一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1915  春霞沖行く船のエンジン音   海人

2018年02月28日 | 

(はるがすみ おきゆくふねの エンジンおん) 

  立春からひと月近く経った。寒さも峠を越え、梅が見ごろを迎えた。こうなると、大気の水分やPM2.5などの塵が増えて視界がぼやけるのが「霞」である。

 気象観測では、視界一キロ未満を「霧」、一キロ以上を「靄」というが、古来強い秋の「霧」に対して、やや弱いのが春の「霞」である。又、昼の「霞」に対して、同じ現象でも夜は「朧」である。

 さてこの句、沖ゆく船の見えるか見えないかの曖昧な視覚に対して、エンジン音だけが鮮明に聞こえている。この視覚と聴覚の食い違いが面白い。

白梅


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