ついにこの日がやって来た。
2005年5月11日、いよいよジェスロ・タル来日公演の日となったのである。東京公演のみ、それも平日という暴挙ではあるが、これを逃すともう見れないかもしれない、という思いが先行し、とにかくチケットだけ取ってしまえ、と予約を入れたのが去年の12月。一ヶ月以上前から有休を申請し、前日には上司のほとんど意地悪としか思えない“業務命令”があったものの(ハンコ押しといて聞いてない、はないよね)、何とか乗り切り晴れてこの日を迎える事が出来て、ただただ感無量(もっとも、この日の東京はやや肌寒く、どんよりとした天気だったけど)。開場時刻の10分程前に渋谷公会堂の前に立った時は、感涙のあまり公会堂がぼんやりとしか見えませんでしたよ(それにしても、相変わらずしょぼい建物だ。古いから仕方ないのか)。
さて、ここからは感傷は抜きにしてレポートを進めよう(笑)
会場時刻となり、ぞろぞろと皆さん中へ入る。古いホールだから仕方ないけど、ロビーが狭くて入った時点でもうすし詰め状態。一ヶ所しかないグッズ売場には、既に長蛇の列。まずは座席の確認、と客席へ。今回の僕の席は1階23列19番、真ん中よりやや左のまぁまぁの位置。しかし、座席が狭いなぁ、古いホールはこれだからイヤだ、とブツブツ(笑)
荷物を椅子の上に置いてからトイレ、そしてグッズ売場の列に並ぶ。今回はプログラム・パンフレットの類は作ってないそうで、公式グッズとして販売されてたのはTシャツ・ピンバッヂ・野球帽の3種類のみ。がっかりした人もいたろうね。で、10分程並んでTシャツ買いました(笑)『アクアラング』のジャケットがプリントされたヤツ。写真はあとでね(笑)
定刻になる頃には、客席はほぼ満杯。日本にも根強いファンが多い事を改めて感じさせる。年齢層もかなり高かった。きっと、70年代からのファンなのだろう。
と言ってる間に照明が落ち、場内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれる。そしていきなり聞こえてきたフルートのブロウ(ヘンな言い方だけど、他に思いつかないもんで...) 始まった。ジェスロ・タルのライブだ。と、ステージが明るくなり、スタンバイしていたメンバーたちが演奏を始める。そして、舞台下手からフルートを手にイアン・アンダーソンが登場!
1.For A Thousand Mothers
2.Nothing Is Easy
『スタンド・アップ』の曲で幕を開けるとは意外。一曲目からバンドのテンションはかなり高い。ステージは実にシンプルで、真ん中の高い位置にドラムのドーン・ペリー、向かって右側にマーシャルが置かれ、その前にストラトキャスターを手にしたマーティン・バレ、ドラムセットの左にはベースのジョナサン・ノイス、さらにその左にキーボードのアンドリュー・ギディングス、ほんとただそれだけ。そして中央に陣取るのはイアン・アンダーソン。近年は車椅子でステージを務めているなんて噂もあったけど、そんなことはなく、とても元気でステージ上を動き回っていた。片足を上げてフルートを吹く伝説のポーズも、初っ端からしっかりと見せてくれました。感涙。声もちゃんと出ていたし、御年68歳(推定)とは思えない程エネルギッシュだった。
3.Beggar's Farm*
4.Eurology*
5.With You There to Help Me*
6.In the Grip of Stronger Stuff*
ここまでは初期の曲とイアン・アンダーソンのソロ・アルバムからの曲が交互に演奏された。「Beggar's Farm」「With You There to Help Me」の2曲は名曲として名高い曲ということで、実際素晴らしい歌と演奏が聴けた。「Eurology」はギディングスがアコーディオンを演奏した牧歌的なようなエスニックなような不思議な曲、「In the Grip of Stronger Stuff」はとてもクラシカルな雰囲気で、どちらもナイスなインスト曲だった。
7.Hunt by Numbers*
8.Weathercock*
「Hunt by Numbers」は現時点での最新作『Jethro Tull Dot Com』の曲でギターのリフが印象的。「Weathercock」は元々『逞しい馬』の収録曲だが、2003年に出た企画アルバム『Jethro Tull Christma Album』でリメイクされた曲、とアンダーソンが言ってた(笑) あれ、バレがマンドリンを弾いたのはどっちだっけ?(笑)
9.Bouree
10.Cheap Day Return
11.Mother Goose
お馴染みの「Bouree」はやはりウケがいい。そして『アクアラング』からアコースティックな曲を2曲。「Mother Goose」は、この日一番の聴き物だったと個人的には思う。バレとギディングスによるリコーダーが良かった(笑)
12.Morris Minus*
アンダーソン抜きのインスト。ちょっとフュージョンぽい雰囲気の曲。マーティン・バレ絶好調。
13.Songs from the Wood
14.Too Old to Rock'n'Roll:Too Young to Die
15.Heavy Horses
70年代の曲をやるよ、とアンダーソンが曲を紹介すると、どっと歓声が沸き起こる。やはり、この時期のタルが一番人気あったんだな。で、この3曲はメドレーで演奏された。「Songs From The Wood」のイントロをアカペラで再現しなかったのは、ちと残念。ただ、この曲に関しては、申し訳ないが1978年のライブ盤『バースティング・アウト』での演奏の方が凄い。この日の演奏は、手堅くまとまり過ぎという気がした。
16.Pavane*
17.Farm on the Freeway
18.Budapest
19.Aqualung
またもや、クリスマスアルバムの曲を挟んで、『クレスト・オブ・ア・ネイブ』の曲が2曲も演奏されたのは、これまた意外。実に重厚で格調高い、素晴らしい演奏だった。この辺も今回のベストかな。ちなみに、『クレスト~』からの曲を演奏する時は、あのグラミーのヘビーメタル部門受賞のネタを披露するのがお約束なのか、今回も喋ってた(笑)
そして、これは絶対はずせない名曲「アクアラング」。観客は大喜び、盛り上がったなぁ。余談だけど、この曲のドラムは、ヘビーなノリを出そうとするのか、ドラマチックに盛り上げようとするのかで、プレイに違いが出る。ペリーは前者の方だった。多分、僕だったら後者だなぁ、とふと考えてしまった(笑) 別にどちらが良い、というのではありませんので。
そして、ここでライブは一旦終わり。
(encore)
20.Wind Up
21.Locomotive Breath
22.Protect and Survive*
23.Cheerio
またしても『アクアラング』から2曲。これで計5曲だ。翌日の追加公演は『アクアラング』全曲演奏が目玉と聞いてるが、これだけやってしまっていいのだろうか(笑) でも、「Wind Up」は素晴らしかった。「Locomotive Breath」は、人気曲でありライブには欠かせないのだが、正直言うとそんなにいい曲とは思えないのだけど(笑)やはり、盛り上がるなぁ。ライブでやってこそ映える曲という気がした。
そして、インスト曲を演奏し始めると、舞台袖から巨大な風船が2個登場。客席に投げられ、観客席を行ったり来たり。僕も触りたかったなぁ(笑) ひとつはすぐに割れてしまったが、もうひとつはタルのメンバーが演奏を終え、ステージ前方に勢揃いして客席に挨拶するまでずっと観客席で飛び跳ねていた。そして、メンバーたちが引っ込み、場内が明るくなっても客席で跳ねる風船を僕はずっと眺めていたのだった。最後には割れちゃったけどね。
とまあ、こんな感じでジェスロ・タルのライブは終わったのだった。実に素晴らしい、そんな感想しか言えない自分が情けない。それくらい良かったです。何より、アンダーソンが元気だったのが嬉しいし、バレも実に素晴らしいプレイを随所で披露した。この人あってこそのジェスロ・タル、という事を再認識しましたよ。アンダーソンも分かってるんだろうけどね(笑) 他のメンバーも、残念ながら名前知らない人たちだったけど(ベースのノイスはかなり若そう)、さすがアンダーソンに見込まれただけあって、実に腕達者だ。演出らしい演出は何もなかったけど、5人による演奏の密度だけで観客を酔わせた2時間でした。さすがベテラン、伊達に40年近くもやってないね。
後で、タルのファンサイト等を覗いてみると、今回はまぁまぁかな、ってな評が多いようだったけど、何度も見てる人からするとそう感じたのだろうか。初めて見た僕にとっては最高!のライブだったけど。
セットリストについては、僕の知らない曲がかなりあったので(*の曲です)、それは調べて掲載しました。ま、間違いはないでしょう(笑) 見て頂いてもお分かりのように、いわゆるベスト盤的なセットリストになっていない所に、タルがまだ懐メロバンドではない事が窺える。本人たちもバリバリの現役のつもりだろう(笑) 実際そうなんだから、これからも頑張って欲しい。個人的には「Cross-Eyed Mary」「Hunting Girl」「Thick As A Brick」が聴けなかったのは非常に残念だったので、また来日して次はここいらの曲も聴かせて欲しいもの。
いやいやとにかく、素晴らしいの一言、感動して家路についた僕でした。前日の上司の意地悪も忘れてあげよう、と思うくらい幸せな気分だったです(爆)
という訳で、簡単なレポートでゴメンナサイ(笑)
最後にもう一言、
ジェスロ・タル、最高!
2005年5月11日、いよいよジェスロ・タル来日公演の日となったのである。東京公演のみ、それも平日という暴挙ではあるが、これを逃すともう見れないかもしれない、という思いが先行し、とにかくチケットだけ取ってしまえ、と予約を入れたのが去年の12月。一ヶ月以上前から有休を申請し、前日には上司のほとんど意地悪としか思えない“業務命令”があったものの(ハンコ押しといて聞いてない、はないよね)、何とか乗り切り晴れてこの日を迎える事が出来て、ただただ感無量(もっとも、この日の東京はやや肌寒く、どんよりとした天気だったけど)。開場時刻の10分程前に渋谷公会堂の前に立った時は、感涙のあまり公会堂がぼんやりとしか見えませんでしたよ(それにしても、相変わらずしょぼい建物だ。古いから仕方ないのか)。
さて、ここからは感傷は抜きにしてレポートを進めよう(笑)
会場時刻となり、ぞろぞろと皆さん中へ入る。古いホールだから仕方ないけど、ロビーが狭くて入った時点でもうすし詰め状態。一ヶ所しかないグッズ売場には、既に長蛇の列。まずは座席の確認、と客席へ。今回の僕の席は1階23列19番、真ん中よりやや左のまぁまぁの位置。しかし、座席が狭いなぁ、古いホールはこれだからイヤだ、とブツブツ(笑)
荷物を椅子の上に置いてからトイレ、そしてグッズ売場の列に並ぶ。今回はプログラム・パンフレットの類は作ってないそうで、公式グッズとして販売されてたのはTシャツ・ピンバッヂ・野球帽の3種類のみ。がっかりした人もいたろうね。で、10分程並んでTシャツ買いました(笑)『アクアラング』のジャケットがプリントされたヤツ。写真はあとでね(笑)
定刻になる頃には、客席はほぼ満杯。日本にも根強いファンが多い事を改めて感じさせる。年齢層もかなり高かった。きっと、70年代からのファンなのだろう。
と言ってる間に照明が落ち、場内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれる。そしていきなり聞こえてきたフルートのブロウ(ヘンな言い方だけど、他に思いつかないもんで...) 始まった。ジェスロ・タルのライブだ。と、ステージが明るくなり、スタンバイしていたメンバーたちが演奏を始める。そして、舞台下手からフルートを手にイアン・アンダーソンが登場!
1.For A Thousand Mothers
2.Nothing Is Easy
『スタンド・アップ』の曲で幕を開けるとは意外。一曲目からバンドのテンションはかなり高い。ステージは実にシンプルで、真ん中の高い位置にドラムのドーン・ペリー、向かって右側にマーシャルが置かれ、その前にストラトキャスターを手にしたマーティン・バレ、ドラムセットの左にはベースのジョナサン・ノイス、さらにその左にキーボードのアンドリュー・ギディングス、ほんとただそれだけ。そして中央に陣取るのはイアン・アンダーソン。近年は車椅子でステージを務めているなんて噂もあったけど、そんなことはなく、とても元気でステージ上を動き回っていた。片足を上げてフルートを吹く伝説のポーズも、初っ端からしっかりと見せてくれました。感涙。声もちゃんと出ていたし、御年68歳(推定)とは思えない程エネルギッシュだった。
3.Beggar's Farm*
4.Eurology*
5.With You There to Help Me*
6.In the Grip of Stronger Stuff*
ここまでは初期の曲とイアン・アンダーソンのソロ・アルバムからの曲が交互に演奏された。「Beggar's Farm」「With You There to Help Me」の2曲は名曲として名高い曲ということで、実際素晴らしい歌と演奏が聴けた。「Eurology」はギディングスがアコーディオンを演奏した牧歌的なようなエスニックなような不思議な曲、「In the Grip of Stronger Stuff」はとてもクラシカルな雰囲気で、どちらもナイスなインスト曲だった。
7.Hunt by Numbers*
8.Weathercock*
「Hunt by Numbers」は現時点での最新作『Jethro Tull Dot Com』の曲でギターのリフが印象的。「Weathercock」は元々『逞しい馬』の収録曲だが、2003年に出た企画アルバム『Jethro Tull Christma Album』でリメイクされた曲、とアンダーソンが言ってた(笑) あれ、バレがマンドリンを弾いたのはどっちだっけ?(笑)
9.Bouree
10.Cheap Day Return
11.Mother Goose
お馴染みの「Bouree」はやはりウケがいい。そして『アクアラング』からアコースティックな曲を2曲。「Mother Goose」は、この日一番の聴き物だったと個人的には思う。バレとギディングスによるリコーダーが良かった(笑)
12.Morris Minus*
アンダーソン抜きのインスト。ちょっとフュージョンぽい雰囲気の曲。マーティン・バレ絶好調。
13.Songs from the Wood
14.Too Old to Rock'n'Roll:Too Young to Die
15.Heavy Horses
70年代の曲をやるよ、とアンダーソンが曲を紹介すると、どっと歓声が沸き起こる。やはり、この時期のタルが一番人気あったんだな。で、この3曲はメドレーで演奏された。「Songs From The Wood」のイントロをアカペラで再現しなかったのは、ちと残念。ただ、この曲に関しては、申し訳ないが1978年のライブ盤『バースティング・アウト』での演奏の方が凄い。この日の演奏は、手堅くまとまり過ぎという気がした。
16.Pavane*
17.Farm on the Freeway
18.Budapest
19.Aqualung
またもや、クリスマスアルバムの曲を挟んで、『クレスト・オブ・ア・ネイブ』の曲が2曲も演奏されたのは、これまた意外。実に重厚で格調高い、素晴らしい演奏だった。この辺も今回のベストかな。ちなみに、『クレスト~』からの曲を演奏する時は、あのグラミーのヘビーメタル部門受賞のネタを披露するのがお約束なのか、今回も喋ってた(笑)
そして、これは絶対はずせない名曲「アクアラング」。観客は大喜び、盛り上がったなぁ。余談だけど、この曲のドラムは、ヘビーなノリを出そうとするのか、ドラマチックに盛り上げようとするのかで、プレイに違いが出る。ペリーは前者の方だった。多分、僕だったら後者だなぁ、とふと考えてしまった(笑) 別にどちらが良い、というのではありませんので。
そして、ここでライブは一旦終わり。
(encore)
20.Wind Up
21.Locomotive Breath
22.Protect and Survive*
23.Cheerio
またしても『アクアラング』から2曲。これで計5曲だ。翌日の追加公演は『アクアラング』全曲演奏が目玉と聞いてるが、これだけやってしまっていいのだろうか(笑) でも、「Wind Up」は素晴らしかった。「Locomotive Breath」は、人気曲でありライブには欠かせないのだが、正直言うとそんなにいい曲とは思えないのだけど(笑)やはり、盛り上がるなぁ。ライブでやってこそ映える曲という気がした。
そして、インスト曲を演奏し始めると、舞台袖から巨大な風船が2個登場。客席に投げられ、観客席を行ったり来たり。僕も触りたかったなぁ(笑) ひとつはすぐに割れてしまったが、もうひとつはタルのメンバーが演奏を終え、ステージ前方に勢揃いして客席に挨拶するまでずっと観客席で飛び跳ねていた。そして、メンバーたちが引っ込み、場内が明るくなっても客席で跳ねる風船を僕はずっと眺めていたのだった。最後には割れちゃったけどね。
とまあ、こんな感じでジェスロ・タルのライブは終わったのだった。実に素晴らしい、そんな感想しか言えない自分が情けない。それくらい良かったです。何より、アンダーソンが元気だったのが嬉しいし、バレも実に素晴らしいプレイを随所で披露した。この人あってこそのジェスロ・タル、という事を再認識しましたよ。アンダーソンも分かってるんだろうけどね(笑) 他のメンバーも、残念ながら名前知らない人たちだったけど(ベースのノイスはかなり若そう)、さすがアンダーソンに見込まれただけあって、実に腕達者だ。演出らしい演出は何もなかったけど、5人による演奏の密度だけで観客を酔わせた2時間でした。さすがベテラン、伊達に40年近くもやってないね。
後で、タルのファンサイト等を覗いてみると、今回はまぁまぁかな、ってな評が多いようだったけど、何度も見てる人からするとそう感じたのだろうか。初めて見た僕にとっては最高!のライブだったけど。
セットリストについては、僕の知らない曲がかなりあったので(*の曲です)、それは調べて掲載しました。ま、間違いはないでしょう(笑) 見て頂いてもお分かりのように、いわゆるベスト盤的なセットリストになっていない所に、タルがまだ懐メロバンドではない事が窺える。本人たちもバリバリの現役のつもりだろう(笑) 実際そうなんだから、これからも頑張って欲しい。個人的には「Cross-Eyed Mary」「Hunting Girl」「Thick As A Brick」が聴けなかったのは非常に残念だったので、また来日して次はここいらの曲も聴かせて欲しいもの。
いやいやとにかく、素晴らしいの一言、感動して家路についた僕でした。前日の上司の意地悪も忘れてあげよう、と思うくらい幸せな気分だったです(爆)
という訳で、簡単なレポートでゴメンナサイ(笑)
最後にもう一言、
ジェスロ・タル、最高!