QHQの独り言

アマチュア無線局JR3QHQが日々思う事を掲載します。

今回のパブリックコメントの経緯

2020年01月21日 14時28分09秒 | アマチュア無線

今回のパブリックコメントの経緯です。JARLと言う団体は、出てきません。

総務省の報道資料を見れば一目瞭然、なぜそうなったか理由が書かれています。

「(1)アマチュア局の免許手続きの簡素化」ですが、これの主役は、アマチュア無線家の方々です。
デジタルモード(JT65 FT8など)で交信するため多くのアマチュア無線家が変更申請を出し為、仕事量が増えすぎて簡素化に繋がりました。

「(2)アマチュア局の無資格者の利用機会の拡大」ですが、これは平成25年までさかのぼりますが、これが出された理由は、「「電波有効利用成長戦略懇談会 令和元年度フォローアップ会合」の提言に基づき、ワイヤレスIoT人材の裾野を広げていくため、アマチュア無線の資格を持たない青少年等が有資格者の下でアマチュア無線を一時的に体験できるようにする告示案を作成したものです。」です。

JARDが、平成25年に「アマチュア局の無資格者の利用機会の拡大」を含んだ要望書を総務省に出しています。
その後平成29年4月に私たちが、「青少年アマチュア無線活性化に向けての特例について」と言う要望書を赤間総務副大臣に提出しています。内容は、「アマチュア局の無資格者の利用機会の拡大」とほぼ同じです。

私たちが提出した要望書https://blog.goo.ne.jp/jr3qhq/e/1e6528a46068b49d50c5e4d07a2d5450

赤間副大臣の返答は、「赤間副大臣からは、「たいへん良い要望で前向きに検討したいが、JARLやJARDは、どのように考えているか知りたい、前回アリススクールコンタクトの特例の時のパブリックコメントで多くのアマチュア無線家がたとえ小・中学生と言えども免許の無い者が電波を出すのは反対だと意見を頂いている。
今回の特例で同じような意見が出るのは良くない。
JARLやJARDが、この特例を要望しているなら多くのアマチュア無線家が要望していると言えるので、できればJARLとJARD連名でこの要望書を出してほしい。そうすることで、スムーズにこの要望に応えることが出来る。」とお話を頂きました。」でした。
(私のブログから抜粋)https://blog.goo.ne.jp/jr3qhq/e/aae8706adbb5ed229e6918f14cd4d43d

大変良い返答を頂いたのですぐにJARL会長のもとへ、会長の返答は、「そんなことはやらない」!
第6回社員総会でもこの件を質問しましたが、ダメでした。

で、時は過ぎ令和元年です。

JARDが、動き出しました。
令和元年5月22日にJARD会長が、「電波活用の推進に必要な人材に関する調査検討会」で「人材育成とアマチュア無線の活用 」と言う題目でプレゼンを行いました。

その後、8月のハムフェアーで「アマチュア局の無資格者の利用機会の拡大」が、前に進みそうだとJARDから話があり。

9月3日に「第1回電波有効利用成長戦略懇談会 令和元年度フォローアップ会合」が開催され出席者から下記の意見が出されています。

(飯塚構成員) 
「人材を創る」という観点については、リテラシー向上のために小学生の子供なども対象にして取り組んではどうかと提案したい。  実は、先週末に開催されたアマチュア無線の祭典ハムフェアに、クラブ局のメンバーとして出展し、終日参加させていただいたが、22歳未満は入場料が無料にもかかわらず、来場者全体に占める小中学生の割合がとても低いのがとても気になった。 日本では全体的に理科離れや理系離れが進んでいると言われているが、それを少しでも食いとめるため、小中学生に対し無線技術者の入口として、アマチュア無線を体験してもらう機会を組織的、あるいは定期的に実施する仕組みを作り、小中学生の知的好奇心を引き出すことも重要ではないか。 
個人的には、技術立国日本をアマチュア無線が取り戻すぐらいの勢いを持って、1人でも多く小中学生をアマチュア無線の世界にいざない、技術者の卵を社会全体で育てていくことが日本の技術力を死守していく上で重要だと思う。 
 
(田原電波部長)  
確かにアマチュア無線のユーザーに若い方々が少ないことは、我々も懸念しているところ。 
従来から子供の電波教室等の取組もしており、小中学生にも電波に関心を持っていただこうという取組はやってきているが、アマチュア無線の部分を含めて、将来の社会を担っていく子供たちに少しでも電波に関心を持っていただき、IoTが中心になってくる社会で、電波の技術を理解できる技術者の方々を育てていけるように、取組を工夫していきたい。

第2回 令和元年10月8日

(高田構成員)  
 前回飯塚構成員からアマチュア無線の話があったが、裾野を広げる取組みについて今後あわせてやっていく必要があると思っている。それにより、IoT人材、ユーザーサイドも敷居が下がってくるのではないか。

第3回 令和元年10月28日
(関口構成員) 
ユーザ企業側については、私もアマチュア無線は中学校1年生で免許を取ったが、アマチュア無線が増えてもこの国のワイヤレス又はICTが良くなるとはあまり思えないので、やはりユーザ企業側の経営幹部等に焦点を当てて、新しいITを活用し、必ずしもITベンダによらなくても自分たちで構築していくという意識づけ、マインドセットの構築を進めていく必要があると思う。 
 その上で、人材の底上げのため、アマチュア無線も含めて理科系離れが言われる昨今、ワイヤレスやICTについて若い人たちにより興味を持ってもらえるような、資格ではなくむしろ推進するためのプログラム・環境づくりが必要ではないか。例えば、学校教育の場においては携帯電話を目の敵にしてきたが、むしろ新しい情報機器を教育の中にも取り込み、それを使ってより新しい、そして広い知識を外部から得るという態勢を国を挙げて作っていく必要があると思う。 

もうみなさんお分かりですね、主役は、この会合に出席された方々です。ありがとうございます。

電波有効利用成長戦略懇談会 令和元年度フォローアップ会合https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/dempayukoriyo_follow_up/index.html

令和元年10月30日に「電波有効利用成長戦略懇談会 令和元年度フォローアップ会合 追加提言(案)」に対する意見募集がすでに行われて、みなさん意見を出され結果も告知されています。

ただし、会長・専務理事は、11月16日の理事会で種村理事が、この件について質問するまでご存じなかったようだ。それを裏付けるのが、この意見募集をJARL WEB に載せたのが11月20日。慌てて載せたのがよくわかる。

「(3)周波数の追加割当て」ですが、これは令和元年9月1日「周波数再編アクションプラン(令和元年改定版)」に基づき今後取り組むべき課題として出てきたものです。

① FM放送用周波数の効率的な利用に資するため、平成29年度から30年度まで実施の調査検討の内容を踏まえ、FM 同期放送の導入に係る技術的検討を進め、令和元年度中に技術基準を策定する。 
② アマチュア局が動作することを許される周波数帯(バンドプラン)のうちMF帯について、既存の業務用無線の動向等を踏まえ、バンドプラン等の見直しの可能性について、令和元年度に検討を開始する。

私たちも、すでにこれにつても、意見を送っていますね。
結果も告知されています。

霞が関から漏れ聞こえてくるものは、今回の1.8MHzの全電波形式ですが、JARLの周波数委員会からは、「CWのみので良い。全電波形式はいらない。」と言ってきて、担当者を驚かせたようです。
これは、どのような形でJARLが伝えたのか不明ですが、理事会には上がってきていません。