おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
私は『感情を整えるアドラーの教え』(大和書房だいわぶんこ、680円+税)や「感情のコントロール法セミナー」などでアドラー心理学の立場から、怒りの感情には「目的」があり、それは次の4つであることを伝えています。
(1)相手を支配すること
(2)主導権争いで優位に立つこと
(3)権利擁護
(4)正義感の発揮
さらには、アドラー心理学では「【怒り】の感情を使う」という表現を用い、感情を制御不能なマグマのように捉えず、ある状況で、特定の相手役に対して、上の4つの目的のどれからの目的で使うことがある、とみなしています。
先日『エッセンシャル思考』(かんき出版)の著者の『エフォートレス思考』(グレッグ・マキューン著、高橋璃子訳、かんき出版、1,600円+税)を読んでいたら、アドラー心理学に近い、別のかたちの表現に出合い、ビックリしました。
ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授の「人は商品やサービスをただ購入するのではなく、特定のジョブを達成するために『雇用』しているのだ」という考え方をもとに、著者は「怒りの感情を雇用する目的」を着想しているのです。
「この怒りを何の仕事の目的のために雇用したのか?」を問いかけ、次のような目的を考えてみることを勧めているのです。
・満たされないニーズを満たすため
・自分が優位に立ちたいため
・他人の関心を引くため
・自分を守るため
さらには、このような目的から発想すれば、怒りの感情を雇用し続けないで解雇してしまうことについて、このように書いているのです。
「ネガティブな感情を雇うときはきわめて慎重になろう。そして、用事が済んだらとっとと解雇した方がいい」
いかがですか?
まるでアドラー心理学ではないですか?
ここで私の学際的なイノベーション発想(ある学問と別の学問を結びつけ、新たな発想を生み出すこと)の出番です。
著者は経営学者のクレイトン・クリステンセン教授の説を心理学と結ぶ付けているのです。
このようにある学問と別の学問を結びつけると、発想のイノベーションが起きてきます。
岸見一郎さんはギリシア哲学とアドラー心理学を結びつけて『嫌われる勇気』を書きました。
私は学生時代から経営学を学んできているので、その考えで心理学に触れると、いろいろとひらめいてきて、そのことで間もなく65冊目の本が出せるようになるのです。
アドラー心理学は、そのことに最適な心理学でもあります。
心理学を専門に学んできていない人たちこそヒューマン・ギルドでアドラー心理学を学んでください。
あなたの中にイノベーションが起きます。
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