おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(11月29日)は、会社に行かずに家で仕事をしていました。
主な仕事は、来年に出版する監修本のチェックでした。
昨日のブログの「よりによっての幸福論:武者小路実篤の言葉を添えて」は、多くの方々にご関心をいただきました。
フェイスブックでは 古瀬 道江さん からは
「よりによって」という言葉を目にしたとき、そうか、よりによってって、「選りに選って」なんだ!!と気づきました。
というコメントをいただきました。
確かにそのとおりで、「選りに選って」を『広辞苑』で引くと、「ほかにもっと適当なものがあると思われるのに、わざわざそれを選ぶ」とありました。
私たちが「わざわざ選んだもの」の中に充実感・幸福感を味わえるものがあるのですね。
このブログの読者にも、外部からの環境要因があるとしても、あることを「わざわざ選んだ」ということはありませんか?
・学校などの進路
・職業/仕事
・伴侶/友人
・土地/住居
・研修/書物
・その他
ところで、「わざわざ選んだもの」は、私たちのキャリアで多く語られることがあります。
その点は、スタンフォード大学のジョン・D.・クランボルツ教授が1999年に提唱したキャリア論の「プランド・ハプンスタンス(Planned Happenstance)」(計画された偶然性)で有名です。
クランボルツが成功したビジネスパーソン数百人を調査したところ「個人のキャリアの8割は予期せぬ出来事によってもたらされている」とし、そのことに最善を尽くし対応することを積み重ねることで形成されるというもので、その予期しない出来事をただ待つだけでなく、自ら創り出せるように積極的に行動したり、周囲の出来事に神経を研ぎ澄ませたりして、偶然を意図的・計画的にステップアップの機会へと変えていくべきだというのが同理論の中心となる考え方です。
これを実践するために必要な行動指針として、クランボルツは次の5つを掲げています。
(1)「好奇心」―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
(2)「持続性」―― 失敗に屈せず、努力し続けること
(3)「楽観性」―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
(4)「柔軟性」―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
(5)「冒険心」―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
以上をもとにすると、私たちは長期的な視点に立って方向を定めているというよりも、多くの予期せぬ出来事に遭遇したときに、好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心をもとに、自分なりに対応策をわざわざ選ぶことによって、現在の境遇を創り出していることになります。
それこそが「私たちは自分で人生を作っていかなければならない。・・・私たちは自分自身の行動の主人公である」(『人生の意味の心理学 上』)というアドラーの言葉を裏づけるものになります。
<お目休めコーナー>11月の花(28)
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