卯の花ややさしき人はやさしく老い 洋子
山法師逢う日逢わぬ日逢えない日
山法師ほらアクリル絵の具の白 美部
山法師子等が投げ合う手裏剣
静けさの八十八夜更けゆきぬ イヨ
さざなみの水田すいすい二羽の鳥 〃
さみどりが日毎に白し山法師 海人
葉には葉の木には木の色雨蛙
汗一斗田植え上がりの冷一合 裕
風薫るテラスの隅の豆の蔓
母の日や母のははにも花届く 沙会
ふっくらと米に笑窪のグリーンピース 〃
大輪のアマリリス我が庭を占め 歩智
湯の町を揺らし手筒の花火かな
感覚を全開にして風薫る さくら
蚕豆や深窓育ちの姉妹のごと 〃
夏めくやビル先端に鷺が立つ 鞠
里山のパン屋に並ぶ麦の秋 〃
山法師夢は下天のごとしなり 炎火
海を裂く夕日の道にヨットかな
薫風や一人遊びの磯鵯 雲水
濃紺を極めてあやめ開きけり
ナルコユリ(鳴子百合)