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新燃岳噴火 噴煙8000m! 登山道は開放したまま?

2018-04-05 21:11:22 | 山・火山

今回は山は山でも火山の話題、今日未明に噴火した新燃岳について少々。気象庁によれば、5日3時31分新燃岳で爆発的噴火(気象庁でいう空振を伴う噴火、火山学的にはブルカノ式噴火)が発生し、噴煙は火口上5000mまで上昇、大きな噴石は火口から1.1kmまで飛んだ。その直後、同3時45分には2回目の噴火が発生し、噴煙は2500mで雲の中へ。噴煙量は2回目の噴火のほうが多く、高原町や小林市などで多量の火山灰が降った。一方、東京航空路火山灰情報センタ(VAAC)のほうは、今日の噴煙の高さをFL330(約10Km)としている。新燃岳の標高は1421mだから、こちらだと8000m以上は上がったことになる。どちらが正しいのか。

(と思っていたら)先程、気象庁が午後8時に解説情報を発表。2回目の噴火について「噴煙高度を精査した結果、気象衛星データの解析により火口縁上約8000mまで上がった」と。つまり、噴煙の高さは8000mだったと修正したのだ。(このあとNHKが報道)

新燃岳の噴火活動がはじまったのは、先月3月1日(2017年10月17日以来)。その後も灰噴火が続き、3月6日には爆発的噴火が7年ぶりに発生した(2011年3月1日以来)。火口内には溶岩が確認され、9日には北西側の火口縁を越えて流出した。さらに、10日1時45分の爆発的噴火では噴煙が火口から4500mの高さまで上がり、大きな噴石が火口から1.8km飛んだ。そのため、気象庁は新燃岳の警戒範囲を3kmから4kmに拡大した。ところが、その後は活動が低下傾向にあるとして、ふたたび警戒範囲を3kmに縮小した。おまけに御鉢も噴火警戒レベル1に引き下げてしまった。それで霧島山登山道の一部が開放されたわけだが。(下噴火図参照)

気がかりなのは、先月末に規制解除された高千穂峰への登山道。3月28日には鹿児島県が高千穂河原からのルート、同29日には宮崎県が霧島東神社と夢ヶ丘登山口からのルート、4月1日には高原町が皇子原公園からのルートを解除した。鹿大井村准教授によると(昨夜、先生とツイッターでやりとりしたところ)、高原町の解除が遅れたのは、登山届のシステムに時間をかけたためとのことだった。高原町は2011年の噴火で多くの被害があったところだけに、解除には慎重な姿勢だったとみられる。高千穂峰への登山道は、警戒範囲が4Kmに拡大されれば規制がかかる。しかし、今のところその動きはない。(下登山規制図参照)

山行記録共有サイト「ヤマレコ」を見てみると、規制解除後に高千穂峰へ登った人は数名。中には新燃岳の噴煙を見て危険を感じ、下山した人もいる。今日の噴火では大きな噴石が1.1Km飛んだ。小さな噴石だとさらに遠くまで飛んでいるだろう。登山道の飛散の可能性も十分ありうる。もしも昼間に噴火が起きていれば、それこそどうなっていたかしれない。御嶽山や草津白根山の教訓はどこにあるのだろうか。自然は人間の思うようにはならない。だから規制は必要だと思うのだが、二度と死者を出さないためにも。

 

 

1回目の噴火から2回目の噴火まで(画像は気象庁監視カメラより)

 

このあと2回目の噴火がはじまる

 

噴煙は2500mで雲の中へ このあと8000mに達する

 

こちらは噴火直前の様子 穏やかな状態からいきなり噴火(一番上の写真へ) 

 

 

さかのぼること3時間半(午前0時ごろ)、噴気は多かった

 

 

 

2011年の噴火から今回の噴火まで(鹿児島大井村准教授のツイッターより)

 2011年と違うのは、準プリニー式噴火が起きないうちに溶岩が流出したこと(井村准教授) このまま終息するか、、

 

 

 

霧島山の登山道規制図(4月4日更新)宮崎県HPより

規制が解除された登山道(緑色)は規制範囲3Kmのすぐ外、本当に大丈夫? (こちらは新燃岳噴火警戒レベル判定基準表) 

 

 

 

8000m!(宮崎日日新聞4月6日付朝刊より)  

   

 

《関連記事》

霧島・高千穂河原で夏山開き 登山者の安全願う(南日本新聞2018.4.10) ※とうとう山開き、、(4.11更新)

新燃岳噴煙8000メートル 11日ぶり爆発(宮崎日日新聞2018.4.6)

新燃岳の噴煙 8000mまで上昇か 一連の活動で最高(NHKニュース2018.4.5) 

噴煙5000m 新燃岳で爆発的噴火 大きな噴石や火砕流に警戒( NHKニュース2018.4.5)

新燃岳 噴煙の高さ 最高5000メートル (MBCニュース2018.4.5)

 

《参考資料》

気象庁。火山に関する情報の発表状況

東京航空路火山灰情報センタ(VAAC)

宮崎県HP。霧島山(新燃岳)の警戒範囲縮小及び御鉢の噴火警戒レベル引下げに伴う規制等の変更について 

 



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