一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2215  弥次郎兵衛今日は梅雨入か真夏日か  歩智

2021年07月04日 | 

(やじろべえ きょうはついりか まなつびか)

「弥次郎兵衛」とは、振り分け荷物を棒の先に吊るして肩に担いで運ぶ、十返舎一九の東海道中膝栗毛の登場人物の弥次郎兵衛に由来する。最近はあまり見ないが、多くは人物を象っており、しばしばドングリと竹ヒゴを使って作られ、支点は足、左右のバランスをとる部分は腕である。ヤジロベエ全体の重心が、支点(中心)よりも下にあるため、ヤジロベエは安定的に立つことができる。

 さて作者は、今日は梅雨入りか、はた又真夏日か、と問うているが、梅雨入りなのか、真夏日なのか、それとも両方なのか、それとも両方そうでないのか、弥次郎兵衛の斡旋によって、作者が判断できない状況にあることを示している。結局、テレビや新聞の天気予報士に問うているのかもしれない。

ヤブカンゾウ(藪萱草)


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