にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
仕事や遊び、色々書き込んでます。お気軽にコメントを書いて下さいね!

疲労困憊

2008-06-30 01:40:34 | オーケストラ
ペレアス&メリザンドの本番が終わりました。
本番の回数はほんの2回だけ、ですが異常に疲労する本番でした。

技術的な難しさで疲れたのではないのです、いつになく集中力を要求されたのです。
演奏中はずっと気持ちを切らずにしっかりと曲の中に入り込んでいないといけませんでした。
我々1stバイオリンは他の楽器に比べてとっても休みが多かったのです。
その休みの間もひたすら拍子を追い続け小節を数え、今この曲のどの部分をどの楽器が演奏しているのか、そしてテンポと表情をキャッチして次に自分たちが出る時にどう演奏したら良いのか考え続け。
程度の差こそありますが普段からやっている事なのです。
でも今回はそれを徹底的にやり続けることが大命題でした。
精神的に堪えました、くたくたになってしまい家に帰ってからしばらくはソファーでぐったり。

もし再びこの曲を演奏する機会があるのなら、純粋に音楽だけに向き合いたいものです。
余計な事に気を使わずドビュッシーと対話するような感じで演奏できたら素敵ですね。

この先へ

2008-06-29 02:40:26 | オーケストラ
「ペレアス&メリザンド」の初日が終わりました。
一日のインターバルを置いてそれぞれの胸の中で音楽が熟成された感じもありました。
出来ればもっともっと良質のワインを熟成させるように、何度もこの音楽を演奏してこの曲の持っている豊かさを更に磨いていきたいものです。

練習時間が十分とは思えませんでした。
様々な要因で、お金と時間とその他諸々、もっと音を磨く事が不十分だったと思うのです。
今日の演奏ではこの音楽の魅力の何パーセントを引き出せたか、かなり厳しい数字かもしれません。

様々な要因と書きましたが今回は「その他諸々」に含まれた事柄が一番の要因なのです。
詳しくここで書くことが出来ません、そこが実に歯がゆいのです。
もっと高い所へ、もっと深い所へ、行く事が出来るはずでした。
それが見えているのにたどり着けないもどかしさ。
初日が終わって何とも言えない物足りなさを感じるのは悲しい事です。
次にこの曲を演奏する機会があれば、もっと先へ、高みへと上り着けるようになりたいものです。
とはいえ明日も本番はあります。
きちんとやらなくては。


フォト・セッション

2008-06-27 02:36:46 | オーケストラ
フォト・セッションなんて言うと格好良いですね。
今日は写真撮影が2つあったのです。
まず一つはピット内での演奏風景を「ペリアス&メリザンド」のゲネプロ中に撮りました。
これは東フィルの宣材用に撮影したもの、新国の協力のもとゲネプロの最中にカシャっと。
ちょっとシャッターの音が気になりましたがゲネプロも無事に終了しました。
なので今日はゲネプロではありましたが本番さながらに衣装着用で演奏です。
何だか不思議な雰囲気ではありました、本番の様で本番じゃない?。

さてもうひとつ、8月に行われる「ニュー・クラシック・ギグ」というライブの為の撮影が。
J-POPアーティストと東フィルがコラボするというライブ、去年に引き続き今年の夏も行われます。
私は出ませんがパンフレット用に今いるメンバーで写真を撮影しました。
ゲネプロが終わってから衣装着用のまま楽器を抱えて新国ロビーで撮ったのです。
思い思いの方向を向きながら何となく集まって、楽器を抱えて顔だけカメラに向けるのです。
胸のはグリーンのチーフを付けて、精一杯格好つけて。
果たしてどんな具合の写真になるのか、市販される雑誌にも掲載されるそうなので見てみたいな。
どんな東フィルになっているんだろうか。

隣の大ホールではもう一組の東フィルが白鳥の湖の本番をやっているのです。
昨日と今日は学生さん向けの公演なので昼間に開演。
こちらとほぼ同時刻にすぐ隣で。
土曜日曜の本番は同時刻の開演ですね。
楽屋のモニターでは隣の舞台も見ることが出来ます。
休憩時間に白鳥の進み具合などをチェックしつつ楽しんでいます。
あちらも頑張って良い音で演奏しています。
こちらも頑張らなくちゃ、「ペリアス&メリザンド」は一日空けて土日の本番です。


狭くない、でも。

2008-06-26 01:23:08 | オーケストラ
今日は新国中劇場のピットに収まって歌手との合わせ。
中劇場のピットは久しぶりです。
何年前か、記憶が定かではありませんが(年は取りたくないですねえ)ここで「夕鶴」をやったのです。
それ以来のはずです、確か。

そのピットですが劇場の構造からかなり特殊な作りです。
舞台面との比較で言えば通常の深さに設定されたピットの沈み込みは約2m。
ところが客席を削ってピットを下げて客席とピットの間の壁を作ると、この壁の上面からピットの床面までは2m80cmにもなります。
これはワーグナーなどを演奏する時の深さと同じ、ですから客席からピットの中はほとんど見えません。
コンサートオペラと言ってもオケはピットに深く隠されていますので皆さんの目は必然的に舞台上に。
今回は簡単なセットがあります、でも極めて抽象的な装置。
ここで歌手の皆さんは演技をしつつ歌います。
違和感はかなり有るかもしれないですね。
何と言っても衣装が通常の燕尾服らしいですから。
でも判断なさるのはお客様です、果たして反応はどうなるのでしょうか。

さてこのピット、思ったよりは狭くないのです。
正直言ってこんなに広かったかな?と。
でもこの壁の高さから来る圧迫感はかなりのもの。
慣れるだろうか。

何処を切っても

2008-06-24 01:55:51 | オーケストラ
今日からコンサートオペラ「ペリアス&メリザンド」のリハーサルです。
全編に渡ってドビュッシーの香り、フランスの香りがプンプンと立ち上ってきます。
本当に何処をどう切り取ってもドビュッシー、美しいのです。

今回は新国中劇場での公演です、我々はピットに収まって演奏。
ですが舞台上には装置もなく演技もなく。
歌手は通常のコンサートの衣装で歌います。
ちょっと変わった感じの公演となるでしょうが、指揮者の若杉先生曰く「音楽の美しさを全面に出してお客さんに楽しんでもらう」のだそうで。
成る程と納得です。
ちょうど同時に大ホールでは白鳥の湖が上演されます。
こちらも東フィル、今日も白鳥組と廊下でばったり。
これからしばらくは全員で新国に籠ります。

さて一つ気がかりな事があるのですが、ちょっとここに書くのはまだ早いかもしれません。
公演が実際に始まれば公になるでしょうからその時になったら書こうかとも思います。

明日から

2008-06-23 02:09:11 | Weblog
長く続いた緩みきった怠惰な日々も今日で終了。
明日からはお仕事再開となります。

さて今日はみなとみらいに映画を見に。
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を見てきました。
やはり年を取ってしまった感じは仕方がありません、でもアクションは凄かったですねえ。
まあ絶対に助からない場面でも生き延びてしまうあたりは映画ならではなんですが。
でも難しい事は忘れて楽しめました。
でもストーリーには相当無理があるよなあ、とも感じましたけど。

昨日は両親を連れて我々の仲人もしてくれた叔父の家に行きました。
丹沢の麓が迫る厚木の郊外、緑が本当に多くて素晴らしい環境の中に住んでいるのです。
猿が出ると言っていましたがそれも頷ける程の自然の中。
吹く風も雨も全てが都会とは違う優しさに溢れていました。
あそこにずっと居れば体の中に溜まった灰汁も抜けていくのではないかと思います。
楽しい時間を過ごして心と体をリフレッシュしてきました。


さて明日からはドビュッシーの「ペリアスとメリザンド」となりますね。
私は初の挑戦となりますが果たしてどんな事になるんでしょう?

ゆるんだ日々

2008-06-20 02:40:01 | Weblog
ちょっと早いのですが夏休みとも言えるような連休のただ中にいます。
今週は火曜日だけがお仕事で次の仕事は月曜日。
そんな訳なので実にゆるんだ日々を過ごしてます。

EURO2008の試合があったりで夜明けぐらいまで起きていたりもしているのです。
昼と夜の時間帯が6時間ほどずれてしまった感じにもなっています。
こんな事をしていて果たして良いのだろうか??
と、頭の中には疑問符が浮かびつつ、それでも自堕落な過ごし方。
明日あたりからちょっと締めましょうか。


これは

2008-06-18 02:23:28 | すぽおつ
交流戦も残りわずかになった今日、対千葉ロッテマリーンズ。
ここまで交流戦わずか3勝のベイスターズは今日も初回から大洪水。
3回までに11点も取られていきなりゲームセット。

この前スタジアムで観た試合も14点取られて負けましたが今日も最後は14点。
まあ素人がああだこうだ言っても仕方が無い事ですがあまりにもろすぎる。
投手陣が崩壊しているし打線も全く繋がりが無し。
毎日猫の目のように打順も変わりながらも結果は出ない。
こうなれば次の手は休養か。
ここへ来て泥縄の投手補強を繰り返してはいるけれど相手も戦力になりそうな投手をシーズン中に出すはずもないし。
期待はサイレントKこと石井投手ですが果たしてどこまで地元で頑張れるかな。

明日もスタジアムでマリーンズと、観に行こうかとも思ってはみたものの今日の戦いぶりではねえ。
シーズン最多敗と最低勝率なんて記録を目指しているのではと疑ってしまいます。


さて今日で椿姫も終わりました。
最初から最後まで指揮者にはやられっ放しでしたねえ。
今日も指揮棒を客席に吹っ飛ばすという荒技を繰り出してくれました。
興奮するのも分かりますがもう少しきちんと歌手とオケに向き合って音楽してほしかったな。
日本人指揮者には珍しくオペラを良く知っています、それだけに少しのところでそれを生かせていないのが残念だと思ったのです。
自分自身をコントロール出来れば暴走する事もなく音楽が生きてくると思うのですがどうでしょうか。

地中の飛行船

2008-06-17 01:27:54 | Weblog
一昨日鳴り物入りで開通した地下鉄「副都心線」ですが今日もいろいろとダイヤが乱れて乗り入れ各線に遅れが出ていました。
有楽町線とのシュミレーションが不十分だったとか、いったいどうしちゃったのでしょうね。
映画「交渉人・真下正義」では地下鉄13号線として登場したこの副都心線。
映画の総合司令室の立派な事に驚きましたが、実際の東京メトロの司令室はもっと大規模で凄いとか。
そこに登場したベテラン線引き屋の貫禄に圧倒されましたがあんな人は実在しないのか。
とにかく予想外に混雑しているようです。

昨日のファミリーオケの練習が終わってからこの副都心線の渋谷駅をちょっと見学してきました。
巨大な吹き抜けになったこの駅、ホームは地の底といった感じの場所にありますが開放的な構造で美しいものでした。
全体のコンセプトは地中に飛行船だとか、そう言われればそうなのかなとも思いましたが中に入ってしまってはよく解りませんでした。
しかし人の多さはとんでもない程。
渋谷の地下の人の流れが全く変わっていて、この前まで全然人が通らなかった新玉線から南口方面への地下道が大混雑です。
何だかどこかのテーマパークへ来てしまったかのようで、行列している人の後ろに並べば楽しいアトラクションが待っているかもと錯覚。
しかし渋谷駅で「川越行き」やら「飯能」という文字を見る事になろうとは。
これで東横線と繋がれば横浜駅に川越行きや飯能行きが来るのでしょうか。
凄い世の中になりました。

吹き抜けの地下鉄駅といえば「みなとみらい」もそうです。
行く行くは二つの吹き抜け駅を通る電車が走るのですね。

エネルギー

2008-06-16 03:02:15 | オーケストラ
今日はファミリーオーケストラの練習でした。
オーチャードホール地下のリハーサル室いっぱいの子供たちと大人たち。
ここに集まった全てのメンバーの目的はただ一つ、音楽をする事。
だからとっても楽しいのです、我々大人にとって仕事を離れて純粋に楽器を弾くと言う事がいかに素晴らしいことか再確認させてくれます。
それに子供たちの目、キラキラ輝いていてこちらまで楽しくさせてくれます。
アドバイスをしている時もその目が輝いていてちらも何か貴重なものをもらっている感じなのです。
言葉にはうまく言い表せませんが、極上の、何物にも代え難い豊かな時間が流れていました。

そんなファミリーオケにも昨日の地震の影響が。
今回はバイオリンに2人、東北地方からの参加者がいるのです。
一人ははるばる青森県は三沢市から、もう一人は福島県は福島市から。
三沢の彼は残念ながら今日は参加が叶いませんでした。
昨日東京に向かう予定が地震で新幹線がストップ。
今日動き出した新幹線も切符が全く取れなかったそうで欠席となってしまいました。
福島の彼は今日も元気に参加してくれましたが「地震はどうだったの?」と聞いたところ「部活でプールにいたら急に揺れだしてプールの水が津波のようになって怖かった」そうです。
午後から仙台方面に家族で出かける予定も中止でつまらなかったと嘆いてました。

今年のファミリーオケ、練習も快調に進んでいます。
曲目は「アルルの女」の第2組曲なのですが「インテルメッツォ」は省いていたのです。
ですが仕上がり具合に予想以上に良いため「インテルメッツォ」も演奏することになりました。
本番までは2ヶ月ほど、今年も良い演奏になりそうです。

午後2時!

2008-06-15 02:31:53 | オーケストラ
今日の椿姫は午後2時開演。
やはりこの時間からの本番はこの前とは落ち着きが違うように感じられます。
特に終演後のカーテンコールが違いますね。
じっくりと拍手がいただける、そんな感じがします。
で、今日は週末・土曜日。
土曜日の午後にオペラ、何て贅沢なんでしょう。
お金がという意味ではなく、こうやって週末の午後を過ごす事の心の贅沢さ。
いつかはお客さんとなってこんな週末も過ごしてみたいな。

椿姫千秋楽はこれまた恒例の平日午後の開演。
やはりこちらも午後2時からの贅沢な時間。
平日の午後ってある意味で週末の午後よりも贅沢かもしれません。
そしてこの平日午後のチケットが売れるのだそうです。
良い時代になったものだと思います。
私が東フィルに入った頃は、演奏会は夜!と決まっていました。
土曜のマチネなんてとんでもない!
ソワレだってだめ、夜です、次の日は休日じゃないですか。
なんて理由で誰も疑わなかった。
日曜日でさえも午後は難しかったのに。
今では午後が当たり前に。

さて明日は東フィル定期組(私は椿組)がオーチャード定期を午後3時から。
そのオーチャードの地下にあるリハーサル室で東フィル・ファミリーオケの練習が行われます。
こちらは午後12時より、私はこちらに参加します。
約一月ぶりにみんなと会って一緒に練習をしてきます。
何だかそう思っただけで顔がほころびちゃいます。

Freefall

2008-06-13 01:49:43 | Weblog
Freefall、自由落下という名前のアプリケーションがあります。
地球を回る人工衛星の軌道をシュミレートするのですがこれが実に素晴らしい。
以前マックユーザー向けにVer.1が無料で配布されていてとても気に入っていたのです。
ですが私が使っていたPowerBookではグラフィックの能力が不足していて表示できず、仕方なしにカミさんのiBookにダウンロードして時折楽しませてもらっていたのです。

今日何となくパソコンがMacBookProになった事を思い出しFreefallをダウンロードすべくサイトを検索しました。
無料期間はとっくに終わっていたのですが、アプリ自体がアップデートされてVer.2となっていました。
早速購入してダウンロード、地球を回る人工衛星達の動きを楽しみました。
実際の衛星の動きがリアルタイムでシュミレートできます、今日本の上空には何が居るのか。
国際宇宙ステーションは今何処を回っているのか。
何百位や何千とある衛星をクリックすればそれぞれの名前や打ち上げ日時、それと用途なども分ります。
地球の姿も現在の雲をきちんと映し出していて非常にリアル。
面白いです、しばらく見とれておりました。

そこでまた一つ思い出した事が。
seti@homeプロジェクトのデータがiMacに入ったまま放ってあったのです。
地球外生命の存在を探査するプロジェクト、アレシボの電波天文台で受けた宇宙からの電波を解析して知的生命体を探すという一大プロジェクト。
データが膨大なので世界中の個人のパソコンにも手伝ってもらって解析をしているのです。
iMacをしばらく起動していなかったのでデータもそのままに。
今日本当にしばらくぶりに起動して半日データ解析をしています。
気の長い話ですがしばらくはiMacをそれ専用にしておきます。
G3,333MHzという非力で古いiMacですがまだ動いてくれています。
色々と手を加えてファンの音なども静かなので作業させていても気になりません。
がんばってET発見のお手伝いを。

午後7時の謎

2008-06-12 01:59:01 | オーケストラ
今日は新国「椿姫」の本番でした。
初日に続き午後7時開演で終演が午後10時4分。
その後にカーテンコールがあって我々もお客さんも会場を後にする訳です。

上演時間で言えばだいたい3時間、その中で実際に演奏している時間は約2時間。
休憩が2回、それぞれ25分の長い休憩がはさまってだいたい3時間を要するのです。
で、問題はこの7時開演という時間設定。
このところ新国では夜の開演時間が7時という事が多くなってきました。
先月のオペラ「軍人たち」やバレエ「バヤデール」も夜の開演は7時。
7時ともなれば仕事が終わってから食事を軽くとって、劇場に行くにはちょうど良いかもしれません。
普段なら6時半開演なのですが(4月の魔弾はこの時間)ちょっと忙しないという話もよく耳にします。
確かに7時ならちょっとゆとりも出るのですがこうなると問題は終演時間。
午後10時を過ぎるともなれば腰の落ち着かないお客様も出てきます。
帰宅するには10時が限界という方も多いはず。
始めを立てれば終わりが立たず、とでも言いましょうか。
難しい問題です。

今日も終演後のカーテンコールもそこそこに席を立って出口へ急ぐ皆様。
見事にピタリと拍手も止んで思いのほか短いカーテンコールとなりました。
なんだか歌手の皆さんが可哀想にも思えた今日のカーテンコール。
オペラの余韻を楽しむと言った雰囲気ではありませんでしたね。

7時開演の本番は今日で終わって残り2回は午後2時開演となります。
今度はゆっくり時間をかけて余韻を味わって欲しいものだと思いますが果たして?
別の理由かな?

疾走するデザイン

2008-06-11 02:40:41 | F1
今オペラシティアートギャラリーでは「疾走するデザイン」と題してF1マシンのデザインの変遷を辿る展示が行われています。
今日はその展示をじっくりと見学してきました。

1950年代から各年代ごとに1台づつ実際のマシンが展示されています。
手を触れることはできませんが至近距離で見る事が出来るのです。
残念な事に70年代に起こったベンチュリー効果の発見によるデザイン革命の時のマシンが無いのです。
ロータスは「77」がありました、その後が空力マシンの「78」。
その後に続くルノーやブラバムといった将に革命的なマシンが有れば良かったなあ。
展示ではロータスType77の次に80年代を代表してマクラーレンMP4/4となります。
ですからロータスとマクラーレンとでは全くと言っていい程に姿が変わってしまいます。
この間にあった様々なマシンの多様性が素晴らしかったのですけど。

ただこのマクラーレンは時代を作った最強マシン、直線的なフォルムにホンダのターボエンジンを積み、セナとプロストという希代の天才が乗りこなしたマシン。
その年のレースで優勝し続け、優勝を逃したのはただ1戦のみ。
マシンにはセナの名前が刻まれていました。
我々がセナとホンダの走りに熱狂したあの時代を駆け抜けた名車。
美しく整備されたマシンは力強さを今に伝えてくれていました。

次がウィリアムスFW14B、アクティブサスペンションを駆使してマンセルとプロストが席巻した名車。
展示はレッド5のカーナンバーも眩しいマンセルの車。
これも速かった、まさに無敵。
そしてフェラーリからは失敗作F2005が
B・A・Rホンダから006が、琢磨君がインディアナポリスで表彰台に上った時のマシン。
これも速かった、この年バトンが大ブレーク。
でもここから下降線を辿って今に至るのです、展示車はバトンのもの。
しかしカラーリングが今年のホンダのマシンと同じ物になっていて違和感たっぷり。

最後がアロンソが駆ってチャンピオンを取ったルノーR25。
カウルが開いていてエンジンやギヤボックスがよく見えました。
こちらのマシンも今年のカラーリングである「INGカラー」に塗り替えられていてとっても変。
本来ならJTの「マイルドセブン」カラーにiModeのロゴが書いてあったはず。
契約の関係なんでしょうか、仕方が無い事とは言え当時のままの姿で保存してほしな。

その他にもエンジンやタイヤなども展示されていて、F1の世界にひたるには充分な展示でした。
じっくりと見て来ましたがちょっと書いたように物足りなさも。
しかし実車の迫力はたまりませんね。

さてヨーロッパではEuro2008が始まっていて連日熱戦が繰り広げられています。
感じることは大会の開催哲学が素晴らしいという事。
ワールドカップと同等のクオリティですよね、スタジアムの雰囲気もそうだし。
戦いの質と環境も。
それに引き換えアジアカップのお粗末さ。
ピッチも荒れ、観客の質も審判の質も。
何より中立国の審判でなくても平気で試合をさせてしまう主催者の愚かさ。
こんな事をしているからいつまで経ってもヨーロッパや南米に追いつけないのです。

歴史

2008-06-10 02:37:56 | F1
F1カナダGP、たった1回のセーフティカー導入が起こした波乱が思わぬ結果を生みF1に新たな歴史が刻まれました。
ピットレーン出口でのアクシデント、ハミルトンとライコネンというライバルがそこで消え、危うく難を逃れたクビサが優勝。
ポーランド人ドライバーが初めて優勝です、表彰式で流れたポーランド国歌。
おととし聞いた君が代のように、自国の国家が初めて流れた表彰式は決して忘れることは無いでしょう。
去年のカナダで大クラッシュを喫してから一年、全くその影響など感じさせずに走りきったのです。
見事なクビサの走りに心からおめでとうと言いたい。

あのアクシデントは単純なハミルトンのミス、でも彼はステアリングを左に切りライコネンの追突。
2台並んでいたうちの左にぶつかって行った訳です、その時に右側にいたのはクビサ。
ハミルトンがどちらにステアリングを切るかでレースの行方が決していたと言えるかもしれません。
去年もマッサとフィジケラが信号無視で失格したカナダ、ここのピットの出口は鬼門なのかも。

スーパーアグリがレースから去ってしばらく時も過ぎ、その寂しさも癒えたと思っていました。
しかしここはカナダ、去年のレースで終盤に琢磨君がアロンソを抜き去ったあの場面がどうしても思い出されてしまいます。
モナコとカナダと素晴らしく面白いレースが続きましたが、アグリの不在がひとしお寂しく感じられて。
スピリットに溢れたあの熱いチームが恋しいですね。