【１１１０/１７２：汚職事件】大津市また“ずさん管理”/元職員税横領 「意識に緩み」幹部陳謝

　大津市の市・県民税横領事件で１０月１９日、大津署に逮捕された元納税課主査松下裕美子容疑者（４５）（懲戒免職）は誰にも疑われず、少なくとも過去５年間に約２０００万円を“我が物”にしていたことを認めた。昨年１１月にも、市民病院の元職員が８年間にわたり、自販機や公衆電話から約２６００万円分を盗んでいた事件が発覚したばかり。度重なる“ずさん管理”に、市幹部は「公金に対する意識の緩みがあった。申し訳ない」と陳謝した。（西井遼）

　大津署は同日、納税課と市民税課、松下容疑者の自宅などを捜索し、関係書類などを押収した。

　同署や市によると、松下容疑者が着服した市・県民税は、退職金を運用した信託銀行から企業年金を受け取る企業退職者からの徴収分。信託銀行からの払い出し証書を市役所内の郵便局の窓口で換金し、着服を繰り返していた。

　市民税課が出納のチェックに使う信託銀行の納入報告書も、一部が松下容疑者に渡され、同課では信託銀行から実際にどれだけ入金されるのか、確認できていなかったという。市民病院のケースでも、出納がチェックされていなかった。

　酒井素直・納税課長（５４）は「出納を１人に任せるなど問題があった。市民に還元されるべき大金で、迷惑をかけた」と話した。

（１０月２０日付け読売新聞・電子版：同日付けその他各紙も報道）

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20111019-OYT8T01190.htm
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20111020/CK2011102002000120.html