一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2978  深秋や耐心とだけ亡母の文  おぼこ

2022年11月28日 | 

(しんしゅうや たいしんとだけ ははのふみ)

 冬がそこまで来ている晩秋の頃、外では木枯が吹き枯葉が舞っている。既に家族も寝入ったのであろう。ようやく一人の時間が訪れた。久し振りに押し入れから文箱を出し、蓋を開ける。亡き母の歳に近づいた作者。結婚したての作者に宛てた亡き母の手紙を開く。唯々娘の幸せを願う母の手紙を読む。何度も何度も読んだのであろう。涙の染みがあるかもしれない。

そこには、「耐心」としか書かれていない。

 「耐心」を広辞苑で調べると、載っていない。つまり、あくまで中国語のようである。辛抱強さ、根気良さをいうらしい。よく私達が使う「忍耐」に意味が近いと思うが、「耐心」の方がはるかに優れた言葉だ。

日本に「耐心」という言葉が定着しなかった理由を問いたい。

 

キチジョウソウ(吉祥草)、キチジョウラン(吉祥蘭)、カンノウソウ(観音草)とも


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