To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

1Q84 村上春樹

2009-10-07 00:02:23 | 読書
母が購入したので、借りてきて読みました。
村上春樹は「ノルウェイの森」しか読んでいません。
もう20年も前になるのか・・・あらためて読み直してみましょうか。

 

表紙を開くと「ペーパー・ムーン」です。懐かしい。。

  It's a Barnum and Balley world
  Just as Phony as it can be
  But it wouldn't be make believe
  If you believed in me

  ここは見せ物の世界
  何から何までつくりもの
  でも私を信じてくれたなら
  すべてが本物になる

映画「ペーパー・ムーン」の劇中歌として知ったのですが、元々は1935年の流行歌 "It's Only a Paper Moon"
(イッツ・オンリー・ペーパー・ムーン)だったのですね。
実の父娘であるライアン・オニールとテイタム・オニールの共演が話題になりました。
確か、聖書を売り歩く詐欺師の話。
詳しいストーリーは思い出せないけれど、不思議とメロディは良く覚えています。
で、この歌詞が小説の内容と関係があるのでしょうか。

BOOK1は、刺激的で好奇心をそそられる内容。面白くてダァーと読み終えました。
だけど村上春樹って、こんなにエロい?と驚きつつね。

主人公は二人 青豆(名前かと思ったら姓でした。女性)と天吾(男性)の物語が交互に描かれています。

青豆の表の顔は、スポーツクラブのインストラクター。
会員の評判も上々、プロポーション抜群な個性的美人。
その一方で、人殺しを請け負う。
殺人の痕跡を一切残さずに、人を殺すことが出来る特殊技術の持ち主。

天吾は、予備校で数学を教えながら小説家を目指している。
親しい雑誌編集者に依頼され、17歳の少女(ふかえり)が書いた小説「空気さなぎ」の書き直しをする。
その小説が新人賞を受賞し、天吾の人生も思わぬ方向へと進み始める。

初めのうちは二人に接点は無いように思えたが、運命に導かれるように近づいていき、やがて必然のごとく交差する。
そして最後は多くの謎がばらまかれたまま、BOOK2が終わってしまいました。

「リトル・ピープル」「空気さなぎ」「パシヴァ、レシヴァ」
どうして、ふかえりは天吾をレシヴァにしたのだろうか?
リトルピープルのいる世界がイヤで逃げ出して来たのではなかったのか。
いえいえ、あの時のふかえりは本物・・・ドータ?
青豆は犬死だったか?そうだったら悲しすぎる。

青豆の章は、天吾の創作のようにも思えてきた。
もう全く訳が分からず、手に負えない。
読み進むに連れて、どんどん現実感が希薄になっていく。
それもそのはず、空には月が二つ浮かんでいる世界の話なのだから。

月が二つある1Q84年は、1984年のパラレルワールドではない。
1984年から発生している世界なので、元の1984年に戻ることは出来ない。
でも一つの月しか見えない者には、疑問の余地もなく紛れもない1984年。
同じ次元にいるのに、月が二つ見える人間と一つしか見えない人間がいるのはどういう訳?
そもそも本当に二つあるのか、無いものを有ると錯覚しているのか、本当は無くても有ると認識できれば有ることになるのだろうか。
で、ペーパームーン・・・・・・

おかしなことばかり書いているけれど、読み進むに連れて理解を超えた事柄ばかりになり、どう捉えたら良いのか分からないまま放り出されてしまったのだから仕方がない。

続編があるよね、これでオシマイでは、あまりに不親切だよ。
そうなると気になるのが、本の中で度々使われていたこのフレーズ。

“説明しなくてはわからないということは、説明してもわからないということだ。”

そう言われちゃったら、 もう引き下がるしかない。

しかし、何の解決も見られず、頭の中はモヤモヤでお手上げ状態なのに、それが嫌じゃないという不思議さ!!
まんまと村上ワールドにハマっちゃったかもね。

来年の初夏には Book3が刊行予定 というので、安心しました。
村上春樹がノーベル文学賞を受賞するか?!との話も出ていますね。8日午後8時に発表されるらしいです。