滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0811/89:海外支援】日本の家電リサイクルで、カンボジアの子どもを救う

2008-11-11 23:48:28 | Weblog

■稲枝地区から新たな支援活動
=カンボジアこどもの家の栗本さん=

 何の罪もない子どもたちが大人たちに売られていく悲惨なカンボジア社会の歪みを訴え、一人でも多くの子どもたちが大人社会の闇の犠牲にならないよう現地で支援を続けていた近江八幡市出身の栗本英世さん(57)が、このほど彦根市田原町に住居を移して日本からできる支援活動をスタートした。

 栗本さんは、近江八幡市立西中学校卒業後、上京。働きながら勉学をめざしたが、学生運動最中で、その機会を失い、海外に出た。

 1974年に台湾の大学を卒業後、神学校に進み、キリスト教宣教師となってアジア各国を巡る中で、識字教育の大切さを痛感。86年からタイに入り、教育支援NGOを設立して子どもたちの支援活動を開始した。

 96年からはカンボジアに移り、東北部の農村地で孤児を預かる「カンボジアこどもの家」を設立し、貧困で生活苦の子どもたちの世話をしながら教育支援を続けてきた。

 三年後には、タイとの国境の町ポイペットに近い農村に初めて「寺小屋」を建設。貧困や身よりのない子どもたちのための学校を開設し、現地人の指導者の育成にも力を入れた。それから十年が経ち、八千人の子どもたちが卒業した。

 長年の支援活動が、日本でも知られるようになり、たびだび帰国して大学や全国各地で講演し、日本からできる支援を求めてきた。旧八日市市民大学や市内の学校での講演にも足を運んでいる。現在は、神戸学院大学客員教授、福岡医療大学通信教授、花園大学講師を務める。

 05年には、日本での滞在を増やし彦根市にNPO法人・NGOモニティを設立したが、まもなくして病に倒れ、活動の一時休止に追い込まれた。

 治療の結果、最近になって病の進行が止まり、元気を取り戻したが、以前のように頻繁にカンボジアに帰ることにドクターストップがかかった。

 このため、日本に居ながらできる支援を模索しているなかで、まだまだ使えるのに廃棄される家電品に着目。使えるものをカンボジアに送るリサイクル活動を始めた。

 また、引っ越しの手伝いや掃除、買い物、草刈り、倉庫の整理などの作業(一時間二千円)も請負い、それで得た収入を家電品の輸送料に充てている。

 回収している家電品は、テレビ、給湯器(ガス、灯油、電気)、パソコンなどのほか、ミシン、編み機、バイクなど。ただし、冷蔵庫、テレビ等リサイクル法の対象製品は有料の引き取りとなる(小型二千円、中型三千円、大型五千円)。

 不用家電品の提供や作業の申込みは、カンボジアこどもの家リサイクルセンター代表・栗本英世さん(携帯・080―3110―7745、自宅・0749―43―7756)へ。

(11月11日付け滋賀報知新聞・電子版)

http://www.bcap.co.jp/s-hochi/08-11/n081111.html#3


【0811/88:淀川水系ダム問題】大戸川ダム反対 「地方の声、受け止める」:官房長官

2008-11-11 23:30:39 | Weblog

 河村官房長官は11月11日午前の記者会見で、4府県の知事が共同で大戸川ダム建設反対の意見を発表したことについて「国としては地方の声を受け止めなくては行政はできないわけだから、きちっと受け止めてやっていくようになる」と述べ、知事の意見を重視する考えを示した。

 河村長官は「最近、公共事業は予算削減の方向にある。地元対策や地元知事のいろんな地方の振興計画の中の位置づけだろうから、きちんと受け止める」としたうえで「詳細を承知しているわけじゃないので即断はできかねるが、地方の振興計画等も十分協議しながら進めていく課題だろうと思う」と語った。

(11月11日付け朝日新聞・電子版)

http://www.asahi.com/politics/update/1111/TKY200811110182.html

【0811/87:淀川水系ダム問題】4府県知事、大戸川ダム反対の共同意見を発表

2008-11-11 23:26:16 | Weblog
【写真:淀川水系の河川整備計画案に対して意見を表明する(手前から)橋下徹・大阪府知事、山田啓二・京都府知事、嘉田由紀子・滋賀県知事、江畑賢治・三重県副知事ら=11日午前、和歌山市、日置康夫撮影】

【写真:淀川水系の河川整備計画案に対して意見を表明する山田啓二・京都府知事(中央)、嘉田由紀子・滋賀県知事(左)、橋下徹・大阪府知事=11日午前、和歌山市、矢木隆晴撮影】

淀川水系で計画されている4ダム

 淀川水系の4ダムを含む国土交通省近畿地方整備局の河川整備計画案を巡り、大阪、京都、滋賀、三重の4府県知事は11月11日、大戸川(だい・ど・がわ)ダム(大津市)を「計画に位置づける必要はない」とする共同意見を発表した。一方で、天ケ瀬ダム再開発(京都府宇治市)と川上ダム(三重県伊賀市)は建設に同意し、丹生(にう)ダム(滋賀県余呉町)は意見を留保した。河川法に基づき、計画案にいったん盛り込まれたダム計画に知事が反対意見を表明するのは初めて。40年前から進められてきた大戸川ダム計画は、国側の見直しが迫られるのは必至で、建設は事実上、困難な情勢となった。

 河川法では、今後20~30年の事業を決める河川整備計画を国が策定する際、流域の都道府県知事の意見を聴く必要がある。整備局は6月に計画案を策定し、流域6府県に意見を照会していた。知事意見には法的拘束力はないが、多額の負担金を受け持つ府県の反対を押し切り事業を進めるのは極めて難しい。

 大阪府の橋下徹知事、京都府の山田啓二知事、滋賀県の嘉田由紀子知事、三重県の江畑賢治副知事が、午後に和歌山市内で開かれた近畿ブロック知事会議の前に、同市内で協議し合意した。

 4府県の合意事項によると、淀川水系全体のあり方は防災や環境、住民生活など多方面に影響を与えるため、地域の自治に責任を持つ首長ができる限り、「地域のことは地域で決める」ことが重要と指摘。河川整備は環境に与える影響が大きく、優先順位を明確にした上で対策を複合的に進め、とくにダムについては効果を検証して取り組む必要があるとした。

 その上で、大戸川ダムについては一定の治水効果を認めながらも、施策の優先順位を考慮すると、河川整備計画に位置づける必要はないと判断した。天ケ瀬ダム再開発により、琵琶湖水位を調整する瀬田川洗堰(あらい・ぜき)を全部閉じる頻度を減少させることができ洪水対策に有用▽川上ダムは水位低減効果が期待でき、早急に整備を図る▽丹生ダムは事業計画や事業費が明らかにされておらず意見を述べることができないとした。

 大戸川ダムを巡っては、国がダム関連事業としてダム湖に沈む県道の付け替え工事を進めているが、共同意見発表の直前、国側はダムが建設されなかった場合、整備の中止を示唆した。このため、合意事項では、大戸川ダム予定地の生活再建事業や地域振興策について、国が責務を放棄すれば公共事業に対する国民の信頼は崩れると指摘し、継続を強く求めた。

 共同意見について、京都府の山田知事は「大戸川ダムは効果が一番低く、優先順位が低いのは共通理解だった。整備局の案とは違うが、安全を目指すことでは変わらない」と述べた。大阪府の橋下知事は「我々の判断と整備局の判断、どちらが正しいとは言えないが、責任を取るのは政治家。役人は失敗しても人事異動すれば仕事ができる。覚悟はどちらにあるか」と問いかけた。滋賀県の嘉田知事は「上下流が助け合える新しい河川政策を、国の力がなくても自分たちで譲り合って作れた。地域が責任を持って川とのかかわりを生む時代になる」と話した。

(11月11日付け朝日新聞・電子版:同日付け毎日・電子版などその他各紙も報道)

http://www.asahi.com/politics/update/1111/OSK200811110014.html

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081111k0000e010071000c.html

【0811/86:淀川水系ダム問題】大戸川ダム問題で3知事と国交省整備局、全面対決の様相

2008-11-11 23:17:14 | Weblog

 大阪、京都、滋賀の3府県知事が反対方針で合意した国の大戸川(だい・ど・がわ)ダム計画について、国土交通省近畿地方整備局は11月10日、「大戸川ダムは不可欠」と改めて強調する検証結果を発表した。反発する知事側と譲らぬ整備局。ダムの必要性をめぐる議論は、麻生首相が意欲を見せる国の出先機関の統廃合論とも重なり、全面対決の様相を帯びてきた。
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 「事実を伝えただけ。これを圧力と感じるのは、相当ひがんだ物の見方だ」

 京都府が示した大戸川ダムの代替案を「確実に利用できるものではなく、計画に位置づけられない」と否定した近畿地方整備局のある幹部は、「圧力」と反発する知事側を批判した。

 既存ダムを有効活用する代替案を提案した京都府の報告書でも「一時的、緊急的な措置」とされていることを指摘し、「これが代替案になると思ったら間違いだ」と一歩も譲らない構えだ。

 木下誠也・整備局長が関連事業の滋賀県道大津信楽線の中止をちらつかせたことにも「ダム予定地の土地を売らないのに、新しい家を建ててくれというのと同じ」。整備局側は京都府や滋賀県にも同様に説明に行こうとしたが、多忙を理由に断られたという。

 幹部は「局長が説明することで、大戸川ダムをやりたいというこちらの意向も少しは理解してくれるかなという思いがあった」と認める。だが、結果的には「国の責任放棄」(嘉田由紀子・滋賀県知事)などと3府県知事の猛反発を招く事態になった。

 整備局は当初、記者会見で代替案に関する検証結果を発表する予定だったが、局内部からも「この時期に会見したらまずいんじゃないか」との意見が出て、ホームページでの公表になったという。(柳谷政人)
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 大戸川ダム問題が白熱するのは、地方分権を見据え、国の出先機関の統廃合が焦点になっているからだ。

 「地方整備局は府民、県民の直接的なコントロールを受けるところに入るべきだ」

 大阪府の橋下徹知事は10日、報道陣にこう語った。策定中の「大阪発 地方分権改革ビジョン」の素案では、整備局を「廃止・縮小すべき国の出先機関」と位置づける。さらに道州制のメリットとして淀川流域の治水行政を挙げ、「必要な施策は流域住民の意思を反映しながら選択」と主張している。

 麻生首相は今月6日、国土交通省の出先機関で全国8カ所にある地方整備局の統廃合に意欲を見せた。こうした動きに橋下知事も10日、「麻生首相が号令をかけていただければ、地方はきっちりと思いを受け止める」と同調した。

 地方分権にかける京都府の山田啓二知事の思いも同じだ。旧自治省出身で、全国知事会で地方分権推進特別委員会委員長。3府県知事の意見が固まる前、山田知事は周囲に「ここでまとめられなかったら、国に出先機関を残す大義名分を与えるようなものだ」と語っていた。

 整備局の対応は、年末の地方分権改革推進委員会の第2次勧告を前に、3府県知事が地方分権の必要性を強調する格好の材料になった。
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 〈大戸川ダム〉 国が6月に発表した淀川水系河川整備計画案は、上流部の滋賀県、京都府で河川改修をすると下流の淀川の水量が増すため、上流で水量をカットするために整備すると説明。一方の3府県は「環境への影響の説明が不十分」「既存ダムの有効活用で治水安全度は確保できる」などと慎重姿勢を示し、今後20~30年の事業を決める河川整備計画に同ダムを盛る必要性はないと判断した。同ダムは68年に大津市の山間部で計画され、総事業費は1080億円。本体工事は未着工だが、関連の道路整備などで約600億円を支出している。

(11月11日付け朝日新聞・電子版)

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200811100101.html

【0811/85:淀川水系ダム問題】大戸川ダム不要:淀川水系整備、知事合意素案が判明

2008-11-11 23:09:16 | Weblog

淀川水系の4ダム計画
 
 京都、滋賀など4府県知事が11日に公表する「淀川水系河川整備計画案に対する4府県知事合意事項」の素案を、京都新聞社は10日入手した。国主導の河川行政について「地域のことは地域で決める」と地域主導を打ち出し、大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)は「計画に位置付ける必要はない」と凍結を求めている。

 素案は「基本的な考え方」を示し、「宇治川・瀬田川・大戸川」「木津川」など6項目ごとに合意事項や要望をまとめている。

 基本的な考え方は、淀川水系の在り方は防災やまちづくり、環境などあらゆる面に影響を与えるため「地域の自治に責任を持つ首長が、共通の課題として取り組むことが重要」と、府県知事の主体性を強調した。

 河川整備は「地域の合意を踏まえ優先順位を明確にしたうえで、さまざまな対策を複合的に進めることが重要」と、ダム中心の治水対策を批判した。

 大戸川ダム凍結は、京都府の技術検討会が「実施にはさらに検討が必要」とした評価を基に、施策の優先順位を考慮した結果としている。

 計画案に盛り込まれたほかの3ダムについては、天ケ瀬ダム再開発(宇治市)は、宇治川下流・3川合流部の堤防強化と河道改修の完成を前提としたうえで推進に合意。川上ダム(三重県伊賀市)も早急に整備を図るべきとしている。丹生ダム(滋賀県余呉町)は、事業計画や事業費が決定するまで意見を留保するとした。

 合意事項は、山田啓二京都府知事、嘉田由紀子滋賀県知事、橋下徹大阪府知事に加え、11日に野呂昭彦三重県知事を交えて最終決定する。

 ■知事合意の骨子

 「淀川水系河川整備計画案に対する四府県知事合意事項」素案の骨子は次の通り。

 ・「地域のことは地域で決める」という決意で共通課題に取り組む。

 ・大戸川ダムは河川整備計画に位置付ける必要はない。

 ・同ダム予定地の生活再建、地域振興は国が責務を果たすべき。

 ・天ケ瀬ダム再開発は推進。

 ・川上ダムは早急に整備を図る。

 ・丹生ダムは意見を述べることは不可能。

 ・桂川改修は段階的施行を検討。

 ・大戸川改修は下流の治水レベルを考慮して実施。

(11月11日付け京都新聞・電子版)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008111100037&genre=A2&area=S00