にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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残暑もほどほどに

2007-08-23 01:09:33 | Weblog
いやいや今日も暑かった、もうこれしか。
脳の活動が鈍りますね。

今日はおととい預けた弓を取りに楽器屋さんまで行ったのです。
ちょっとした修理と毛替えをしてもらいました。
弓も様々な部品が組み合わさっていて、更に貝や象牙、はたまたべっ甲などで装飾が施されています。
今日してもらった修理は「毛箱」という部分の貝が剥がれてしまったので新しく作ってもらったのです。
消耗品と言っても良い部分なので音にもほとんど関係ありません、これが弓の本体部分だと致命的な損傷ともなります。

弓の恐ろしさ、それはいきなりポキっと折れてしまう事。
それもほんのちょっとした力が加えられただけで。
我々が仕事で使っている弓はそれなりの値段がしますが、それが一瞬でただの折れた木になってしまうのです。
何度かそんな場面に遭遇しましたが、その持ち主の落胆を見ると、もう掛ける言葉も出て来ない程。
あまり見たく無い光景ですし、私が当事者になる事だけはご免被りたいものです。

そんな訳で普段の仕事は3本の弓をそれぞれ使い分けてリスクを減らしています。
今日受け取った弓は一番値段が張ります、ここ一番という時に使います。
おととい毛替えをしてもらった弓は2番目の弓、これは東フィル入団前からのお付き合い。
3本目はカーボン製、それなりの使い方を要求される時に使います。
それなりというのは「コル・レーニョ」奏法が頻繁に出てくるような曲の時。
「コル・レーニョ」とは弓の木の部分で弦をこすったり叩いたりする奏法、マーラーの曲や「幻想交響曲」、珍しい事にショパンのピアノ協奏曲第2番などでやらなければいけません。
つい先日の「TOC10周年記念演奏会」では「幻想」と「ショパン」をやりましたのでカーボンで弾きました。
こんな風に使い分けているのです。

昨日の本番では2番目の弓でした。
毛替え仕立て、快調そのものでした。
何事も新しいものは気持ちが良いですね。
その弓で「おおまちワールド」にどっぷりと、本当にどっぷりと。
さすがですね、先生。
会場全体を見事な「おおまちワールド」にしてしまいました。
次回は来月の「午後のコンサート」がワールド。
本領発揮ですね。