キマグレ競馬・備忘録

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STAP細胞 論文コピペについて考えた

2014年03月18日 | Science/Technology

先週、STAP細胞研究論文の記述内容が大きな話題になった。
論点は、STAP細胞が本当に在るのかどうかと、論文の記述内容の不正に関するものである。STAP細胞の発見に関しては、私のような一般人には理解できないので、真偽については判らない。
問題になっているのが論文の内容で、記述がコピペによる他の論文からの引用であったり、写真が加工されていたり、多くの論旨の流用があったようで、それが問題として取り上げられている。科学論文では、背景説明や実験の正当性の根拠として他の論文を引用することはよくあるらしい。但しその場合は出典を明記したり、論旨を正しく解釈して記載することが前提であるが、そのような「基本」的なことが行われていなかったようだ。また、画像も過去の実験の成果を都合よく加工したことが問題になっている。
今回の論文はメディアで驚異的な成果として取り上げられて、一般人の話題になったが、結局論文取り下げにより、STAP細胞の存在が疑われる結果になってしまった。先週の理化学研究所の会見は、研究者の未熟さを要因として挙げたが、研究所自体のチェック体制や信頼性も疑われる結果になった。今後、STAP細胞の研究がどのようになるのか、推移を注目したいと思う。

ちなみに論文と言えば、大学時代の卒業論文を思い出す。自分も彼女のように、参考文献の引用や先輩の研究成果の「書き写し」をやっていた。現代のように個人PCが無い時代だったので必死で手書きしていた記憶がある。手書きと言えども、やっていることは、今のコピペと同じだ。(疲労度にはかなり差があるが)
文献の引用も出典を書くことなく、平気で自分の論文に記載していたし、参考文献の内容を自説のように書いて提出していた。卒業論文は学校を卒業するための課題で、読者は教授だけであり、社会的な影響もなく、正直コピペの行為については何も気にしていなかった。おそらく、現在の多くの社会人も同じようなことをやっていると思う。多くのメディアが指摘するように、もしコピペが社会悪と言われると、後ろめたさを感じる人も多いのではないだろうか。
でも今回の件との違いを挙げると、この論文が研究を生業とする人の論文で、研究成果が公表されて多くの人達の目に触れるため、社会的な影響がある。研究者の論文には強いモラルが必要だが、彼女はそういう意識が欠けたまま、学生の卒業論文の感覚で自説を公表してしまったことに原因があるのではないかと思う。論文の発表前に内部での精査や批評もされていなかった体制にも問題があるようだ。また、メディアは過去の博士論文も追及していたが、問題になっているのは現在の論文であって、過去の卒業論文がコピペだったからといって、それで人格を疑うようなことはして欲しくない。
この騒動で研究者としての彼女の人生は大きく変わると思う。一度傷ついた経歴を元に戻すのは難しい。このまま研究所の枠の中で研究を続けるよりも、一度社会に出て研究以外の社会経験をしてみるのも良いのではないかと思った。


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