(あさもずや/ きのうというひ / かげもなし)
「かげ」には、影・陰・蔭・翳・景などの漢字がある。物に光が当たってできる「影・陰」が普通の解釈だが、全く逆の日・月・星・灯火・篝火などの光を言う。例えば、月影、星影は、月や星の光そのものを言うからややこしい。
だから、この句の「かげ」がひらがなになっているのは、日の当たらなかった昨日はないが、日の当たった昨日さえ「も」ない、という意味になる。
作者の脳裡から、表裏すべての昨日が剥落してしまった、というのだ。勿論その理由は今朝、百舌鳥(鵙)が鋭く鳴いているからに他ならない。
キンミズヒキ(金水引) バラ科の多年草