一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

3011  猛暑日の真夜中に聞く蝉時雨    流水 

2023年09月19日 | 

 この句の作者は、昼の猛暑と熱帯夜によって気がおかしくなり、幻聴によって蝉時雨を聞いたのではないだろうか。真夜中に蝉が寝ぼけたようにジジッと鳴く声はよく聞くが、深夜の蝉時雨など聞いたことがない。

 ところが作者に聞くと、「気がふれたわけではなく、事実です。都会では深夜なお明かるく、蝉の合唱が続いていた」という。本当だろうか。

 作者が正気だったか狂気だったか、どちらを選ぶか。鑑賞者の私としては、狂気を選ぶ。何故ならその方が面白いからだ。作者にとっては実に失礼な話であり、私としては実に無責任な選択である。

 さて、蛇足ですが、昭和24年、旧漢字の「氣」は当用漢字ではなくなり、「気」が当用漢字になりました。「氣」は八方に広がる字であり、「気」は真逆の内向する字である。国語審議会が何故変えたのか、不思議でならない。

ウド(独活)の花

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