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にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
仕事や遊び、色々書き込んでます。お気軽にコメントを書いて下さいね!

10年ぶりの

2011-08-30 23:53:48 | Weblog
昨日はサントリーホールで復活を演奏しました。
毎年夏の恒例、サントリー・サマー・フェスティバルの演奏会。
いつもはバリバリの現代音楽ばかりを演奏するこのフェスティバルですが昨日はマーラーを。
指揮は大野和士さん。
大野さんのサントリー音楽賞の受賞記念のコンサートでもありました。
そして大震災の復興祈念としてのコンサートでも。

今年の1月、新国でトリスタンを振り終えて東フィルの定期に登場する予定だった大野さん。
体調不良により休養を余儀なくされ定期をキャンセル、続く2ヶ月は完全に休養にあてられました。
今回はそれ以来の東フィルの指揮台です、復活という大曲を振れるのですから体調の方もだいぶ戻られたようにも見受けられました。
でもまだまだ完調ではないようですね。
見事な指揮で復活を感動的に演奏されましたが、昔のキラキラと輝くようなオーラはまだ戻っていないようにも思えます。
完全に復調するにはまだ時間が必要なのかもしれません。

この復活、私は10年ぶりに演奏しました。
2001年、合併直後の演奏会でチョンさんでやったのが最後です。
東フィルはその後にハーディングさんとエッティンガーさんでそれぞれ復活を演奏しましたが私はどちらも出ておりませんで。
久しぶりに演奏してみれば、ただただこの曲の偉大さに圧倒されまして。
マーラーの才能の凄さに改めて感心させられたのです。

次にこの復活を演奏する機会はあるのだろうかと、ちょっと寂しさをおぼえた演奏会でもありました。


さて、今日からは藤原歌劇団の「セビリアの理髪師」の練習が始まりました。
指揮はアルベルト・ゼッダさん。
いやもう最高としか言えません。
久しぶりに会ったイタリアのオジイチャン、という感じですか。
ロッシーニのオペラを隅から隅まで知り尽くしながら、理想的な年の取り方をした一人のマエストロがいるのです。
楽しい!
この夏の締めくくりとして思い出に残るオペラになりそうです。
本番が楽しみでなりません。

涼しい日々も

2011-08-23 01:37:07 | Weblog
ここ何日か真夏とは思えないほどの涼しい日々が続いています。
セミの声も陰をひそめ、夜には秋の虫の声さえ聞こえてくる状態。
もっともこんな日々も今日までで明日からは真夏の暑さが戻ってくるそうですね。
残暑が厳しそうです、体調を崩さぬように気をつけないといけませんね。

軽井沢から帰ってきてからも色々な仕事に追われております。
千葉県の市原市では子供たちの為のコンサートを。
昨日は上野の文化会館でこの時期恒例の東京音楽コンクールの声楽部門本選会。
今日はNHKで秋のスペシャルドラマの音楽を録音。
明日はそのドラマの中で演じられる「蝶々夫人」の場面を撮ります。
なかなかありますね。

市原市でのコンサートは子供達と共演もありまして。
地元のブラスバンドの生徒さん達が楽器ではなく合唱で参加。
振りを付けて歌ったりと大活躍。
客席にも沢山の子供たちが来ていて賑やかでした。
未就学児童も入場可のコンサートでしたから本当に文字通りに賑やかだったのです。
たまにはこんな雰囲気のコンサートも悪くはないですね、特に夏休みですから。

しかし子供はともかくとして大人のマナーの悪さが目立ってしまったのはちょっと残念。
最前列の年配の女性。
堂々と携帯電話を出して写真を撮っていたのです。
携帯電話ですからシャッターを切るたびに大きな音がするわけです。
フラッシュも光ったりもして目立つ事ったらありません。
もうちょっと主催者側の気遣いでどうにかして欲しかったなあ。

さて昨日のコンクールは声楽部門。
ソプラノ・メゾソプラノ・テノール・バリトンから一人づつの出場。
我々も結果を予想する訳ですが。
昨日はわりと予想し易かった。
時にはこういう事もありますね。
だいたいは我々の予想と審査結果は全然違う事が多いのです。


先週は横浜でも花火大会がありました。



以前は横浜で2回の花火大会が行われておりましたが数年前からは一回だけに。
しかも打ち上げられる花火の数も減ってしまったようです。
時間もきっかり1時間。
このご時世とは言えちょっと寂しい一夜の夢となりました。




夏の避暑地

2011-08-17 00:58:43 | Weblog
土曜日と日曜日の2日間、軽井沢大賀ホールで大賀会長の追悼コンサートが行われました。
指揮はダニエル・ハーディングさん、曲はベートーベンの第九とバッハのアリア。



この季節に大賀ホールで本番をやるのは初めて。
毎年ゴールデンウイークには行ってますがお盆休みの真っ只中の軽井沢は恐ろしいほどの人の数。
人の数も車の数も犬の数も、半端ではありませんでした。
大賀ホールの周りの緑も春先とは打って変わって生き生きと繁って、心地よい日陰を作ってくれます。

関東平野の暑さから逃れられただけでも軽井沢に行った甲斐があったというもの。
日曜日の昼間こそ暑かったものの一旦木陰に入れば何とも心地よい風が吹き抜けて行く。

日曜日の5時過ぎには夕立が来てどんどんと気温が下がり寒く感じるほどに。
高原ですね、帰りたくなくなる魅力があそこにはあるようです。

ハーディングさんの第九、流石に他の指揮者では出来ないもの。
ドスンドスンと杭を打つような音楽にはせず、常に前に流れて行くものに。
しなやかで軽やかで美しい。
隅々にまで彼の意思が行き届いた音楽でした。
そしてバッハのアリア。
ビブラートも極力減らし、装飾音を多用。
早いテンポと少し音を変えたりとこちらもハーディングのバッハ。
面白い音楽でした。
他の人にはやはり真似が出来ないのでしょうね。

さて二日間のお休みがあって明日からはまたお仕事。
この暑ささえ何処かへ過ぎ去ってくれればと思います。
でも何だかこれから気温が低くなるという情報もあるんですけど、果たして?

始動

2011-08-13 00:46:08 | Weblog
夏休み?も終わってしまいました。
昨日から仕事が始まっています。

この休み中はNHKで東フィルが出演したテレビ番組が思いの外多く放送されました。
ディープピープルという番組では3人のマエストロの実験台としてベートーベンの第九を。
放送されたのは収録したうちのほんの僅かな素材のみ、いつの日か完全版などを放送してくれる事を期待しているのですが。

教育テレビ、今はEテレですが。
こちらでは2週に渡ってスクールライブという番組が放送されました。
船橋市で行われた高校生の為の番組で東フィルも参加。
若さあふれる高校生に圧倒されつつの演奏となりました。
こちらも演奏した物は全部放送されず。
ちょっと寂しいですよね。

BSでは名曲探偵アマデウス。
こちらは私は出ておりませんが指揮者とは何かなどの企画をやったそうですね。
あれ?まだ続いているのかな?
ちょっと詳しいことが解らないのですいません。

そして今日は名曲アルバム35周年記念番組が。
ブラームスの交響曲第1番をどうやって5分に収めるのか、という場面で東フィルの収録風景が放送されました。
そうなんです、ああやって毎回苦労しながら録音しているのです。

さて昨日からの軽井沢第九の練習。
大賀会長の追悼演奏会となります。
本番は2日間、もちろん大賀ホール。
真夏の大賀ホールは初めてですね。
いつもはゴールデンウィークで今回はお盆休み。
どっちにしろ凄い人なんでしょうね。
ただ情報によればこちらより全然涼しいというのが救いですね。
朝晩は20度を切るくらいの気温だそうで。
ちょっと嬉しい。

夏休みへ

2011-08-03 00:18:39 | Weblog
八月に入り私も夏休みとなりました。
次の仕事はダニエル・ハーディングさんとの軽井沢第九から。
いくら軽井沢とは言え真夏の第九はきついだろうとは思うのですが。
現在の関東地方の気温などから考えて意外と涼しいかな、などと勝手に思っている次第。
しかし演奏するのが第九、しかも指揮がハーディングさんですから涼しい顔をして演奏出来る訳も無く。
きっと汗だくだくで二日間、本番をやる事となるのでしょう。
でもハーディングさんも久しぶりですので期待してしまいます。
実を言うと、もう東フィルには来てくれないのではないかとも思っていましたので。

先月いっぱい仕事をしていた訳ですが。
最後は「アジア音楽祭」の「指揮者は作曲家」というコンサートが文京シビックホールでありました。
日本人3人、台湾から女流作曲家が一人、シンガポールから一人。
計5人がそれぞれの自作曲を指揮。
作曲家も自分の指揮で演奏できるような曲を持ってきてくれたようでして。
複雑な変拍子も少なく、こちらも演奏していて楽しくなりました。
まあ、神経は使いましたけど。
でもそれぞれの作品の個性が際立っていましたので面白い演奏会でした。

ただ日本人の作品は似たような傾向が感じられました。
基本的なテンポが非常に遅い。
躍動感はあまり無い、その代わりに感情を刺激するような音がある。
二つの作品ではソロに「笙」が使われていて、それぞれ男性と女性のソリストが何ともいえない雅な音を奏でてくれました。
あれだけむら無く長い息を使えるのが信じがたく。
日々の鍛錬の賜物であろうと、感心させられました。

そんな演奏会の前には題名のない音楽会の収録もありました。
春に続き「歌ってみましょう」の第2弾とクラシック音楽を題材にしたクイズ「耳-1グランプリ」の2本撮り。
実に楽しい収録でした。

歌ってみましょうは素人さんたちが東フィルをバックに思い切り歌を歌うという、贅沢な企画。
オペラばかりでなく千の風に乗ってやフニクリ・フニクラなどもありまして。
年齢も小学生から77歳の年配まで。
実に様々な皆さんが歌ってくれました。
本番での彼らの歌はリハーサルまでとは別人のように素晴らしく驚かされる歌声ばかり。
放送は秋です、楽しみにお待ちください。

もう1本はイントロクイズ、超ウルトライントロクイズにエンディングクイズ。
音楽間違い探しなどなど。
難問奇問に挑んだ題名おなじみの回答者の皆さんの悪戦苦闘ぶりが面白い。
収録中、オケもお客さんも抱腹絶倒。
笑い疲れた収録となりました。
こちらも秋に放送されるそうです。

などという仕事も一段落して夏休みを満喫している所です。
今日はサントリーホールでアジアフィルの本番もあったのです。
今年は参加していないこともあり聞きに行く事もしませんでしたが。
TwitterやFacebookへの書き込みをみるとなかなかの盛り上がりだそうです。
参加したかったな。


そうそう、この夏休みの最中に健康診断があるのです。
これが、難物だな。

Lion has come!

2011-07-27 01:16:26 | Weblog
Appleの新しいOS、Lionをインストールしてみました。
新しいOSだけあって早く美しくもなりました。
様々な新機能が加えられましたし、今まであった機能も新しい味付けがされてずいぶんと手触りが変わってしまいました。

日本語入力も新しい事になってまして、変換候補の出方もまるで変わってしまい違うOSのパソコンになったような感じもしますね。
色々な修正があるのに恐ろしくインストールも簡単。
値段も安いし、あっという間にダウンロードで購入も出来る。
良い事尽くめのようにも思えますがどうでしょう。

手許にインストールDVDが無いと言うのもちょっと不安。
何かがあった時にはどうすれば良いのでしょうね。

それに今まで使えてきたアプリケーションが沢山使えなくなった事も驚きです。
ですがOS付属のアプリでほとんどこなせるようなので不便は無いのですが。

ただ不便になった所もあるので、これはアップデートに期待でしょう。


さて4連休も終わって明日からはまたお仕事再開となります。
去年に続いてのアジア音楽祭のリハーサルが明日。
何人かの作曲家が自作を指揮するという演奏会。
皆さんの指揮者ぶりが如何なものか、期待しちゃいます。
どうなるのか?

濃密な日々

2011-07-24 01:37:30 | Weblog
昨日までの一ヶ月の間に定期演奏会が7回ありました。
指揮者は4人、ソリストも4人。
オーチャードホールで1回、オペラシティとサントリーでそれぞれ3回。
個性的な日本人の指揮者とお付き合い、新進2人とベテラン2人。
定期の間にも他の演奏会が幾つか。
名古屋、船橋、秋田、長岡と移動しつつ。
本当にこの暑い日々の中、濃密な音楽体験が続きました。

ベテラン二人ともにとんでもなく個性が際立っていて、あまり日本人らしくない所がうれしくもありました。
こじんまりと纏まるなんて事は全く考えていないようで。
自分の理想とする音楽の再現に全精力をつぎ込むのです。
変な遠慮もありません、どこまでも貪欲に突き進むのみ。
あっぱれとしか言いようの無い指揮者ぶりでありました。

大植さん、楽譜に書かれている全ての音符や記号を追求していく。
エスプレシーヴォと書いてあれば理想とする音楽を作るためにテンポさえ落とす。
オーケストラが出す音、動作も全て瞬時に把握して修正を加えていく。
驚くほどに明確なコンセプトで音楽を作っていくのですが、出て来る音は個性あふれるもの。
大植マジックとでも言うべき不思議な才能です。
自分の音楽に対してそれだけ貪欲でありながら、一方で小曽根さんの自由奔放な演奏も懐に入れてしまう大きさ。
ぜひまた東フィルの指揮台に立っていただきたい指揮者でした。

昨日までお付き合いした上岡さん。
もの凄く綿密なイメージを持っているのです。
曲全体、いや一つ一つの音符に至るまで。
自分の信じるシューベルトをとことんオケに再現を要求するのです。
本当に細かく細かくリハーサルを重ねました。
我々もよく辛抱してそのリハーサルに付き合ったものだと、感心してしまうのですが。
それも出てくる音が素晴らしいからでしょうね。
時には楽譜に書いてあるアーティキレーションなど全く無視、他の指揮者が絶対にやらないであろう事まで。
お客様の耳に届いた2曲のシューベルトはまぎれもなく上岡さんのイメージする音楽そのものでした。

若い2人にはこのベテラン二人の音楽に向き合う姿勢の厳しさを大いに見習っていただきたい。
これからの一層の努力をお願いしたい、そしていつの日か誰をも唸らせるような音楽を奏でて欲しい。
20年後30年後、東フィルの指揮台に立って堂々とした指揮ぶりで聴衆を感動させてほしい。
私はそんな彼らを客席から見てみたい。

番号

2011-07-20 23:39:19 | Weblog
今日で3日間の定期のリハーサルが終了しました。
未完成という曲は短いながらも非常に音楽的な要素の詰まった難曲。
一瞬の油断も許さない恐ろしさがいっぱい。

特に2楽章の終盤、1stバイオリンだけで2回出てくるオクターブの跳躍を伴ったパッセージの難しさといったらもう。
ダイナミック、音色、音程、弓のスピード、ビブラート、全てに渡って最高度の技術が求められるのです。
ここだけはやりたくないと何度思った事か!
今日もそこだけ何度も練習しましたが。
何回やってもなかなか正解に辿り着かないのです、これが。
ただチョンさんで演奏した時に比べればだいぶ精神的には楽なので助かりますが。

グレートはとにかく弾きっぱなし。
一度音を出し始めたら切れ目なく演奏し続けないといけません。
長いこの曲の間中右手を上げ続け弓をコントロール、また早いテンポの中で非常に細かい音符を入れ続けないといけない。
その無茶苦茶な事といったら他に類を見ません。
気力と体力の勝負です。

さてこの未完成とグレート。
あだ名で呼ぶぶんには問題はありませんが。
交響曲第何番なのでしょうか?
7番?8番?9番?
昔は未完成が8番、グレートが9番と呼ばれていましたが。
今はそれぞれ8番と言われたり7番だと言われたり。

今回の楽譜は古いブライトコップの楽譜を両方の曲で使用していますが。
何と、両方ともにSymphonie Nr.7と書かれております。
2曲ともに7番。
二つ並べると何とも不思議な光景が目の前に広がります。
同じ色、同じ模様の表紙。
違うのは番号の下に書かれたh-mollとC-durの文字ぐらい。
良いのか、これで?

個性が無ければ

2011-07-20 00:39:45 | Weblog
昨日から定期のリハーサルになっています。
今回の指揮者は上岡さん。
前回の大植さんに続いて個性派の登場です。

ドイツにどんと腰を据えて活動している上岡さん。
並の才能ではありません。
曲の隅々にまで自分の理想がきちんと発揮されるのです。
ものすごく綿密な設計図が出来上がっていて、それも小節単位、いや一つ一つの音の単位で。
それにオケの音を近づけて行く。
粘り強く根気よく。

今回は未完成とグレートというシューベルトの傑作が演奏されます。
グレートの音の多さは数あるクラシックの曲の中でもトップクラスではないかと思いますが。
その全てに上岡さんの拘りがびっしりと詰まっています。
音の長さ、音量、音色、テンポ、見事な迄に計算され尽くしているのです。

正直言って疲れるリハーサルではありますが指揮者の思い描く音楽を音にする為には仕方の無いところではあります。

本番で音になって届けられる指揮者のイメージした世界、果たしてお客さんにはどう感じていただけるのだろうか。


しかし個性的な人物であります。
大植さん程では無いにせよ、髪型に対してのこだわりは凄すぎます。
大植さんは襟がピンと、上岡さんは前髪がピンピン。
おお!

旅は続いて

2011-07-16 01:16:36 | Weblog
大植さんの定期が終了しても休む間もなく二つの演奏旅行がありました。

まず先週の土曜日に秋田市でコンサートが。
地元で活躍されているジャズピアノ奏者のトリオとガーシュインの夕べを。
会場は秋田駅近く、千秋公園の前にある秋田アトリオンというホール。
内装に秋田杉をふんだんに使った木のぬくもりたっぷりの美しいホールでした。
響きもたっぷりあって、ゲネプロでは響き過ぎるとも感じられた程。
本番になると会場にお客さんが入った分だけ響きが減ってしまいますが。
それは世界中どこのホールでも同じ。
ただ秋田ももの凄い暑さと湿度。
本番はなかなか厳しい条件となりました。

でも曲がガーシュインばかり。
楽しい夜になった事は間違いありません。

そして秋田から帰った次の日からは新潟県の長岡市へ。
毎年恒例の長岡市での音楽教室とコンサート。
今年はちょっと時期が早くなってこの時期に。
例年ならば秋、涼しくなってからだったのですが。
こちらも気温はうなぎ上り。
ちょっと古さを感じさせる市立劇場の空調が追いつかない。
実に暑いコンサートでありました。



そんな長岡での滞在でしたが最終日はちょっと足を伸ばして弥彦で1泊。
弥彦神社のすぐ隣の宿でしたので神社にもお参りを。
だいぶ前の事になりますが白金フィルのメンバーとここへ来た事がありました。
その時はまだ雪の残る時期でしたが今回は真夏。
しかし巨大な木々が生い茂る参道は吹き渡る風も気持ちよく。
暑さも忘れる程の心地よさ。

参詣の後は弥彦山にもロープウェイで登ってみました。
こちらもさすがに下界とは違う空気。
日本海からの風が本当に心地よくて。



山頂では紫陽花が見頃。
実に色とりどりの花が咲き誇っておりました。

真夏とは思えない気持ちの良さ。
エネルギーを沢山いただいてまいりました。

定期は続くよ

2011-07-05 00:04:19 | Weblog
先月は三ツ橋さんの定期2回に続き川瀬さんとTOC定期。
そしてただ今は大植さんとの2回の定期のリハーサル。
これが終わると少し間をおいて上岡さんの定期が2回。
このひと月足らずのあいだに定期が7回。
過密なスケジュールですが指揮者の個性が際立っているので面白い演奏会が続きます。

川瀬さんとはショスタコーヴィチの5番と武満さんの3つの映画音楽。
そして前橋さんとチャイコのバイオリン協奏曲を。

まずは前橋さん、私が東フィルに入った頃にはすでに大家として活動。
それから四半世紀に渡り第一線で活躍を続けていらっしゃいます。
今回も貫禄たっぷりの演奏、前橋さんにしか出来ない世界をしっかりと聞かせてくれました。
さすがとしか言いようの無い見事さ。
中村紘子先生と双璧ですね。
年を取る事を忘れてしまった二人。
少しの衰えも見せない技術。
音楽性はますます深みを増して行くし。
驚異という言葉が一番しっくりくるかもしれませんね。

そして川瀬さん。
オケを自分のペースに引っ張り込む術を身に付けているのがまず凄い所。
リハーサルもぐいぐいと進めて行きます。
一瞬も立ち止まる事無く音楽を作って行き。
指揮者として出てくる音楽の責任を負います、という覚悟が見て取れる。
オケも安心して音を出せる。
そんな雰囲気作りが上手。
若いのにやるなあ、という感じですね。

今後は若いのにという言葉が取れて、やるなあこの指揮者。
と言われるように勉強を続けて欲しいものです。


さて今現在大植英次さんとブラームスその他を。
そのキャラクターの強さに圧倒されてます。
音楽もどっしりとした骨格と自由なテンポが交差するスケールの大きなもの。

それよりもとにかくそのファッションにも圧倒されているところで。
どんなに暑かろうとシャツにネクタイにジャケット。
シャツとジャケットの襟はビンビンに立てる。
ネクタイを結ぶにもとてつもない拘りが見えて。

今日もネクタイを締めていたのですが、直接首に巻いておりまして。
巻いた部分を立てたシャツの襟で隠しつつも。
シャツのボタンの間からネクタイを前に出しているという。
凡人には真似の出来ないファッションでして。

いや、凄いです。
並の指揮者ではありませぬ。



若さ

2011-06-29 01:24:43 | Weblog
先週のサントリー定期とオーチャード定期は三ツ橋敬子さんの指揮でベートーベンを。
颯爽としたテンポの英雄はなかなか聞いていて気分爽快だったそうです。
若さ故の爽快さとも言えますでしょうか。

その若さ、これが何とも恨めしいもの。
我々のような年齢になってしまうと30歳そこそこ、などという年齢のなんと眩しいことか。
しかし同時に危なっかしいとも思えるのが、若さの恨めしさ。

若さ故のエネルギーと、若さ故の未熟さと。
それらが合い混じった時の何とも不可思議な魅力は抗し難いものです。

三ツ橋さんの指揮にはこのエネルギーと未熟さとが混じり合い、でも我々はその若さの前にたじろぐ事も度々。
リハーサル中にさらけ出された未熟さはこれからの年月で消えて行く事を期待しつつ。
でもやりたい事が沢山あって、それを全身で表現するエネルギーには感服もするのです。

2回の本番は両日ともにチケットは完売。
演奏後のお客さんの反応ももの凄く、皆さんの期待の大きさを感じながら。
また満足の高さも感じるもの。
これからどんどん経験を積んで、人と人との関わり合い方を勉強してもらえれば。
将来が楽しみな指揮者である事に間違いないと思うのです。
でもまだまだ勉強しなきゃ。
今のままではオケは疲れ果ててしまいますから。

昨日からはTOC定期のリハーサルとなっています。
こちらも指揮はバリバリの若手、川瀬賢太郎さん。
何回かお手合わせをしていまして、さすがに慣れた感じがします。
練習そのものにも良い意味での若さがあって楽しいのです。
未熟さも消えている感じで、揉まれて育ってきた姿が見て取れます。
本番は明後日、こちらの演奏会にもたくさんのお客さんがお運びくださると嬉しいですね。
生きの良い若手の姿を少しでも多くの皆さんに見てもらいたいもの。

しかしこの二人、ソリストとして中村紘子さんや前橋汀子さんという大御所様と共演。
緊張しまくる若者と優しく見守る年長者。
そんな図式がピッタリと来る、何とも微笑ましい光景が。
和みますよ。

桁違い

2011-06-21 01:31:11 | Weblog
今日の仕事は2本だて。
まずはバルバラ・フリットリさんのリサイタルの歌合わせから。

昨日はメトロポリタン歌劇場のボエームでミミを歌っていたフリットリさん。
その疲れもあるし、なんて言葉で始まった今日の歌合わせ。
最初のうちはさすがにセーブしつつ調子を見ている感じでしたが。
曲が進むにつれエンジンも全開。
途轍も無く美しくも力強い声。
でも決して荒くなることはなく、どんな高音でも楽々と柔らかい声で歌いきってしまいます。
調子が出てくればもう彼女のワンマンショー。
歌の曲ばかり立て続けに歌いきってしまいました。
途中10分間の休憩があっただけ、見事なまでのすばらしさ。
久しぶりに味わう本物のソプラノ。
桁違いのテクニック、感情表現、声の美しさ。
圧倒的でした。

本番は明後日、名古屋の芸術文化センターで行われます。
凄い事になりそうです。
考えただけで興奮してきます。


そして2本目は週末に行われるサントリー定期・オーチャード定期の練習。
こちらは指揮者が話題の三ツ橋敬子さん。

今回はエロイカとベートーベンのピアノ協奏曲2曲というプログラム。
今日のリハーサルはエロイカのみ。

小さな体から発散されるエネルギーは半端ではありません。
全身を使って自分の目指す音楽を表現してくれます。
今日が初めてという事で興奮もしていたようにも見受けられました。
オケとの呼吸が合わなくなることも何回か。
でも練習も会を重ねれば落ち着いて指揮も出来るのではないかと思われます。
冷静さと情熱とのバランスが上手く取れればいいですね。

でも話題になるだけあってグイグイとオケを引っ張っていきます。
将来面白い指揮者になってくれそうです。

昔一日だけ三ツ橋さんの指揮で敷いたことがありました。
中央フィルの合宿でベートーベンの1番の交響曲だったかな?
その時とはもう別人ですね。
頑張って欲しいと思います。

でも東フィルとの仕事がいきなり定期というのはちょっとプレッシャーかな?
あと2回のリハーサルで良い出会いにしたいですね。

一区切り

2011-06-19 00:57:18 | Weblog
今日は新国「蝶々夫人」の千秋楽。
コジが5回、蝶々夫人が5回と続いた新国のピットの仕事もこれで終了です。

蝶々夫人、とにかく指揮者のアベルさんに尽きます。
我々が一番演奏しやすい流れを作って行く。
自然な流れに沿って演奏していくだけで良いのです。
後は音楽が本来持っているドラマが自然に出てくる。
しかし毎回同じ事をやっている訳ではありません。
その日、その瞬間に応じた変化を付けてくる。
これだけ楽しく、ストレスを感じること無しに演奏できるのも珍しい事。
ぜひまた指揮台に立って欲しいものだと、切に希望します。

今日は最終日と言う事もありましたが、ちょっと落ちついたテンポでドラマのスケールを際立たせていました。
このままずっとプッチーニの音楽に身を浸していたかった。
終わりが来る事が残念で残念で。

さて今日で一区切り。
明日からはステージの仕事の連続となります。
まずはメトロポリタン歌劇場のミミでも好評だったバルバラ・フリットリさんの演奏会。
それから二つの定期と続いていきます。
フリットリさんの演奏会とサントリー・オーチャード定期の指揮者はどちらも女性。
これからの1週間、女性指揮者とのお仕事となります。
定期は三ッ橋敬子さん、イタリアでのコンクールで一躍時の人となった指揮者ですね。
ベートーベンプロという重たい物をやりますがどんな指揮ぶりを見せてくれるのか楽しみです。


三人のマエストロ

2011-06-14 01:15:21 | Weblog
今日はオペラシティのリサイタルホールでテレビ番組の収録でした。
NHKで放映中の「Deep People」という番組の録画。
今回の企画は指揮者について。

3人の指揮者にそれぞれ同じ曲の同じ場所を振ってもらい、それぞれがどう違うのかを確かめるのです。
また演奏の合間には3人でそれぞれの演奏を語り合い、また音楽について思いの丈を述べるというもの。

今回の3人は、炎のコバケンこと小林研一郎さん、広上淳一さん、下野竜也さんの3人。
ベートーベンの第九を素材にそれぞれが東フィルを振り自分を主張しました。
やはりというか、この3人に中で自分を一番主張するのはコバケンさん。
もう見事としか言いようのないコバケンワールドに周り中を引きずり込みます。
とにかく見ていただければコバケンワールドの構築方法が解ります。

放送は8月1日。
楽しみです。

今日の収録はリハーサルなど一切無し。
指揮者はいきなり指揮台に上がって我々を指揮するのです。
一発勝負ですがそれでも個性はきちんと出てくるのです。
何も言わなくても下野さんと広上さんの音が違います。
コバケンさんは更にその上を行きます。
表現欲と言うか自己顕示欲と言うのか。
とにかくその持てるエネルギーを全て使って自分の理想とする音を追求していきます。
ぜひ放送をみて実感して頂きたいものです。

それと3人のお話がもの凄く面白いです。
あれだけの時間喋り続けていたのですが、放送ではそのうちの何割が出るんでしょうね。
2時間番組にならないかな。