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MFCオーナーのブログ

想い出のアルバム-A DAY AT THE RACES

2007年01月06日 14時31分34秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Adayattheraces

華麗なるレース/クイーン(1977)

1.タイ・ユア・マザー・ダウン
2.テイク・マイ・ブレス・アウェイ
3.ロング・アウェイ
4.ミリオネア・ワルツ
5.ユー・アンド・アイ
6.愛にすべてを
7.ホワイト・マン
8.懐かしのラバー・ボーイ
9.さまよい
10.手をとりあって

中途半端に続ける(笑)「想い出のアルバム」シリーズだが、やはりクイーンをはずす訳にはいくまい(笑) 数あるクイーンのアルバムの中でも、僕にとって一番思い出深いのは、やはりこの『華麗なるレース』である。なんといっても、初めて買ったクイーンのLPである訳だし。

確か、このアルバムが発売されたのは、今を遡る事30年前(-_-#)の1977年の年明け早々だったように記憶している。丁度今頃だね。冬休みが終わって、3学期が始まったばかりの頃だった。僕は、乏しい小遣いの中から2500円を握り締め、レコード屋に走って店頭に並んだばかりの『華麗なるレース』を買ったのである。店に向かう時からワクワクドキドキ、LPをレジへ持っていってお金を払う時には、感動のあまり足が震えたものだ(爆) あの頃は、おいそれとLPなんて買えなかったから、一枚買うのにあーでもないこーでもないと、散々店内で悩み、ようやく一枚買うと、毎日のように聴いたものだった。ほんと、LP一枚買うのが大事件であり、いざ買いに行くとなると前夜からウキウキワクワクしていた。今では、こんな感覚はなくなってしまった。悲しい(爆)

で、『華麗なるレース』である。LPが店頭に並ぶ前から、クイーンの新譜という事で話題になり、前年の11月頃から、先行シングルの「愛にすべてを」がラジオやたらとかかり、12月に入るとアルバムの曲も紹介され始め、ファンは盛り上がっていた。随分後になって知ったのだが、この『華麗なるレース』は、当時オリコンのアルバム・チャートで一位を獲得したのだそうだ。あの頃のクイーンが、いかに人気があり、またレコード会社側もそれに乗って強力にプロモートしていたか、の証明であろう。

このアルバムに関しては、クイーンのキャリアの中でもビミョーな扱いかと思う。よく、「自分にとってのクイーンはレースで終わった」という声を聞くが、レースが出た時点で、「今度のクイーンは面白くない」と言ってる人もいた。僕がクイーンを聴き始めたのは、これよりさらに一年程前で、その一年間でそれまでのアルバムは全て後追いで聴いていたのだが、その僕でさえ、初めて聴いた時は「オペラ座の方がいいな」なんて、なんとなく感じたくらいだった。確かに、それまでの4枚とは違っていたけど。コンセプト重視というより、楽曲重視の傾向がある。オペラ座と対になるジャケットというのも、トータル性云々よりマンネリというか煮詰まっているような印象を受けたし、本作からクイーンの単独プロデュースになったせいか、コーラスにせよギター・オーケストレイションにせよ、やりすぎという感じもあった。デビュー時からのファンは、もうクイーンは終わった、と感じて離れていったのも、ある意味では当然なのかもしれない。実際、華麗でドラマチックなクイーンは、このレースが最後であり、次作で大胆な方向転換をするのだが、クイーンが只者ではない事を真に証明してみせたのは、その次作『世界に捧ぐ』以降であったのだ。

と、転換期というか模索期というか、そういう時期のアルバムである為、やや地味な印象があるのも確かだが、その反面楽曲の充実度という点では群を抜いている。クイーンの全アルバムの中でも、最高峰と言ってもいいのではなかろうか。当時、僕の周囲では、このアルバムがクイーン・ファンではない人に意外とウケていたのも、そこいらに理由があると思われる。「タイ・ユア・マザー・ダウン」や「愛にすべてを」は、この後もずっとコンサートの重要なレパートリーであったし、日本語の歌詞が挿入された「手をとりあって」も感動的だ。渋谷陽一だって、この曲は褒めてたぞ(爆) 曲作りに関しては、フレディとブライアンが4づつ、ロジャーとジョンが1づつ、という構成はいつもの通りだが、そのロジャーの「さまよい」は、後年とあるクイーンのファンサイトでの“ロジャー曲人気投票”で一位になった事もある隠れた名曲だし、ブライアンが歌う「ロング・アウェイ」、ジョンの「ユー・アンド・アイ」も隠れた名曲の称号にふさわしい(褒めてるのか?)。しかも、正真正銘の人気曲「懐かしのラバー・ボーイ」もある。思い起こせば2年とちょっと前、「A NIght At RAG」のステージで、我が完全尼嗜好がこの曲を演奏した際、ボーカルのはじめちゃんが“I can dim the light~”と歌いだした時に客席から「わぁー」と歓声が上がったのを、僕は今だに覚えている。あの時は、こっちも感動したなぁ(笑) ついでに言うと、隠れた名曲「ユー・アンド・アイ」に光を当てたのも、Jun Green氏と完全尼嗜好である(意味不明)。

ま、そんな訳で、新鮮味のない事ばかり書いてるが(笑)、地味であろうとマンネリであろうと、この『華麗なるレース』は、僕にとっては非常に想い出深いアルバムなんである。無人島に持っていくのは『オペラ座の夜』か『シアー・ハート・アタック』になるだろうけど(爆)

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
> あの頃は、おいそれとLPなんて買えなかった (マット)
2007-01-06 17:29:29
> あの頃は、おいそれとLPなんて買えなかった

僕もそうでした。(笑) 「愛にすべてを/ホワイトマン」のシングルは購入できたけど、LPは友人に借りました。ポップすぎて当時イマイチに思いました。

>トータル性云々よりマンネリというか煮詰まって

当時はクリムゾン知らなかったですけど、イマイチ度は「クリムゾンキングの宮殿」に対する「ポセイドンの目覚め」に似ている気がします。
今年もよろしくお願いします。

返信する
かなり出遅れました。 (ちゃぴ)
2007-01-06 23:15:12
かなり出遅れました。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

私が初めて買ったQUEENのアルバムはQUEENⅡでした。
Raceは友達と貸し借りしてカセットテープに録音しましたねぇ。懐かしい。

QUEENⅡ大好きな私としてはやはり、Operaの方がいいと思いましたねぇ。

今となってはもう、どれでも好きですけど。(苦笑

返信する
今年もヨロシクです~! (メリー)
2007-01-06 23:20:51
今年もヨロシクです~!
このアルバムを発売前から、ラジオでめちゃくちゃ紹介されてたの知ってます。
学校で、放課後、ラジオの前にみんながへばりついて聞き入ってましたわ。
もちろん発売と同時に、買いに走ったくちです。
でも私も、オペラ座で終わったような気がして
その後、あまり聴きませんでした。CDを買ったのも、つい最近です・・・( ̄▽ ̄)
“タイ・ユア~”と“ホワイトマン”は好きですけどね。
私も初めて買ったのはQUEENⅡでした。
返信する
遅くなりましたが、おめでとうございます (YK)
2007-01-06 23:53:41
遅くなりましたが、おめでとうございます

本年も公私共々(爆)よろしくお願いいたします♪

You and Iは歌うまであまり聴いたことがなかった曲でした。歌うと決まってから必死で聴き込みましたが、そのおかげでこの曲は今ではQUEENの好きな曲TOP15には入りますね。

・・・
ということでまたよろしくお願いします
返信する
>「自分にとってのクイーンはレースで終わった」と... (陰陽師@やっさん)
2007-01-07 00:57:30
>「自分にとってのクイーンはレースで終わった」という声を聞くが

あれ!?なんか呼びました?(こーゆー書き込みが年末に繋がる、意味有明)
返信する
♪マットさん (MFCオーナー)
2007-01-07 01:34:49
♪マットさん

今年もよろしくお願いします。
>ポップすぎて当時イマイチに思いました
そうですね。かなりポップという印象ですね。
>イマイチ度は「クリムゾンキングの宮殿」に対する「ポセイドンの目覚め」に似ている気がします
『ブレゼンス』に対する『イン・スルー・ジ・アウトドア』、『紫の炎』に対する『嵐の使者』、『ホテル・カリフォルニア』に対する『ロング・ラン』あたりと似たようなものでしょうか?(笑)

♪ちゃぴさん

今年もよろしくお願いします。
>Raceは友達と貸し借りしてカセットテープに録音しましたねぇ
当時、レースをあちこちに貸して、代わりにツェッペリンやらキッスやら借りてました。あの頃は、誰かが買ったLPは、大勢で聴いてましたね(笑)
>Operaの方がいいと思いましたねぇ
初めて買ったのはレースですが、初めて聴いたのはオペラ座だったせいか、僕も最初は今イチでした。
>今となってはもう、どれでも好きですけど
同感です(笑)

♪メリーさん

今年もよろしくお願いします。
>もちろん発売と同時に、買いに走ったくちです
メリーさんもですか^^ 思えば、あの頃が一番クイーン人気が盛り上がってたかも。
>でも私も、オペラ座で終わったような気がして
そういう声も多いです。僕はそこまで思いませんでしたが(笑)
>私も初めて買ったのはQUEENⅡでした
僕は、初めて実物を見たのがQueenIIでした。中学の放送室にあったのです。初来日直後、クイーンなんて名前しか知らない時でした(笑)

♪YKさん

今年よろしくお願いします。ライブ頑張りましょうね。
>You and Iは歌うまであまり聴いたことがなかった曲でした
あの時も、そうおっしゃってましたね。
>この曲は今ではQUEENの好きな曲TOP15には入りますね。
僕も、自分で演奏してみて、この曲の良さを再認識しました。クイーンのA面ラストの名曲No.1です(笑)

♪陰陽師@やっさん

今年2回目のコメント、ありがとうございます(既に集計は始まっているのですよ...爆)
>なんか呼びました?
そうです、あなたです(爆)
返信する
私が買った初めてのクイーンのLPは「シアー・ハ... (ながれ☆)
2007-01-07 18:08:36
私が買った初めてのクイーンのLPは「シアー・ハート・アタック」でしたが、次のオペラもレースも好きでした。
レースで特に気に入っていたのは、『ロング・アウェイ』、『ユー・アンド・アイ』、「愛にすべてを』、そして忘れることができないのが『手をとりあって』です。

当時はオーナーさん同様、お手軽にレコードなんて買えなかったから少ないお小遣いをためて買った記憶があります。
LPを買うとポスターが貰えるっていう楽しみもありました。

最近はCDの売れ行きが悪いようですが、“CDを買うとポスターが貰える”にしたら少しはCDも売れるように・・・・・なんてことにはならない・・・・・かな。(^^;
返信する
華麗なるレースですか、僕も好きで好きでたまらな... (ヘビーメタモン)
2007-01-07 21:51:14
華麗なるレースですか、僕も好きで好きでたまらないアルバムです。
QUEENの中では華麗なるレース、そして世界に捧ぐのどっちかが一番好きです。
華麗なるレースはとにかくQUEENが一番QUEENらしいアルバムなんじゃないかなと思っております。
特にミリオネアワルツの様式美的展開、そして愛に全てをのゴスペルの臭い、俺はこれをはじめて聴いたとき、とても七十年代のアルバムとは思えませんでした。
ラルクやB'zといった最新のアーティストを普通に耳にできる世代にとっても、宇宙のように広く、そして太陽のように遠い世界の音楽に聴こえました。
返信する
♪ながれ☆さん (MFCオーナー)
2007-01-08 11:55:46
♪ながれ☆さん

>私が買った初めてのクイーンのLPは「シアー・ハート・アタック」でしたが
丁度、初来日の頃でしょうか?
>そして忘れることができないのが『手をとりあって』です
日本語の歌詞が話題になりましたが、その歌詞がいいですよね。日本のファンに向けたメッセージという事ですが、「ありがとう」とか「がんばろう」とかでないのがいい(笑) 気品に満ち溢れた崇高な歌詞ですよね。
>、“CDを買うとポスターが貰える”にしたら少しはCDも売れるように・・・・
それをすると、マニアが買い占めそうで怖い(笑)

♪ヘビーメタモンさん

>QUEENの中では華麗なるレース、そして世界に捧ぐのどっちかが一番好きです
少々意外と感じましたが、確かにこの2枚とも、僕も好きです^^
>華麗なるレースはとにかくQUEENが一番QUEENらしいアルバムなんじゃないかなと思っております
あとになって気づきましたが、クイーンの黄金のパターンって、ほとんどこのアルバムで聴けますね。他のアーティストがクイーンっぽい事をやろうとすると、だいたいこのアルバムの曲に似てます。
>とても七十年代のアルバムとは思えませんでした
今ある方法論のほとんどは、既にこの時代には試みられていましたからね。70年代があってこその21世紀なんです(笑) ヘビーメタモンさんのような若い世代の人に、70年代ロックのすごさを分かって頂けたら、ほんと嬉しいです。
返信する
自分も初めて自分のお金で買ったアルバムが、この... (いまち)
2007-01-10 00:00:38
自分も初めて自分のお金で買ったアルバムが、このアルバムでしたね。
ブライアンメイ奏法という楽譜本の中で山本恭二が確かステーキばかりでてくるようなアルバムだ、というような評価をしていましたが、確かにそんな風情がありますね。
オーバープロデュースは否めないですけど、この分厚さがレースなのだと勝手に決め付けていますが(苦笑)
当時そんなにイマイチな評価でしたかね?全然覚えておりゃしません(爆)
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