にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
仕事や遊び、色々書き込んでます。お気軽にコメントを書いて下さいね!

上野駅

2011-04-27 01:53:03 | Weblog
今日からフィガロの結婚のゲネプロです。
会場は上野の東京文化会館。
半年ぶりくらいにお邪魔するこのホール。
節電モードになっていて地下の楽屋エリアも明るさは普段の半分以下。
しかしこれがまた何とも言えないいいムードを醸し出しています。

節電という事であちらこちらで照明の個数を減らしたり明るさを下げたり。
暗くて危険だとか不便だとか、そんな事よりも何となくヨーロッパの街並を思い起こさせるムード。
これはこれで有りだなと思うのです。
今は滅多やたらと暗くしていて商店やレストランなども看板の明かりがついてなかったりするのですが。
そんな節電モードの中でも必要最低限の明かりでキラッと存在感を出せばよい訳で。
この際設備の方向性を転換してしまえば良いと。
周りに負けずと銀ギラ銀に明るくするだけが能ではないと。
これからはそんな方向に世の中が向かうと良いなあと思う訳です。

しかし駅などでエスカレーターを止めているのには反対。
明かりを落とした分、エスカレーターは動かしていて欲しいなと思うのです。
今日も急な階段をやっとの足取りで下る高齢のご夫婦の姿を見ました。
エレベーターが無いホームはせめてエスカレーターを動かしてくれないものでしょうか。
もっと巧く暮らしやすい街へとシフトして行きましょうよ。

さてゲネプロの一回目。
レシタティーヴォもわりとのんびりと。
指揮者のテンポが通常のフィガロより数段遅いことも相まって。
ずいぶん時間が掛かりました。
休憩20分を含めて3時間半。
本番になればもう少し伸びることも予想されますので。
楽器を構える左肩は限界への挑戦となりそうです。
色々な手段を講じて備えようと思ってます。


上野駅のエキナカ。
大改装されてから初めての体験となりました。
今までの庶民の香り満載の雰囲気とはがらっと変わってました。
北関東や上越、それに東北や北海道と結ばれた上野駅という感じではなくなっていて。
寂しい事も半分、でも奇麗になって良かったなとも思うのが半分。
昭和の雰囲気はもう消えてしまいましたね。

ご冥福を

2011-04-23 23:45:45 | Weblog
先ほどショッキングなニュースが飛び込んできました。

東京フィルハーモニー交響楽団理事長の大賀典雄さんが亡くなられたというニュースです。
ソニーの社長から会長、そして相談役。
経営者としての激務の傍ら指揮者としての活動を還暦すぎてから始められて。
東フィルの指揮台にも何回も立たれて。
ソニーの退職金をそのままホール建設費に、軽井沢に大賀ホールを寄贈。
あの大指揮者カラヤンの最後の場に居合わせ、看取った人でもあります。
そのカラヤンと同じ81歳での旅立ち。

今はただ衝撃が大きすぎて言葉になりません。
ご冥福をお祈り申し上げるばかりです。

東フィルにとって無くてはならない人物であっただけに。
これからの我々の行く末もどうなるのか心も落ち着きません。


元キャンディーズで女優としても活躍していた田中好子さんが亡くなりました。
私にとってはスーちゃんという名前が強くて。
高校時代、それはキャンディーズの全盛期。
どっぷりその波に浸かっていたキャンディーズ世代でした。
3人のなかでも私はスーちゃんの大ファン。
それだけに今回の訃報も衝撃が大きすぎて。
どうにも、悲しみが止まりません。

フィガロ!

2011-04-21 02:16:53 | Weblog
昨日から二期会公演「フィガロの結婚」のリハーサルになりました。
昨日と今日の二日間、オケだけでじっくりとリハーサルです。

休みが続くばかりでどうにもこうにも閉塞感に苛まれていましたが。
昨日から本格的に仕事が再開となって気分も晴れてきました。
特にフィガロをやっている事は本当に嬉しい出来事で。
フィガロから再開なんて幸せです。

どこをどう切り取っても美しい音楽。
溌剌とした青春の音楽ですね。
弾いていても楽しくてしょうがありません。

今回のマエストロはデニス・ラッセル=デイヴィスさん。
大ベテランです、落ち着いた大人の音楽をやっています。
実にエレガントで柔らかいフィガロ。
そのかわりにテンポが遅いのですが。
今まで演奏してきたフィガロのどれよりも遅いのです。
昨日はどうもやりにくくも感じていたのですが、今日はもう大丈夫。
だいぶ馴れました。
これで歌が巧ければ文句なしですね。

仕事が本格的に再開なんて書きましたが、明日はお休みです。
もともとのスケジュールがそうなっていまして一日おいてフィガロの歌合わせとなります。
歌の出来はどうなんだろう。
期待して待っていましょう。

ハードな

2011-04-18 02:15:46 | Weblog
昨日は中央フィルの合宿で千葉県の岩井まで日帰りで。
往路の途中、館山道を走っている時に緊急地震速報がなり出しぎょっとしましたが。
走行中に揺れを感じる事はほとんど無くそのまま走り続けました。
宿に着いて聞いてみれば結構揺れたとの事。
走り続ける事は危険なんですね、本当は。

しかし走っていた区間は対面通行で路肩も止まれるほど広くはなく。
いったいこういう場合は何処にどう車を寄せて止めれば良いのか、きちんと緊急時に対応できる構造の道路にして欲しいものです。

練習の方は昼も夜もなかなかハードな物でした。
震災後しばらく集まっての練習が出来なかった事も影響しているようで。
練習量の不足が感じられる状況なのですが、でもきっと本番までには何とかなるのではないかと。
そんな期待を抱きつつの練習でした。

今回の指揮はまだ芸大の学生さん。
尾高忠明さんのお弟子さん。
本当に若い、私の息子よりも若い。
中央フィルの誰よりも若い。
残念ながら彼の指揮ぶりを見る事は出来ませんでしたが。
どんな音楽をしてどんな振り方をして、どう成長して行くのか。
見守って行きたい所です。

今から9年前、この中央フィルの指揮台に立ったのは山田和樹さんと三ツ橋敬子さんの二人。
その彼らは立派に成長して今年は東フィルの定期演奏会に登場します。
今年中央フィルの指揮台に立つ高橋さんもいつの日か東フィルの指揮台に立つ事を期待して。
もし時間が許すのなら彼の指揮ぶりを見て見たい物だと思います。

しかし今回は疲れたなあ。
今日は全然起きられなくて。

繋がった時間

2011-04-16 01:28:29 | Weblog
今週の火曜日は題名のない音楽会の収録でした。
本来のプログラムとは違い震災の復興応援プログラムとして行われたのです。

二本分の収録はいつも通り、前半の一本目は祈りを二本目は応援を。
戦争レクイエムの終曲から「Let us sleep now」が最初に演奏されました。
震災の翌日に新宿文化センターで演奏されるはずだった曲です。
最後の最後、バリトンのソロが静かに「もう眠ろうではないか」と語りかけるように歌いだす感動的な部分。
そこだけを抜き出しての演奏でしたが静かな祈りの中に人生を途中で折られてしまった人々への鎮魂の心が浮かび上がるのです。
本当は終わった時に拍手はいらないなとも思ったのですが。
テレビの収録ですから仕方がなかったかな。
レクイエムを演奏するという事は本来特別な事なのです。
特に今回のような時期に、本来の目的である鎮魂の為に演奏されたなら拍手はすべきでは無い。

などと思いながらもステージの上で演奏できた喜びを感じている自分もいた訳です。
我々が本来居るべき所に戻ったのです。
止まっていた時計の針が再び動き出す、その時がやってきて。
事実、秒針が一秒ずつ刻む音が聞こえてきたようでした。

その本番で着ていた燕尾服、シャツ、靴下、靴。
震災当日に千葉で着るはずだった物をそのまま着ました。
眠ったままになっていたこれらの衣装もまたステージの上に出る事ができて。
身の回りの全ての事柄が以前と同じように戻ってきた喜びをひしひしと感じています。

震災の影響で中止になった仕事はまだこの先にもあるのです。
所々穴が開いてはいますがオーケストラは進み始めました。
今日はサントリーホールで定期演奏会も行われました。
この一週間で3回、我々はサントリーホールで演奏した事になります。
これからオペラシティでもオーチャードでも、いつものホールでいつものように演奏会が行われて。
また普段通りの日々が始まっていくのです。


毎年恒例

2011-04-10 22:11:45 | Weblog
今日はほどほどに良いお天気。
毎年恒例のお花見に行って楽しんでまいりました。

弘明寺から黄金町の駅まで、大岡川の岸に続く桜並木をひたすら歩いて。
日曜日ということもあり大変な人出、出店もたくさん出て元気な日本を肌で感じる事ができました。



昨日の雨からお天気も回復、ぐっと暖かくなって満開です。
そんな大岡川のお花見。
ここは川ですから様々な水鳥達もやってきます。



アオサギです。
ここで良く見かける事が多い鳥です。

次は



コサギですね、ここで見るのは初めてかも知れません。
河津桜を見に行った時には川の中に見かけました。

次からはカモの仲間を







ホシハジロ、カルガモ、キンクロハジロと言ったカモたちです。
川の常連さんたちですが夏の間は渡ってしまう鳥もいるそうです。

そして



時折見かけるカワウです。
潜りながら餌を取った後、ちょっと水から上がって翼を乾かしていました。

川にいるのは鳥たちだけではありません。
ずっと下流の川幅の広い所では。



川面から両岸の桜を見る、いいですね。
気持ち良さそうで。
屋形船の中では当然宴会が。


さて長かった不意の休みも一応今日まで。
私も明日から仕事に復帰です。
東フィルの再開第一弾は昨日のサントリーホールでの演奏会。
そちらは出番ではありませんでしたが、とにかく仕事が動き始めてほっと一息。
明日の仕事はテレビ朝日の「題名のない音楽会」のリハーサル。
本番が明後日で震災の為の内容に変更されました。

震災の次の日に演奏するはずだった「戦争レクイエム」もやります。
少しだけではありますが出口の見えない部屋に閉じ込めてしまったブリテンのこの曲を外の世界へ解放してあげる事ができます。
祈りを込めて。

生きている実感

2011-04-06 01:13:41 | Weblog
昨日のことですが、横浜市の南区にある老人デイケア施設で演奏してきました。
その施設の真向かいに東フィルのバイオリン奏者の女性が住んでいるのですが。
彼女の発案でクァルテットで施設を訪問、1時間弱の演奏を行ってきました。

広いレクリエーションルームに椅子を並べ、皆さんに演奏を聴いていただきました。
普段はそこでゲームや食事、簡単な運動などをしている広い部屋がコンサート会場。
舞台も客席もなく、演奏者とお客さんという垣根もなく。
顔も分かれば手も届く距離。
そんな環境で演奏出来ることは本当に得難い経験です。

演奏の合間にやり取りなどをしながら、楽しく音を届けて。
忘れられない時間を過ごさせてもらいました。
この場を作ってくれた施設の皆さん、発起人の同僚、一緒に演奏した仲間、聞いてくださった皆様。
その皆さんに心からの感謝を。

地震以来ほとんどの公開の仕事がキャンセルとなり。
出口のない部屋に閉じ込められたような感覚にもなり。
仲間と顔を合わせる事も無く。
目標の見えないままに練習する。
そんな日々が続けば、演奏家としての自分の存在意義さえ見失ってしまう事も。

でも、昨日のように演奏した音を誰かに聞いてもらえる。
それだけで今、自分が生きている事を実感できました。
暖かい春の日。
素敵な思い出がまた一つ。