キマグレ競馬・備忘録

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本「そして謎は残った: 伝説の登山家マロリー発見記」

2024年04月26日 | Book
「なぜエベレストに登るのか」と聞かれて、「そこに山があるから」という言葉で有名な登山家マロリーを探す調査隊を追ったノンフィクション。
マロリーは、1924年にエベレスト初登頂を目指し、同僚アーウィンとともに登山を開始するが、登山隊のメンバーにアタック中の姿を一度目撃されたのを最後に行方不明になってしまう。その後、数多の登山隊が登頂を果たすが、マロリーは70年以上も発見されなかった。捜索チームは、マロリーの登頂の謎を解くために、それまでの情報を基に探索場所を検討し、遺品捜索中にマロリーの遺体を思いがけず発見することになる。マロリー発見の感動と遺品から判断される彼らの行動の仮説がハイライトになっている。エベレストまでのマロリーの行動と調査隊の苦労が並列に話が展開していて大変面白く読み応えがあった。
マロリーの時代と現代では、ベースキャンプまでの行程は大きく異なり、移動は容易になったが、ベースキャンプからエベレスト登頂の過酷さは今も変わらない。道具は進化しているが、一番問われるのは人間の高所への適応能力だろう。 環境への順化、体力、精神力の強さが求められるが、当時の人たちは強かった。 この本では、多くの疑問に対する証明はされたが、登頂については未だに謎のまま。著者が考察した4つの仮説は解明されていないというのが、この本出版時の状況となっている。
因みに、調査結果から推測したマロリーの最期を描いた部分は、リアルな表現で読んでいるだけでゾッとした。彼の最期なんて知らなくてもいい事だけれど、では「なぜこの本を読んだのか」と聞かれたら、「そこに物語があるから」と答えたい。 私にそんなことを聞く人はいないと思うが。(^^;)

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