こえてこない(報道されない)ことである。再び沈黙してしまうと諦めたと思われてしまう。核燃サイクルの夢の続きは見れないのだろうか。