一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1941   午前九時コーヒー新聞赤とんぼ   豊春

2018年05月17日 | 岩戸句会 第五句集「何」

 毎朝、NHKの朝ドラを見ながら朝食をとり、片付けを済ませたあと、二階の自分の部屋へ、揚句のような時を過ごしております。

「毎日何をしているの?」

「テレビばかり見ていてはだめよ」

と言われますが、これでもなかなか忙しく、ボーとしていることは余りありません。

 深夜放送だったと思いますが、「歳をとったらキョウヨウとキョウイクが大事」という言葉を聞きました。キョウヨウは教養ではありません。「今日の用事」です。キョウイクは教育ではなく「今日行くところ」です。この言葉を自分に言い聞かせて生活しております。

 新聞を隅から隅までじっくりと読んだ後は、毎月最終土曜日の「岩戸句会」に提出する俳句を考えます。そうこうするうちに、お昼の準備(妻は殆んど出かけて留守)、昼食、片付け、そしてお昼寝。目覚後は、お天気ならば自然農法の家庭菜園の畑仕事、読書(主に小説)、夕方にはノルディックウオーキングによる散歩一時間。とざっとこんな具合いであります。 

寒林をけものの如く突き進む

寒林を透けて現る大甍

春めくや水面に挑む二羽の鳶

初島の灯影煌めく実朝忌

夕東風や利島新島近寄りぬ

 

五ミリほど蓬の芽にも葉の形

仄暗き露地に散り敷く紅椿

竹の秋霧雨烟る無職かな

鵜篝の照らす水面や翁の目

瘦せ裸十針くっきり手術痕

 

只管に壁よじ登る毛虫かな

車内みなケイタイ覗く夏の昼

炎昼や読経野太き尼導師

送り火や赤き脚爪うずくまる

畑隅の自ずと生れし唐辛子

 

遊石氏夜露言祝ぎ旅立ちぬ

秋の蝶雲の流れに乗りにけり

秋麗喪服きりりと若き嫁

秋の日や虎猫眠るボンネット

秋時雨伊豆の山々鎮まれり

 

海辺よりビルの重なる秋の空

尖塔の鴉一声冬来る

冬服の電車に混じる半ズボン

寝床にてラジオ体操今朝の冬

野良猫の抜け道示す石蕗の花

(岩戸句会第五句集「何」より 関谷豊春)


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