一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

742  朝鵙や昨日という日かげもなし   翔

2012年10月24日 | 

(あさもずや/ きのうというひ / かげもなし)

「かげ」には、影・陰・蔭・翳・景などの漢字がある。物に光が当たってできる「影・陰」が普通の解釈だが、全く逆の日・月・星・灯火・篝火などの光を言う。例えば、月影、星影は、月や星の光そのものを言うからややこしい。

 だから、この句の「かげ」がひらがなになっているのは、日の当たらなかった昨日はないが、日の当たった昨日さえ「も」ない、という意味になる。

 作者の脳裡から、表裏すべての昨日が剥落してしまった、というのだ。勿論その理由は今朝、百舌鳥(鵙)が鋭く鳴いているからに他ならない。

キンミズヒキ(金水引)  バラ科の多年草


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