4月になりましたね!
私は相変わらず、自宅で療養中です。
ヘルニアの手術をしない選択をしたことで、体の負担は少なくなりましたが
多くの方に迷惑(主に職場)をかけてしまっているのが心苦しいところ・・・。
さて、突然ですが、
「学び支援の会」では4月からメールマガジンがスタートします。(4月10日~15日ごろ発行します)
シンポジウムでもお話したように、
先生同士がつながれる場として、
少しでもお互いの情報や指導のアイデア、
生徒の情報などをシェアできればと思います。
いろんな先生方の実践レポートや、生徒の情報なども
盛り込んでいきたいと思っています。
申し込みは、HPからのみになりますので、関心のある方は
お手数ですがそちらからお申し込みよろしくお願いします。
HP: http://www.manabishien-english.jp/
ではここで、
メルマガ第1号の内容を少しご紹介。
○ 「シンポジウムの講師の先生への質問大募集」では、
「これ聞きたい」という質問に、
分科会の、齋藤先生、三木先生、椎名先生が回答してくれるという企画!
あのとき、「質疑応答の時間少なすぎ!」と思った方、
ぜひこの機会にどうぞ。
○ 指導実践レポート 第一回目は、大阪のF.A.先生の生徒さんです。
「この子がどうしてこれができないのかわからない」という悩みから、
指導の意識を変え、生徒さんが変化していく様子がレポートされています。
そして、私もせっかくだから一つ書きましたので、
ここでご紹介させて下さい。
(メルマガと同じ内容のものです)
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「母国語と外国語習得の関係」
英語指導をする側にとって、「初めて英語を勉強します!」と教室にやってくる子どもさんは、一見、まっさらな状態であるように思えます。
そして、クラスのみんなと同じ教材を用いて、同じように宿題を出し、レッスンを公平に進めるのですが、
なぜか生徒の理解度や表現力がバラバラ、中には全くついて来られなくなる子もいます。
それは、なぜだろうかと多くの先生が首をひねります。
宿題をしないから?
親が手伝わないから?
それとも、英語のセンスがない?
国内外の外国語教師や言語学者も、
目標言語の指導アプローチや方法について研究を重ね、
オーラル・アプローチ、コミュニカティブ・アプローチ、ナチュラルアプローチなど、
言語の構造や使い方を身につける指導法が編み出されました。
1990年ごろには学ぶ側、学習者の個人差についてより関心が向くようになりました。
なぜなら、同じアプローチや指導法を用いているのに、
「できない子とできる子の差がある」ことが明確になってきたからです。
(これを読まれている先生や保護者の方にも、「そうそう」と思い当たることがありませんか?)
「なぜこの子ができる・できないのか」、
その差を引き起こしている要因として、
不安(anxiety)、学習方略(ストラテジー)、学習スタイルなどが提案されました。
さて同じ1990年ごろから、あまり知られていないのですが、
発達障害の専門家(Sparks、Ganschow)が主張していた説があります。
彼らは大学の心理学者で、当時、外国語の必須科目を取得できない学生たちが学習障害(LD)の診断のために、しばしば彼らの元に送られてきました。
アメリカの多くの大学では外国語は卒業に必須だったため、
単位が取れないと卒業できませんでした。
もし一般的にLD学生にとって、外国語習得が困難であるとしたら、
学校は特別な措置(例えば履修免除など)をとる準備をしなければなりません。
そのため、「LD学生は、外国語学習が困難(不可能)なのか」について研究を始めました。
そして彼らが20年間以上主張しているのが、
「LDであるかないかは、外国語の習得に関係がない、むしろ、母国語の言語を操る能力が、外国語学習の適性を決定する」
という説です。
なかでも、音韻認識、文法、語用に加えて短期記憶の影響が指摘されました。
とくに音韻認識の弱さが、
LD生や、LDという診断はないけれども外国語履修に失敗した学生に見られる共通点であると主張しています。
音がちゃんと聞き取れないと、どういうところに問題が現れるでしょうか。
まず小さい頃であれば、言い間違いが多いな、と感じることでしょう。
よく似た音、「で」と「れ」や、「だ」と「ら」などで混乱が見られるかもしれません。
それが、長じては、読み書きの間違いへとつながっていく可能性があります。
英語は日本語よりも小さい音の単位=“音素”を聞き分ける力が必要です。
もとからハードルの高いところに加え、
もし聞き分ける力がもともと弱いとすれば、日本語ではそれほど表面化しなかった問題も、英語学習の際に深刻になるケースも多いのではないでしょうか。
また、文字と音を結びつける力が弱いことも、学習障害に多く見られる特徴です。
アルファベットは、ひらがなとは違い、一文字一音のルールが当てはまりません。
となれば、日本人が英語を学ぶ際には、
よりしっかりとそれぞれの音を区別できるよう心がけ、
アルファベットの形—音—名前を結びつけるような活動を多く取り入れることで、
潜在的な学習障害、あるいは外国語学習につまずく子供たちの出現を減らすことができるでしょう。
音素を意識した指導には、フォニックスを使った多感覚学習法などがあげられます。
文字や音があやふやな学習者に、
単語や文をたくさん書かせたりするような指導の前に、
「英語の音を認識・再生できるようになる指導」が当たり前になると、
英語習得はもっと早くなるのではないか、と感じています。
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メルマガは、がんばって月1回。
体力もあまりないし、仕事は5月から忙しくなるので、
このブログと同じくらい不定期になるかもしれませんが、
「お知り合いが増えるわ」くらいの感覚で、参加して下さればと思います。
また、
生徒さんの情報や、指導レポートを書いて下さる方は随時募集しています。
昨年支援学級で難聴の子とADHDの子の英語を受け持ちました。
特別支援学級の英語は、周りの方々の支えがありなんとか支援できたというところでした。
将来に関わる子どものためにも、こちらで勉強させていただきます。
ところでとても納得できわかりやすい文章ですね。読みやすくて大好きです。
どうぞよろしくお願いします。