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2018FIFA ワールドカップ 汚職スキャンダル FIFA 汚職事件 赤字

2018年06月22日 08時57分52秒 | ワールドカップ
空前の汚職スキャンダルに見舞われたFIFA
再生は果たせるか?


1億8900万ドルの巨額赤字を出したFIFA(2017年) ロシア大会開催で黒字転換に
 2018年7月、空前の汚職スキャンダルに見舞われていたFIFAは、財政報告を公表し、「信頼性喪失」で、2017年度の収支は、収入が7億3400万ドル(約800億円)に対し、支出9億2300万ドル(約1000億円)で、1億8900万ドル(約200億円)の赤字になったことを明らかにした。
 2016年度の3億9100万ドル赤字は約半分に縮小したもの、1億1700万ドルの赤字に転落した2015年から、3年連続の赤字を記録し、この結果、2015年から2017年の累積赤字額は6億9700万ドル(約770億円)となり、汚職スキャンダルの後遺症の深刻さを露呈した。
 この巨額の赤字によって、FIFA年の準備金は、2015年の14億1000万ドル(約1550億円)から2016年には10億4100万ドル(1152億円)に減少し、2017年には9億3000万ドル(約1000億円)に落ち込んだとした。
 しかし、FIFAは、2018年は、FIFAワールドカップ・ロシア大会の開催などで、38億7600万ドル(約4260億円)の巨額の収入を上げることができると強気の見通しを明らかにしている。
 その収入の“大黒柱”は、放送権収入で、2018年は24億1700万ドル(約2660億円)を見込んでいて、収入の約62%を占める。なんと60%を超えるFIFAの収入は放送権収入支えられるいるのである。
 これによって、2018年の収支は7億2300万ドル(約800億円)以上の黒字になるとし、2015年からの累積赤字は一掃して、4年間の収支計算で1000万ドル(約11億円)以上の黒字に転換になるとしている。
 その結果、FIFAの準備金は2015年末の14億1000万ドルから、2018年末には16億5300万ドル(約1820億円)に回復すると予想し、空前の汚職スキャンダルがもたらした「信頼性喪失」の後遺症から完全に回復できたとしている。

FIFAの副会長ら7人がスイスで逮捕
 2015年5月27日、スイスの司法当局は、汚職とマネーロンダリングの疑いで、アメリカ当局の起訴に基づいて、FIFA・国際サッカー連盟の幹部らを逮捕した。それと同時に、アメリカの司法省はFIFA・国際サッカー連盟の幹部9人と5人の企業の役員を、共謀と汚職の疑いで起訴したと発表した。
スイスの司法当局に逮捕された7人の身柄は、アメリカへ移されたが、この中にはケイマン諸島出身であるジェフリー・ウェブとウルグアイ出身のエウヘニオ・フィゲレドの2人のFIFA副会長も含まれていた。
 今回の逮捕はアメリカの司法省からの要請に基づくもので、スイス司法省によると、多くのスポーツメディアやスポーツPR会社の関係者が、FIFAや傘下の組織の幹部から賄賂を受け取り、その見返りとして、中南米で行われたサッカー大会の試合の放送権に加え、スポンサー権についても便宜を行ったという疑惑がもたれている。また、アメリカに拠点を置く金融機関がこの賄賂の支払いに使われていた。
2015年6月2日、アメリカの司法当局がFIFAのブラッター会長を捜査の対象に加えている事が明らかになり、5月29日に行われたFIFA会長選で5回目の当選を果たしたばかりだったFIFAのブラッター会長が辞意を表明した。
 しかし、会長選が行われるまで、現職に留まることも明らかにした。
 ブラッター氏は唯一の対抗馬だったヨルダンのアリ王子(39)を破って5選を果たしたばかりだった。再選後もブラッター氏に対する国際的な批判はやまず辞任要求の圧力に屈する形となった。
 ブラッター氏はスイス出身。スイス・アイスホッケー連盟事務局長などを経て、1975年にFIFA事務局入り。アベランジェ前会長に引き立てられ、1981年に事務局長に就任。実務を取り仕切り、FIFAの財政基盤を確立。1998年から会長を務めてきた。

新会長にインファンティノ氏を選出
 2016年2月26日、国際サッカー連盟(FIFA)は、スイス・チューリヒで開催した臨時総会で会長選挙を行い、ブラッター氏の後任に欧州サッカー連盟(UEFA)事務局長のジャンニ・インファンティノ氏(45)=スイス=を選出した。幹部らの汚職事件に揺れる中、失墜したFIFAの信頼の回復を担う。
インファンティノ氏は選出後、「悲しい時代、危機のときを経験したが、それは終わった」と述べた上、「FIFAに対する尊敬を回復する」と語り、改革などを通じてFIFA再建を目指す決意を示した。
 会長選にはFIFA加盟の207の協会が参加し、インファンティノ氏は1回目の投票で88票を獲得し、有力候補のアジア・サッカー連盟(AFC)のサルマン会長(85票)を抑えて首位を確保したが、必要な3分の2の得票にとどかなかった。過半数で決まる2回目の投票で115票を集め、当選を決めた。
選挙はインファンティノ氏とサルマン氏のほか、元FIFA副会長のアリ王子と元FIFA副事務局長のシャンパーニュ氏の4候補で争われた。
 インファンティノ氏は2000年にUEFA入り。法務部門の責任者などを務め、2009年から現職。FIFA次期会長に有力視されたUEFAのプラティニ会長が活動停止処分となったことから、UEFAの支持を受けて急遽出馬した。
 また臨時総会では、会長を含む幹部の任期制導入、理事会の意思決定部門と実務部門への分割を柱とした組織改革のための規約改定を承認した。

 2016年3月16日、FIFAはワールドカップの開催国を決める投票で、複数の理事が票を買収して金銭を受け取った汚職行為があったことを初めて明らかにした。FIFAの試算によれば、当時のFIFAの理事らに渡った金銭の総額は、最低でも数千万米ドル(日本円で数十億円)になるという。なお、買収行為は1998年に行われたフランス大会の招致でも行われていた。ワールドカップの招致を巡る投票で、FIFAの幹部が票を買収していたことをFIFAが認めたのは初めてである。

2018年W杯のロシア開催は投票前に決まっていた
 国際サッカー連盟(FIFA)から活動停止処分を受けているゼップ・ブラッター会長は、2018年ワールドカップ(W杯)のロシア開催は、投票前にすでに決まっていたと示唆した。2010年に将来のW杯について「話し合い」がもたれたのだという。ロシアのタス通信に語った。
ブラッター会長はさらに、カタール開催に決まった2022年W杯については、米国開催が同様に事前に決まっていたものの、実際の投票時にかなりの票数がカタールに流れたのだと話した。
 「東欧で開催したことがなかったので(2018年は)ロシアだと内々で決めていたし、2022年はアメリカに戻ると打ち合わせしてあった。そうすれば2大政治大国でW杯を開くことになるので」と会長は述べた上で、欧州からの4票がアメリカからカタールに流れたのだと説明した。
2018年と2022年の大会開催地決定については、スイス当局が刑事捜査に着手している。これと並行して米司法省も、FIFA幹部による汚職事件を捜査している。
 さらにブラッター会長と、会長後任を目指すプラティニ副会長による不正行為疑惑が取りざたされており、2人はFIFAから90日間の活動停止処分を受けているが、共に不正への関与を否定している。
(出典 BBC NEWS)

FIFA、W杯汚職疑惑の証拠得られず 報告書公表
 2017年6月27日、国際サッカー連盟(FIFA)は、2018年と22年のワールドカップ(W杯)招致を巡る汚職疑惑を調査した「ガルシア報告書」の全文を公表した。
 カタールからFIFA幹部の家族に巨額の送金が行われていたものの、W杯招致との関係を決定づける証拠は得られなかった。疑惑が深まる一方、開催地を変えるには至らない見通しだ。
 合計で400ページを超える同報告書は、FIFA倫理委員会調査部門のトップだったマイケル・ガルシア氏が14年にまとめた。だがFIFAが概要としてごく一部しか公表しなかったことが問題になっていた。
 報告書によると、22年の開催地を獲得したカタールのコンサルタント会社がFIFA理事の10歳の娘の口座に200万ドル(約2億2000万円)を振り込んでいた。開催地決定の直後に理事の一人がカタールに電子メールで数十万ユーロの送金に感謝していたことも判明した。ただ、招致の一環だったとの証拠は得られなかった。
 カタールと同時に18年の開催地となったロシアの招致活動では、ほとんど有効な情報にアクセスできなかった。22年開催地に立候補していた日本が、約10万円に相当する贈答品を当時のブラッター会長らに贈ったことも記されている。
報告書はドイツの大衆紙ビルトが全文を取得し、内容の一部を報じ始めていた。FIFAは文書が違法に漏洩されたのを受け、公表を決めたとしている。
 W杯開催の招致を巡る疑惑は2014年に表面化した。実態解明を求める声が広がるなかで開かれた2015年のFIFA総会の直前に、米司法省が資金洗浄などの疑いでFIFA副会長ら10人以上を起訴し、大規模なスキャンダルに発展した。

26年W杯開催地 米・カナダ・メキシコ共催
 2018年6月13日、2026年ワールドカップ(W杯)の開催地について、国際サッカー連盟(FIFA)は、モスクワで総会を開き、 開催地の投票を、招致の当事者や利害関係者を除いた国際サッカー連盟(FIFA)加盟の203組織によって行い、米国を中心にカナダ、メキシコで共催する「共催案」が134票、モロッコが「65」票を獲得し、「共催案」が採択された。
電子投票で、投票の直後に全協会の投票行動も公開された。その結果、報告書が高い評価を与えた「共催案」が選ばれた。日本は共催案に投票した。
 米国は1994年以来、メキシコは86年以来のW杯開催で、カナダは初開催。
2026年W杯から出場チームが48チームに増え、試合会場もこれまで以上に必要となるため、2002年日韓大会以来の共催が認められた。
 共催案は、米国の17都市に加え、カナダ3都市、メキシコ3都市の計23都市が開催候補に挙がる。開幕戦はメキシコ市など3都市、決勝戦はダラス、ロサンゼルス、ニューヨーク・ニュージャージーが候補で、今後検討する。

開催地決定に“疑惑”は一掃されたのか
 2018年ロシア大会と2022年カタール大会を一括して決めたのは、FIFAの総会ではなく、2010年に開催されたFIFAの理事会で、たった20人程度の理事で開催地が決定されていた。投票を巡りFIFAの理事に対する買収工作の疑惑が次々と明らかになり、報告書での評価が高かったイングランドや米国ではなく、ロシアとカタールが選ばれた。
カタールに至っては決定後に開催時期の問題取り上げられ、招致段階とは異なる11~12月の開催に変更された。
 2016年、欧州連盟(UEFA)の事務総長だったインファンティノ会長が新会長に選出され、透明性を高めるために、今回から開催地の決定は総会での投票に委ねられるように変わった。
「2年前、組織としてのFIFAは死んだ。そしていまはよみがえり、金の流れが見える新しい組織となった。2026年W杯は透明性が高い状態で決定した」とインファンティノ会長は胸を張った。






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2018年6月15日
Copyright (C) 2018 IMSSR


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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
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