yamanba's blog

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独裁極まる福岡・高島市政

2017-04-01 16:55:25 | 福岡空港

山口から帰福してみると、福岡市議会と高島市長の対立がさらに激化、というか高島市長の独裁性がますます強まっていた。福岡市議会は3月28日の本会議で、自民党が提案(市民クラブが一部修正)した福岡空港の新運営会社に出資を求める条例案を賛成多数で可決した。これに対し、出資に反対している高島市長は、対抗措置として議決をやり直す「再議」を表明した。議案の再可決には出席議員の3分の2以上の賛成が必要で、満たない場合は廃案になる。このため定例会は4月12日まで延長され、条例案は最終日(12日)に再議決されることとなった。福岡市議会で再議が行われるのは61年ぶりだという。

そもそも出資するしない以前に、市民や議会を無視し、独断で出資しないことを決め、いきなり2月議会に「福岡空港未来基金条例案」を提出した高島市長の姿勢に大きな問題があるのは言うまでもない。これまでの流れを時系列でみると、福岡市は2014年11月26日、福岡県知事と福岡市長の連名で「福岡空港の民間委託について意見」を国交省に提出している。「意見」には民営化の条件を付しており、本来ならばこの時点で議会に諮って、議論がはじめられるべきだった。ところが、福岡市は15年後半から港湾空港局の内部だけで協議をはじめ、16年5月30日、同局で出資しない方針を決定した。その後、一度だけ自民党との間で勉強会を開いているが、他会派には全く知らせていない。異常な状態のまま、昨年10月3日、突然、高島市長が出資しない方針を発表したのだ。メディアは一斉にこれを報じ、市民の知るところとなったが、議会への報告はそれから10日後のことだった。出資しないことを前提とした市の条例案を議会が否決したのも無理はない。それでもなお、聞く耳を持たない高島市長。議会を無視した挙句の「再議」に道理などあるはずもないだろう。

高島市長は先月30日、ブログで「報道で見ても何がポイントなのか解りにくいと思うので、私なりに噛み砕いてみますね」と得意のQ&Aスタイルで(これが曲者なのだが)空港問題を取り上げている。「私はこの新会社に福岡市が何億円、何十億円という貴重な税金をつぎ込む必要はなく、むしろ子どもや教育のような市民に密着した課題に使うべきと思っています」と子供にかこつけ市民の賛同を得ようとしている。しかし、実際には公立保育所を減らし、公立幼稚園を全廃するなど子供に関する施策は後向き。また新年度の教育予算は最低水準。全くどの口が言うのかと言いたくなる。さらに最後には、「再議といって、もう一度議会で採決をします。一人でも考えを改めて頂ければ結果は変わります。皆さんが投票した市議会議員さんはどういう動きをしていますか?」と市民に呼びかけつつ議員に圧力をかけている。まさに独裁市政、ここに極まり。

 

《追記 2017.4.7

来週の再議決に向けて、高島市長の議員への弾圧がエスカレートしている。HUNTERによると、市幹部や市長側近が自民党市議本人や後援会関係者に露骨な圧力をかけているという。それでなのか、昨日、突如、自民党橋田市議が退会届を提出、出資に反対することを表明した。これで自民党出資条例案の可決は難しい状況になった。福岡市議会の定数は62。可決ラインは全員出席の場合は42。(3月28日同様、2議員が棄権した場合は40)つまり、この1票ですべてが決まる。現在、橋田市議に退会を思いとどまるよう自民党の説得が続いているが、果たしてどうなるのか。それにしても、高島市長。自分のメンツのために権力を乱用するとは、一体どこまで独裁なのか。

運営権売却めぐり市議が退会届(NHK福岡 2017.4.6)

 

 

記者団から質問を受ける高島市長 (写真:高島市長公式ブログより)

 

 

《関連記事》

福岡市長「再議」を表明 空港出資条例案 議会可決に異議(西日本新聞 2017.3.29)

福岡空港出資問題、閉ざされていた議論~担当局のみの検討(NETIB-NEWS 2017.3.16)

《関連資料》

福岡市議会HP