にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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俊英登場

2006-04-04 23:55:22 | オーケストラ
我々は新国でマエストロ「ファビオ・ルイージ」さんとオペラ。
明日から公演が始まります。
もう片方の定期組には世界が注目する若手の逸材「ダニエル・ハーディング」さんが登場してマーラーの復活です。

今日の仕事はNHKで録音の仕事が、一曲のみの録音でしたので終わってからオーチャードホールに直行したのです。
そこではハーディング組が練習の真最中、NHK組が多数駆け付けてこの指揮者に注目していました。
しなやかな音楽とでも言うのか、鋼のようなチョンさんとは正反対な鋭さです。
響きの透明感も凄いですね、ちょっと今迄の指揮者のだれとも似ていないような人です。
それに若さが溢れてエネルギーも凄い。
「僕は幾ら練習したって疲れないもん」と言いだしそうな勢いで休憩時間も何のその、ガンガン練習していました。

さて我々弦楽器は弱音器と言う道具を使って音を弱く、音色を変化させて演奏します。
ほとんどのメンバーはゴム製の弱音器を使っているのです、マーラーの4楽章は最初からこの弱音器を使って静かな世界を作り出しています。
しかしハーディングさん、このゴム製の弱音器の音が気に食わない。
「全員にプレゼントするから木製の弱音器でやってくれないか」と昨日の練習で言っていたそうです。
今日の練習でちょうど4楽章に差し掛かりましたが、ゴム製の弱音器で弾き始めると紙袋をガサガサと取り出していきなり全員に木製の弱音器を配ったのです。
本当に揃えてしまうとは驚きですが実際に木製で弾くと音が澄み切って美しくなるんですね。
こだわりも効果がきちんと出ると凄い説得力、俊英と呼ばれる由縁でしょうか。

さてこちらは明日が初日となります、果たして本番の出来はいかが相成るでしょうか?
乞うご期待!