にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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ボヘミアから

2010-12-05 00:18:39 | クラシック
明日はオーチャード定期の本番です。
今回の指揮者はラドミル・エリシュカさん。
チェコの誇る大ベテラン。
数年前にも東フィルを振ってくださいました。
初めての日本のオケがその時の東フィルです。
私も2回目のお手合わせとなります。

練習は3日間にわたって時間を使い切るほどにみっちりとやりました。
マエストロ、時間を忘れて没頭します。
現代的な指揮者は練習時間をきっちりと計算してすべての曲をもれなく時間通りに練習するのですが。
マエストロはそんな事は全く考えず。
今目の前にまる音楽を仕上げていきます。
何度も何度も納得するまで。

そんなマエストロが一番時間をかけて練習したのがヨセフ・スーク作曲「おとぎ話」という曲。
チェコ出身のバイオリニストとして高名なヨセフ・スークさんの同名の祖父にあたるスークさんの作品です。
今回の練習時間の半分以上をこの曲に割きました。
ワーグナーやマーラーの影響を受けた音がします。
でもそこで語られるのは本当におとぎ話の世界。
美しい曲なんです。
何かこの曲に対してはマエストロ自身、強い思い入れがあるようで念には念を入れ尽くして練習しました。
明日の本番ではマエストロの思い入れに負けないエネルギーを持って演奏したいものだと思ってます。

明日の本番では私はハンガリー出身の女性とプルトを組みます。
コンマスのネイサン・ギエムさんの奥さん、ベアトリクスさんがエキストラとして演奏するんです。
日本語が不自由なベアトリクスさんの為に英語で色々と指揮者やコンマスの指示を伝えるのですが。
エリシュカさんはチェコ語しか話しません。
それを通訳さんが日本語に直して、それを私が英語にする。
きっとマエストロの言っている事の半分も伝わっていないと思いますね。
Lost in translationとはまさにこの事?
すいませんベアトリクスさん、もっとしっかり英語を勉強しとくんだった。

冬の日の

2010-06-06 02:06:21 | クラシック
今日は森下文化センターで白金フィルの弦分奏。
今年も始まりましたね、これから本番に向けて頑張らなくては。

今年はチャイコフスキーの交響曲第一番「冬の日の幻想」を演奏します。
これから暑くなっていく季節のなかで冬の日の幻想です、涼しげな雰囲気にも感じられますが何しろ相手はチャイコフスキーですから。
やっていればメチャクチャに熱く暑くなるのです。

しかも今年はこの曲がメインを飾るのではないのです。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番がどどんとメインに控えているのです。
ロシアの有名作曲家の作品を並べたプログラム。
難敵揃いですからねえ、ロシア物は。
どうしても日本人が演奏すると、あの独特の粘り気と広大なスケール感が出ない事が多いのです。
雄大なロシアの大地を音にしないといけないのです。

弦分奏はもう一回あります。
その時にはロシアとは無縁のヘルメスベルガーという作曲家の作品も練習します。
マニアックなきょくですね。


さて今日の練習会場である森下文化センター、前まで行くと黒山の人だかり。
いや、黒い服を着た人達の大集団が。
よく見ればお葬式をやっていたのです。
すぐ隣の施設で行われていたのですが、文化センター前の広場も人で埋まり凄い雰囲気。
そこを掻き分けてホールに行かなければならず。
ちょっと入りにくかったな。